コスプレ衣装の試着会!
高虎先輩がやって来る。
完成したコスプレ衣装を持ってやって来る。
ホノカが嬉しそうで、小早川さんもウキウキしているので、もう水を差すような事は言わない。
3人の部員のうち、2人がノリノリなんだったら、僕もせめて半分、ノリくらいにはならければいけない義務がある。
守沢は逃亡する恐れがあるため、ギリギリになって呼び寄せようという事で、全会一致を得ていた。
まったく世話の焼ける三次元。
「いやはや、お待たせしたでござるね! みんなの高虎先輩が来たでござるよ!!」
文芸部の部室に創造主が降臨。
ゼロからコスプレ衣装を作り出し、文芸部の部室も創り出した高虎先輩は、誰憚ることなく創造主を名乗る権利を有していると思われた。
『松雪さん!! お待ちしてましたよぉ! 早く、早く見たいです! 早くー!!』
「私も、見たいです。できるだけ急いでください。ヘイストとピオリム、どっちかけたらいいですか?」
「おうふ。美少女に詰め寄られるとは、小生にもモテ期が来てしまったでござるか」
2人の視線は、先輩の持っているバカでかい袋に集中している。
なんなら高虎先輩は視界に入ってすらいない可能性も。
いや、そんな事を言うのはよそう。
4人分のコスプレ衣装を用意してくれたのだから、ここは良い気持ちになって貰っておこう。
「では、早速お披露目していくでござるよ! まずは、大晴くんから!!」
「えっ!? 僕からですか!?」
よもやのトップバッター。
なにゆえと狼狽えるものの、理由が実にシンプルで納得せざるを得ない。
「男子から着替えないと、出たり入ったりが面倒でござる!」
「理解しかできませんね。分かりました」
僕は黙って制服を脱ぐ。
ホノカは家で上半身裸の僕を見慣れているだろうし、小早川さんはちょっと我慢してもらおう。
「おお! 相変わらず、なかなか鍛えているでござるなぁ!」
『そうなんですよぉ! 大晴くん、アニメ見ながら筋トレしてるんです!!』
「すごい。そのストイックな姿勢、私も見習わなくっちゃだね」
半裸の僕の感想は良いので、早く服を下さい。
さすがに全員に凝視されると、なんだかむず痒いです。
「こちらが、シルバー司令官の衣装でござる! ささ、お召替えを!!」
「うわ、相変わらず、すごいクオリティですね! この刺繍、ちゃんと縫ってある!! これはちょっとテンション上がるなぁ」
シルバー司令官の衣装は、銀と黒が基調となっており、見た目は19世紀のイギリス貴族のスーツが近いだろうか。
さすがと言うべきか、当然と流すべきか、サイズも完璧。
『ほわぁぁぁ!! 大晴くん、カッコいいですぅ! 美海さん、美海さん! わたしを持ち上げてください! 写真と動画を同時に撮ります!!』
「うん。任せて。あのね、そのデータあとで私にもちょうだいね」
「では、仕上げにマスクを!」
「マスクまであるんですか!? うわ、デカい!! でも軽い!!」
シルバー司令官は、常に黒いマスクを装着している。
これは、チアレッドたちと同じ高校に通う男子である身の上を隠すためなのだが、まさかそこまで仕上げてくるとは、高虎先輩、さすがです。
「うむ! 完璧でござる! 小生としても、大晴くんのデビューを飾れて嬉しいでござるよ!! 動きにくいとか、どこか突っ張っている感じはござらぬか?」
「いや、全然! 下手すると制服よりも着心地が良いですよ! ありがとうございます!」
なんで僕のテンションが少し上がっているかと言えば、マスクのサプライズがあったからである。
鼻先まで隠れるマスク。今日はないけど、マントもあるらしいし。
つまり、僕は顔バレしない!!
こんなに嬉しい事はなかった。
そして、次はいよいよホノカさん。
鼻血噴き出しても良いように、ティッシュの用意は万全だ。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「ホノカ氏の衣装は、こちらのUSBに入っているでござる!」
『わぁ! ありがとうございますぅ! 大晴くん、パソコンからわたしのサーバーに転送して貰えますか?』
「任せて! よし! って、すごいですね、これは!」
「ふふふ。いかにデータとは言え、手抜きはせぬのがレイヤーのジャスティス!!」
速やかにデータを転送。
ホノカに確認を取ると『オッケーです!』と手で大きく丸を作る。
そして『着替えるので、画面を覗かないで下さいね?』と言うホノカさん。
「おうふ。今のはなかなか刺さるでござるなぁ」
「ですよね。私、全身が熱くなってきました。覗いちゃおうかな」
「2人とも、人の彼女を不埒な目で見るの、ヤメてもらえます!?」
待つこと3分。
ホノカさん、チアレッド・バーニングフォームバージョンのお目見えである。
『んしょ、んしょ。はい! 着ましたよぉ! どうですかぁ!?』
「尊い。僕は今死んでも本望。生きてて良かった」
「うん。尊い。私、勇気出して日本に来て良かった」
「尊いでおじゃるなぁ。小生、頑張って良かった」
部室が尊いで埋め尽くされた。
ひとつ呼吸をするたびに、肺が尊いで満たされていく。
尊いで溺れてしまいそうだ。
何を言っているのか分からない者には猛省を促す。
分かりみが深い同士諸君には、特別にホノカの衣装の詳細を知る権利を差し上げよう。
バーニングフォームの名前そのままに、燃える炎がモチーフ。
チアリーダーのコスチュームはそのままで、背中には翼が生えており、肩と腰にはヒラヒラした不死鳥の羽ギミックを搭載。
ポイントなのは脚。
普段のチアレッドは短いソックスなのだが、バーニングフォームは真っ赤なロングブーツになり、絶対領域が発生する。
これがもう、堪らんの一言に尽きる。
健康的なホノカの脚は既にそれだけで持ち点200は固いのに、絶対領域が加算される事でさらに倍! つまり無敵!!
『えへへー。見てください、大晴くん! ほら、ほらぁ! ヒラヒラですよぉ!!』
「高虎先輩。本当に、ううっ、本当に、あああっ、ありがとうございますぅ!!」
「小生もまさかこれほどとは……! 二次元のカノジョがコスプレすると、とんでもない破壊力でござるなぁ」
「ホノカちゃん、すっごく可愛い。どこで画面に入れるのかな? 貯金全額下ろしてくるから、どうにかならないかな?」
このホノカの姿を世界に広めたら、争いごとなんてなくなるのに。
しかし、僕はそれを良しとしない。
僕の彼女なんだから、そんな簡単に人に見せてやるものか。
意外と僕は独占欲が強いのだ。
このままの勢いで、三次元チームも済ませてしまおう。
「小早川さん。守沢を呼ぼうか」
「うん。水ようかんで釣ればいいんだね。やってみる」
小早川さんも、だいぶ話が分かるようになってきた。
「面白かった!」
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