第28匹 ブラックジョークはミスると恥ずい
ここはイルキース城の地下1階の広い空間。
シャルさんの知ってる地下通路を使って城内に入った。
「ここはまだ安全だけど、上に行くと危険だから……。」
「ここで、準備しろと?」
ついにセーブポイントだ。
城の地下とかRPGとかでしか知らないけど、ホントにあるんだな。
ワクワクしてきた。
ところで何で、シャルさんはフードを被ってるんだ?
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城の3階。
誰もいない深い暗がりの中で、クムルは目を閉じたまま眉間にシワを寄せた。
「マフロ様。誰か来ましたよ、地下に。」
右目だけ開けて暗がりを見つめて言う。
「知り合いですか?」
捻じ曲がった空間に話しかけるクルムに応えるように低い声が言い放つ。
「そんな泥臭い奴は知り合いでも消せ。」
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「ただ、襲われないってだけでもう見つかってるけどね。」
まじかよ。
新情報が致命傷。
「結構本気で?」
「結構本気で。」
これは、進行上のミスマッチじゃない?
だって、銃持った奴いっぱい来たらマグロじゃ無理だよ?
「じゃ、さっさと行か……。」
「そこのお前たち、何をしている!」
デジャブとは、この事か……。
まあ、1人なら何とかなるか。
「隊長、第1隊、第2隊それぞれ揃いました。」
デジャブとは、この事もか。
「呼びつけ、召し使う。"強固な壁獣"」
シャルさんが放ったその言葉に誘われるように光の粒子が寄り集まって壁的な何かが召喚された。
渦を巻いた化石みたいな、言うなればアンモナイト?
「シャルさん。なんですかそれ?」
「璧獣って言う、堅牢獣の1種よ。」
何一つわからなかったけどニュアンスは分かった。
「撃て!」
一斉射撃が始まったのは、弾を無駄にするためかと思う程に璧獣は全てを受け止める。
「なっ!?」
隊長は、驚いたまま微動だにしない。
攻撃が止まって、俺のターンとばかりに璧獣はガスを噴出した。
「グゥ……グゥ。」
ガスを吸ってしまった隊員はどんどん寝てしまう。
ついに、敵は全員眠りに着いてしまった。
「行こう!」
マイの言葉に頷いて走り出す。
マグロの能力なんて幅が限られてそうだけど大丈夫かなバトル。
そろそろ1階に着く。
こうなったら行くしかないな。
「よく来て下さいました。ささ、どうぞ地獄へ」
「細目野郎。階段までの道聞いてもいい?」
なんか、最初から幹部的なやつ来たからスキップしとかないと。
こんな所でMP使ったら後が面倒い。
「嫌だ。とか喚いたら?」
「そんときゃ、高い高いしてやるよ。」
目も開いてないとすると、多分生後1、2週間くらいかな?
微笑ましい絵面が浮かぶ。
「そうか、つまんないな。」
確かにカッコつけて格好が付かなかったのは、俺も恥ずかしい。
誰か俺にブラックジョークを教えてくれ。
ツインボーカルの歌の歌い方を教えて欲しい。




