捨てられない
「私が子どもの頃は、物が無くて大切にしていたものよ。今は世の中が豊かになったからといって、物を粗末にすることはダメよ」
ネコバーの口癖はいつもの口調であった。
そして、物を整理して捨てるという行動をするときに、ネコバーはいつも困った顔をする。
物を大切にするという精神、習慣によって捨てるという行動が難しいのである。
捨てることが、できないことは悪い事とは思わない。
物を大切にすることは、いいことだと思う。
しかし、何事も過度であると、不都合が生じるとは思う。
今回も私はネコバーと倉庫の整理をしながらそのように思ったのであった。
終わり