第18匹 【能力覚醒】本気ズム
元王様もロアさんも、シアも誰も頼れない。
今からは完全タイマンだ。
しかし、猫の動体視力は結構凄い。多分。
「猫技CP」
バシィと、轟音を立てて止められる。
「奇術"刹那切り取り"」
「また、それかよ!うわっ。」
凪少女は空間に囚われてしまった。
囚われの少女だ。
てか、みんなメリアのところにいる。
寂しいなぁ。
結局の所、威勢だけで何も出来なかった。
……訳じゃない。
「【下着限定裁縫能能力IV】【能力拡張】複合能力!」
ついに来た、新技のや〜つ。
「【下着精製操作】!」
ミツナとナギの複合能力である。
実は登っている途中で思いついた技で、下着を精製して操作することが出来る。
ナギの囚われている空間の外、ヨフタヤの目の前に、下着が山積みされていく。
「奇術"奇形蛇"」
そこには様々な柄、大きさ、種類の下着が変形し組み合わさって大蛇として君臨していた。
「なんだよ……それ。」
「キシャァァ!」
果たしてそいつに声帯があるかどうかはともかく、大きな口が威嚇を放つ。
「奇術"刹那切り取りResize"」
大きな空間が大蛇を包み込む。
「ただ、そんなことしたって結局は下着だし。」
その言葉通り、徐々に大蛇は下着に戻って行った。
しかし、精製にも魔力の限度があって、感覚的にもうダメっぽい。
「今のはほんの、序章だ。」
「そんなふざけた序章があったのか。」
そう、今出したのとは比べ物にならないくらいの"アレ"を出してるんだ。
ついさっき、登る時に!
「奇術"巨大蛇"」
魔力はミツナの負担も大きくいつまで持つか分からない。
円柱状の王城にほぼインナーでできた巨大蛇が巻き付く。
この時のための円柱型だったのか。
「何だよ、この……」
ヨフタヤは、恐らく例えすら見つからないのだろう。
当たり前だ下着で作った大蛇とかいうパワーワード出てこねぇよ。
そんなヨフタヤに、大蛇は大きな口を開けた。
「止めっ、くそっ。奇術"刹那切り取り"」
「キシャァァ!」
「うわぁぁ……!!」
そのまま、ヨフタヤは蛇の口、いや、下着の中に消えていった。
「これでめでたしなのか?」
「ナギ〜。圧死にする?それとも圧迫死?」
「選択肢は無いんだな?」
ありそうで一択だった。
まぁ、確かにまだ閉じ込められたままだしあいつは気絶とかして無いだろう。
徐々に蛇はヨフタヤを中心に球体に変化した。
そのままその球体は、縮小運動を始めた。
「おっし!」
「ナギ〜、やった!それと、解除」
「それより……元王様!」
「う、うぅ。」
冒険者パーティ3日目
パーティは順調に戦いを展開していた。
「多分、あの口が弱点だろ!」
「ネムりん!口だって!」
「わかった、わかった。魔術"魔火"」
口の中を直接焼かれたヤツは、大きな呻きを上げて、森の中を逃げ回って行った。
「あいつ!逃げたぞ。」
「追いましょう!リーダー。」
「おう!」
そう言って、走っていくパーティ。
しかし、ネムは動こうとしなかった。
「ネムりん、行くよ!」
「う、うん」
ネムはこの時、莫大な魔力の接近に気づいていた。




