第26匹 ツンデレときどきウリウリ
「あ、ナギち……大丈夫!?」
「やつれてる〜。」
「ほぇ〜。」
まさかの展開で辛い。
勝手に死刑執行されてるし……。
ただただ、そこはかとなく悲しい。
「マイ秘技……ハグっ!」
マイは意思確認と言うやつが足りん。
でも、可愛いから許す。
パッと見、同い歳くらいな感覚だけど単純な馬鹿なんだろうか。
身長は150cmくらいだし。
ってか、身長150でDカッ……。
栄養がそこで滞ってる感じか。
「大丈夫だよ〜、ナギちゃん。」
頭を擦りながら声をかけてくる。
「ありがとう、マイ。」
「どういたしまして、ナギちゃん。」
微笑ましい少女2人の関係に秒刻みで「尊い……」をぶち込んでくるロアさんは言う。
「録画していい?」
「な、何それ……。」
どこからか、業務用のカメラを持ってきてスタンバっていた。
「楽しそうで、良かった。」
「シャデラさん?」
「馴染めて無かったらどうしようとか思って。2人とも。」
2人ともってことは?
「マイも?」
「そう。」
お姉さんキャラが徹底しすぎて。もう保護者の域だし。
「べ、別に心配なんてしてないけど……。」
今度はツンデレかよ。
キャラがごちゃごちゃし始めたぞ……。
「はいはい。充分可愛いですよ。」
「きゅ、急に何!?やめてよ恥ずかしい。」
やべえ、もしやこれは姉妹揃ってツンデレとか言う展開?
それは、心 幸せなんだけどシアだけに……。
すいません。調子乗りました。
わざわざ、ルビ振りしてまで伝えたいことなのかどうか分からないし。
「良かった、リコも元気そうで。」
「うん。そっちもな、シャル……。」
シャルか……。なんか可愛い相性いいな。
「リコ、知り合い?」
「まぁちょっとした、な。」
「ふ〜ん」
あんまり、友達とか作らなさそうな感じだからなんか意外。
「あれ〜?リコ。今日はウリウリしないの?」
「シャル!?それは言っちゃ……。」
「ウリウリ〜ってね、リコが……。」
「どぅわ〜。」
止め方独特じゃん。
「リコさんが何ですか?」
「聞くなぁ。このぺちゃ……。」
「どぅわ〜。」
結局変わらなかった。
どぅわ〜とは一体……。
恐らく世界共通で使えると思う。
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そして夜。
落ち着くまで時間かかった上、途中からマイも入ってきて事件は複雑化して行った。
落ち着いてから、会話はシャデラさんの事になった。
「よ、呼女だったの!?」
「見えない?」
「いや、まぁ。」
言葉に詰まるロアさんはいつになく、へりくだっている。
王様でもこんなにへりくだらないのに。
王様にはぜひ頑張って欲しい。
寝たきりの元王様にも。
「やっぱり、録画していい?」
「はぁ。」
回想。
「お姉ちゃん。」
「ん〜。何、シア?」
「明日、だよね。」
「うん、緊張する。」
ついに、明日か……。
翌朝。
「娘。娘。そこの娘!」
「もうちょっと、寝かせ……すぅ。」
「はぁ。ザメハ!」
「私はキアリク派。」
DQの話が通じるとか中々なおじさん?
「誰?おじいさん。」
「結構、神名乗って長いけど知らない?」
「あぁ、神様ね。」
「結構軽いね……。」
ついにこの日か。
──能力査定。
唐突に目の前にウィンドウが開いた。
画面には「抽選開始」とか、書いてるけど……。
「そこのスタートボタンタップして……そうそう。」
20個ある枠には高速かつランダムに能力名が表示され続ける。
「その中のどれか選んで。」
「は〜い。」
パリパリとポテチを食べてる神様。
しかも椅子に座っている。
「もしかして私、トラクターの前でショック死とかしてません?」
「いや、してないけど。」
良かった。カスマとは違うわけだ。
「じゃあこれ。」
「なるほど、大体了解。」
選んだ能力は、
【召喚】【接触譲渡】
だった。
特に強いわけじゃないけど、これで脱出に近づくはず。




