第29匹 召喚姫とは……
ネカマ?異世カマ?のおじさんの冒険は結構テンプレですよね。
でも、幸せなら……オッケーです。
まぁ、乗るしかないこのビッグウェーブに。
「はぁ……まだかな。」
「おい、シア。ため息つくなよ。」
部屋の中から低い女性の声が呆れたように呟く。
でも、もう耐えられない。
早く、早く。
牢の前に、監視が立ち止まって言った。
「お前ら、飯だ。」
な、んだと〜!
「やったー!ご飯だ!」
「牢屋なんてお前には関係ないのな。」
「だって、ご飯美味しいもん。」
いつものご飯が不味すぎなのかな?
ここのご飯は、いつまでも食べてられる気がする。
「わ〜!カレーだ。」
いつもは、レトルトカレーの劣化版みたいなのしか食べてなかったから、嬉しさが溢れるや。
「おかわり!」
「相変わらず、嬢ちゃんよく食うな。」
「えへへ。」
なんでこんなに他愛ない会話ができるのか分からないけど、凄く嬉しい。
亜人種って分かってるはずなのに……。
「シア。お前は本当に、何か悪い事したのか?」
「うん…モグモグモグ。モグモグ……結構ね。」
全然納得して無い感じがするけどいっか。
「ふ〜ん。そっか。」
「ご馳走様です。」
そういやナギとマイは召喚姫らしいけど、あと一人は誰なんだろ?
10年前の"恥乞い"の時に来た、召喚姫はどこに……。
ナギは今何してるかな?
私の事考えててくれないかな?
早く会いに行きたいな。
「シア?何か、SYモード入ってない?」
「大丈夫、今から入る。」
「えぇ……。」
これは、ヤンデレじゃない。
何なら、まだまだ病める。
「何か、音がしない?」
「確かに……。」
傷がいくつか付いた白い壁から音がする。
しかも、徐々に大きくなっていく。
ホゴッ。
「ボゴッ?」
壁から腕が生えてきた。
鱗に覆われた手には長い爪が生えてて、どっかで見たことある気がする。
「シア。逃げるぞ……。」
「シユテ?」
あの、竜人のシユテかな?
光線を馬鹿みたいに発射してたやつ。
「逃げれるの?」
「良いから、早く。」
「でも……。」
ここのご飯死ぬほど美味しいし。
ずっとここにいてもいいかもしれな……。
「ナギ探さ……」
「行く!」
──────────────────
「連目」
遠くから白目が綺麗な目玉が宙を舞って近づいてくる。
「なんだこれ?」
「気持ち悪いな。」
唐突に目玉が光って、爆破した。
「わっけわかんねぇよ!」
一体どんな生涯送ったら作者はこんな猟奇的な事が考えられるんだ。
「ははは!哀れだね。」
細目マンは陰キャ的な笑い声をあげる。
"陰キャ"が作者にブーメラン。
しかも、クリティカルヒット。
「召喚姫3人もいて、それぇ?はっ、所詮奴隷か。」
「召喚姫3人?」
飛び飛びの記憶じゃ分からなかったけど、召喚姫って今ここに全員集合してる感じ?
「そうだよ、お前とそこの2人。」
そう言って、俺を指したあとマイとリコさんを指さす。
「それ、ガチガチのガチ?」
「ガチ。」
やっぱりリコさんは召喚されてたんだな。
「リコも……召喚姫?」
ロアさんは固まった。
竜鬼化した元帥は腕の骨をバキボキに折られた後、リコに更にボコボコにされて収監されていました。
時間が経って元に戻った元帥は【物質変換】という能力で手で触れた壁を酸素に変えていきました。壁を掘り進める感じで。
もちろん、ヨフタヤだけを置いて。
(裏切られたしね。)




