第16匹 解き放つ力
「ナギ〜!」
ミツナが嬉しそうに呼びかける。
「ミツナ!誰こいつ?」
「すごい強いよ、一瞬でガチッて空間が固まった。」
「うん。語彙が……」
ないのは、恐らく作者。
「そこのボスっぽいやつ。戦おう!」
「それは、難しいかな。」
一体どういう……。
大体こういうのって戦って主人公覚醒パターンだろ。
「グルルル。」
ついにロアさんが"鬼獣化"したみたい。
見た目は狼な鬼。その狼鬼が竜鬼をボコボコ殴って倒した。
絵面的にあまり尺も持ちそうにないので割愛。
「ロアさん、BOSSも殺って欲しいです!」
「グルルル。どうしようかなぁ。」
「えぇ?」
喋れんのかい。
そうなるとその「グルルル」が気になっている自分がいる。
「みんなで、応援してくれたらいいけど。」
ミツナと、マイが順に言う。
「ロアたん頑張れ!」
ロアゲージ 20%
「ロアさん!ファイト〜!」
ロアゲージ 60%
応援って意外と恥ずかしいんだよな。
しかも、大声でとか……恥辱の極みっ!でも、仕方ない。
「ロアさ……ん。が、頑張……れぇ。」
頬を赤らめて下を向いて恥ずかしげに言ってしまった。
やっぱ恥ずかしくて、なんか……
ロアゲージ 150%
いや、ゲージ爆上がりしてる。
震えるロアさんは最大限の魔力を放出していた。
「うぅ。ナギちゃん、ピュアフル。」
「一体、どういう癖?」
「そこのやつ!誰か知らないけど覚悟しとけよ。」
そう言ってロアさんはダッシュでBOSSに向かって突っ込んだ。
しかし、BOSSは、ビクともしない。
その隙にシアと2人でミツナとマイの救出に当たっていた。
「その壁は空間じゃなく時間だ。」
最強ロアさんの攻撃でもビクともしないで会話をするBOSS。
「奇術"刹那切り取り"」
「うぐっ。」
「ロアさん!」
次は、ロアさんが閉じ込められた。
そんな、ロアさんが無理ならもう……。
「時・放」
その時、男の人の声がした。優しい声が。
「ナギ〜!」
「ミツナ!?」
同時に二つの切り取られた刹那が解き放たれた。
「あなたは!」
ロアさんが驚いて、膝まづく。
「メリア様。」
「メリアでいいと言ったはずだが?」
「しかし……」
「もう王じゃないんだ、それくらいいいさ。」
この会話を聞くに、この人は前の王様かな?
「奇術"刹那切り取り"」
「歪・解」
その刹那は切り取られないまま。
まさかこの人は、時を操ったりする感じか?
「どうだい若者。私の【解放】は」
「案外強かった。ただそれだけだ。」
そう言ってBOSSは、長めのナイフを抜いた。
「これからが本番だ。」
冒険者パーティ2日目
今日はついに大討伐の日。
「今回の敵はフォレストエレメントだな。」
「なかなか手ごわい相手ですね。」
「フォレストエレメントは恐らく日が弱点だろうから今回はネムりんががんばらいとですね。」
口々に、情報を出し合う。
いや、でも今回は確かに私が頑張らないと。
「ネムりんは、恥ずかしいな。」
「ネムりんはネムりんです。」
「わかった。わかった。」
さすがに無理だった。
ちょっと抜けてて可愛いけど結構頑固なんだよな。
「一応炎系はいくつかあるけど……」
炎系専攻の能力士より劣るんだよな。
「まぁ、1人で戦うわけじゃないから大丈夫だよネムりん。」
「そうだよね、ありがと。」
「そろそろ、出発するか。」
「うん。」




