第13匹 2人のヒロイン、2人の秘密
───────────────────── ここは、あの部屋の外。
そこには、はるか下を見るふたつの影があった。
「ミツナちゃん。あれなんです?」
「大きな下着だね。恥じらいも感じないよ。」
やる所までやった大きなモコモコ。
上から見た感じ、それしか見えなかった。
大きな竜人を普通に秒殺してしまい、見せ場が無くなったのでここに来た。
ちょっと降りてみようかなとか考えていたふたりはまだ、後ろの人影には気づいていなかった。
─────────────────────
時は同じ頃、ナギの方はと言うと。
シアが、自分の過去や報われない過去を話した。
昔は、バーレンヌス(3話目の話で出てきた国)
に住んでいた。
しかし、小さい頃に誘拐され、奴隷として扱われたのが事の始まり。
ボロボロの身体のまま国を転々としたらしい。
「優しくしてくれたのは初めてで。」
どうしていいのか分からない。
泣きながらフードを取る。
その透き通ったベージュのような、象牙色と称されている色の髪は、見ていると落ち着く。
その髪の間を縫うように、耳が生えていた。
それは、猫や犬のような小さい耳。
彼女は亜人であった。
耳に注目している隙に、彼女は俺の唇に指を伸ばす。
中身がおっさんなところを考えると、色々思うところはあるけど……
触れた瞬間、今まで感じたことの無いほどの充実感が襲う。
いや、力がみなぎる的な意味で……
この時間はゆっくり進むように感じ……
「うわぁぁ!」
「きゃっ。」
女の子特有の驚き方は、生きているうちに、 わざとなのかわざとじゃないのか、知ることはできなかった。
ちょっとした心残りだった。
我ながら、しょうもな。
いい感じの2人が驚いたのは、もちろん何かあったからなわけで、それは…………
─────────────────────
時を戻して、2人の話。
ミツナとマイは気配に気づいて恐る恐る振り向いた。
そこに居たのは、ロアだった。
「2人とも、王様のところに行ってていいよ。」
ロアは下を指さして言った。
「女の子の匂いがする。しかも、2人。」
そう言い捨てて、ロアは飛び降りた。
何故、200m先の匂いが分かるのか謎だった。
─────────────────────
「ロアさん!?」
「あれ?亜人?可愛いね……。」
「そうですか?おばさん。」
「おば……。」
これは魔界にあると言われる伝説の地、修羅場。
「ふっ、おばさん。私、やることがあるんで。」
そう言って彼女は、キスをした。
もちろん、ナギという戦犯少女に。
キスをされた瞬間、力が湧き体が軽くなる。
「なっ!?は、はぁ!?」
1番戸惑っていたのは、ロアさんだった。
そんなロアさんの体から熱波がやってくる。
熱波というか、波動みたいな感じではあるけど。
ついに、ロアさんの戦闘シーンが!?
とか思っていると、ロアさんが首に下げていた
ペンダントが赤黒く光り、波動が止まった。
それと同時にシアは、にやっと笑い、言った。
「本気出してくださいよ!奇術"不連針"」
その針はペンダントを貫き、分解した。
ロアさんは呻き声を上げながら、頭を押さえる。
その頭からは、感じることが出来るほど高密度のエネルギーが溢れ出した。
ロアさんは、頭に生えてきた二本の角を押さえるようにして、座り込んだ。
彼女は鬼人であった。
これは、結構やばいなと思った。
ロアさんは今、自我が無さげだ。
偽りの牢獄
ついに、目を覚ました。
当たりを見回して何となくわかったが……
ここは、地下の牢獄だろう。
向かいには、獣人のおじいさんがいる。
地下牢獄とはいえ、ここは平和の国アルカー王国。
優しい優しい、国なんだ。
奴隷とか受け入れないし、堅物で嫌われている。
ここから逃げるために、とりあえず能力を使う必要がある。
そのために先ず……
この、封愛の手枷を取らないと。
「おーい、元帥ー!いないのかな?あほー!」
遠くから声が聞こえる。これは、部下のテミ。
入隊2年目で、全然礼儀がなっていない。
作戦は、遂行されているらしい。
「ここだ!あと、アホじゃねぇ。」
「なんだよ。いたなら返事くらいしろよ。」
今のは、返事カウントではないらしい。
苦労もなく手枷を外し、牢屋を出た。
さすがに、全二部構成なので作者も焦っていた。
ドォーン。とか、チープな効果音が鳴る。
どこかで誰か戦っているのだろう。
あの、猫じゃなけりゃいいけど。
それからはとりあえず、上へ上がった。
王の間に行くまでに、いくつか部屋があったが、
どこも、戦ったあとがあった。
1つ目の部屋では、ザコルとザコラ、そしてゲスム。
2つ目の部屋では、竜人のサコブが倒れていた。
そんな仲間を脇目に、リーダーのヨフタヤの所へ行った。




