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楽しい栗拾い

更新が遅れるのは紹介してもらった小説がことごとく好みなのが悪い。



あ、すいません、ただの言い訳です。体調が悪かったりとか娘の発表会で親子演奏もあるから練習しなきゃとかこれも言い訳です(こむる、紹介されたのを読み尽くしたら、ブックマークをあさりに行くんだ)。




小説を書く上で自分でも気を付けなきゃなと思うのは、主人公以外でお気に入りのキャラがいるのを、あからさまに書きすぎない、ということ。

後書きなんかで、実はこのキャラ、作者の一番のお気に入りなんです~キャッ(/▽\)♪くらいなら、

あ、うん。そうなんだね。なんか本文でもにじみ出てたもんね。

くらいですむのですが、そのにじみ出てる加減が、


”明らかに主人公を食ってしまっている“

”後書きでそのキャラが、実は主人公なんか目じゃくらいすごい人で、こんな裏設定が~、こんなエピソードが~とか語り始める“


レベルになると要注意かなと思うのです。


何が言いたいのかというと、お気に入りキャラを引き立たせるだけの主人公になってしまったり、そのキャラになんか理不尽に振り回される不憫系主人公をにやにや眺めるただの自己満足になってしまうと、こう、主人公君かわいそうってこむる思っちゃうんですよね。




 我々人類に遺された最後の希望である勇者の召喚術。これを編み出したのは偉大なる賢者、ソーマ・ユートであると伝えられている。


 こことは異なる世界を、彼がどのようにして認識、そして観測したのか――一説によると彼自身がかの世界よりの稀人であり、もともとは”故郷への帰還“を目的に作られた術を、後世の人間が手を加えたとも言われている。


 召喚術の生みの親であるソーマ・ユートがこれにより実際に勇者を召喚したという公式な記録がなく、初代勇者の召喚と前後して彼の消息が途絶えていることを、この説の根拠とする学派も存在するが、なにしろ時代が古く完全な資料に乏しいこと、消息が途絶えたのは初代勇者に従い魔の森へ赴いたからだ――初代勇者は魔の森から帰らなかったと伝えられている――とする説が優勢なことから、現代においては、ソーマ・ユート=異世界の稀人説は異端であると言わざるを得ないのである――








 あなたのダンスに彩りを、というキャッチコピーで売り出されたブレスレットは予想外のヒット商品となり、今日もサキは職人さんのおじさんたちといっしょに、せっせと追加注文をこなしている。


 最近では、小さい子の練習用にはノーマルなデザインのもの、夜会用にはドレスに合わせたオーダーメイドが主流になっているようだ。


「それにしても、ここのところこればっかり作ってる気がする……」


 サキのつぶやきに、工房内に複数のため息が響く。


「確かになあ……」


「えーっと、次は先祖代々に伝わるルビーの首飾りに合わせたデザインで――」


「どうもな、近いうちに城ででっけえ夜会があるから、それに間に合わせようってことらしいんだがな」


「夜会ねえ。ずいぶん目にも耳にもうるさいダンスになりそうだ」


 サキも、会場の至るところでしゃんしゃん鳴りながら花だの光だのを撒き散らす光景を想像してみた。確かに賑やかというよりはうるさそうだ。

 何か集団用に調整する必要があるかもしれない。


「でだ、この前注文に来なすったけっこうな身分の方がここだけの話だがって教えてくれたんだがな、勇者が召喚されたんだと」


 思わせぶりに声を潜めて、おじさんが最新情報を公開する。


(なるほど、こうやって“ここだけの話”は広がっていくのね)


 感心するサキと、どよめくおじさんたち。


「勇者だって?そりゃあれだろ、お伽噺に出てくる」


「いやいや、そうでもないぜ。俺の爺さんが、子どもの頃勇者様のパレードを見たってよく言ってたよ。勇者様が魔の森の魔物を撃ち払ってくだすったおかげで今の平和があるんだって」


「お前の爺さんがガキの頃って、いったい何年前だよ」


(確か80年くらい前だったかな)


 軽く首をかしげて以前アルスから聞いた話を思い出す。


「なるほどなあ。また魔の森に魔物が増えてきたから勇者様にお出まし願ったってわけかい。遠い国からわざわざご苦労なこって」


 どうやら、一般の人たちは、勇者はこの世界のどこか遠い国からこの国に呼ばれてきたという認識でいるらしい。

 そして、外聞だの国家の威信だのの問題からだろうか、“魔王討伐に失敗した”ではなく、“魔の森侵攻に成功したと”発表されたと。なるほど。


「じゃあ近いうちに開かれる夜会ってのはつまり?」


「勇者様のお披露目なんだとよ」


「ふうん、魔物といわず魔の森の向こうにいるっていう魔王も倒してくれないもんかね」


「違いない違いない」


(魔王さま、今この国にいるけどね……)


「今回もまたパレードをやるのかねえ。勇者様ってのがどんなやつなのか拝んでみたいもんだよ。なあ、サキ坊」


 話を振られて、サキは曖昧にうなずいた。


「うーん……まあ、そうだね。でも人が多そうだし、ちゃんと見えるかな」


「そこはほら、あれだ。あの冒険者の兄ちゃんに肩車してもらってだな」


「嬢ちゃんはちみっ子だからなあ」


 わははと笑うおじさんたちに、そのアルスはまず間違いなくパレードの主役側なんですとは言えず、


「わたし、もうすぐ十一歳なの。小さい子の面倒だっていっつも見てるんだから」


 と、とりあえず頬をふくらませておいた。








 工房を後にしたサキは、待ち合わせ場所の城門でいつも通りに集合し、草原に向かった。今日は待ちに待った栗拾いの日である。


 午前中に必要な分の薬草は取ってしまったので、お昼を食べた後は森に入って、みんな思い思いの方法で栗の毬と格闘していた。

 だいたい、小さい子数人に大きい子が一人か二人というグループに分かれている。


「サキちゃんは今日とった栗で何作るの?」


「うーん、ケーキにしようかなあ」


 栗の毬を上手く押さえることのできない子を手伝ってやりながら、サキは答える。


「わたしはね、お母さんに焼き栗にしてもらうんだ!」


「焼き栗もおいしいよね」


 モンブランも作りたいけど、モンブラン用の口金は持っていないし、シフォンケーキにマロンクリームを塗るくらいで満足しておこうか。プリンの上に絞ったらアルスが喜ぶだろうか。


「うちはシロップ漬けにするの。年越しのケーキに入れるんだよ」


「わたしのうちもそれ!」


 いっしょに栗を拾っていたグループの子たちが、口々にどうやって食べるのか教えてくれるのに、にっこり笑う。


「いいね。どれもおいしそう」


 そうだ、シンプルに栗ご飯にするのも、秋の味覚という感じでいいかもしれない。


(そういえば、アルスたち依頼うまくいってるかな)


 ふと顔を上げ、柔らかい木漏れ日の降り注ぐ森を見渡す。


 アルスと勇者さまの一行が、森に訓練の場を場所を移すのが今日からなのだ。


 少し奥の方で狼を討伐する依頼を受けると言っていたので、森に行ったからといってアルスに会えるわけではないが、同じ場所にいるのだと思うだけでなんとなくうれしくなる。


「サキちゃん!木になってるやつ取りたい。上まで連れてって!」


 ぴょんぴょん跳びはねながら空を飛びたいと訴える子を、


「落ちてない毬はまだ青いんじゃないかな」


 となだめて、栗でいっぱいになったかごを持ち上げる。


「さあ、栗を置きに行こう。次はどこを探す?」


「あっちの方!」


「ねえねえ、かごをひっくり返すのやらせて!」


「わたしもわたしも!」


「はいはーい、仲良くいっしょにね」


 拾った栗は、少し開けたところに広げてある布の上にまとめておいて、後でみんなで分けることになっている。

 サキたちは、かごの中身を栗の山にあけて、さっきとは少し離れた場所に向かった。


「サキちゃん」


 そうやってしばらく栗を拾っていたところに、浮かない顔をしたミナちゃんがやって来た。


「ミナちゃん。どうしたの?」


「うん……あのね」


 見ると、ミナちゃんの後ろにサキのグループ以外の子たちが、不安そうな顔で立っている――ただし、ダニー君をはじめとする何人かの男の子がいない。


「ダニーたちが、奥の方に行くって、わたしもポールも止めたんだけど大丈夫だからって――」


「森の奥って……」


 確か、ひときわ立派な栗の木とその子分の木たちが生えているのだったか。


 しかし、そこは子どもたちが入ってもいいぎりぎりのあたりに位置していて、この時期は冬の準備に入った獣――それを追って狼たち危険な獣も含めた――が境界を越えてやって来ることがあるので、絶対に子どもたちだけでは行かないようにと、出掛けにそれぞれの親や衛兵のジョンたちにも注意されていたはずなのに――。


「ポール君は?ここにはいないみたいだけど」


 サキも真剣な顔になってミナちゃんにたずねた。それと同時に、頭の中でここからどう動こうか算段をつけ始める。


「ポ、ポールは、みんなを連れ戻してくるって――どうしようサキちゃん、もしみんなになにかあったら……」


 泣きそうになっているミナちゃんの涙が伝染したのか、小さい子たちの何人かはすでにえぐえぐ言い始めてしまっている。


「ああもう、みんな泣かないの、ほらミナちゃんも。わたしが行ってポール君と一緒にみんなを連れて帰ってくるよ」


「でも、奥はあぶないって――」


 サキは、いつも肌身離さずつけているペンダントを片手で持ち上げてみせる。


「わたしは、これがあるから何があっても大丈夫。それに、きっとなにかあぶないことが起こったらアルスが飛んできてくれるから」


 そう冗談めかして言うと、アルスお兄ちゃんならほんとに飛んでくるかも、と泣いていた子たちもちょっとだけ笑顔になった。


「わたしだけじゃ場所がわかんないから、ミナちゃんか誰か、いっしょに来て案内してくれる?」


「うん、じゃあわたしが案内する!」


 ミナちゃんが涙を袖でぐいっと拭いてうなずいた。


「あとのみんなは、大丈夫だとは思うけど、念のため薬草取りのお兄ちゃんたちに事情を伝えて、お兄ちゃんたちといっしょに待っててね。できる?」


 みんなうなずき、口々に気を付けて、とか無事にみんなと帰って来てとか声をかけながら、拾った栗をまとめたり、置いてきたかごを取りに走ったり慌ただしく動き始める。


「じゃあ、行こうか。ミナちゃん」


「うん」


 どうか何事もありませんようにと祈りながら、二人は手をつなぎ、森の奥へと足を踏み出した。

ええ、もちろんフラグですとも。



コロッケメモ


台風の季節ですね。コロッケ食べなきゃ。

でも、こむるあんまり店で売ってる甘いやつ好きじゃないんですよね。いや、あれはあれでおいしいんだけど、なんか”コロッケ“じゃなくて”店で売ってるコロッケ“という認識になっているっていうか。



材料:

・じゃがいも 食べたいだけ

・タマネギ1個にニンジン半分くらいの割合

・野菜と同量くらいのひき肉

・塩こしょう 味は濃いめ

・小麦粉、卵、パン粉

・サラダ油




作り方:


・じゃがいもを皮をむいて茹でる、むかずに茹でる、蒸かす、圧力鍋で一網打尽などお好みの方法で火を通す。


・その間にみじん切りにしたタマネギとニンジン、ひき肉油をひいたフライパンで炒め、塩こしょうで味をつける。


・皮をむいて茹でたじゃがいもは水をあけて少し火にかけ水気を飛ばし(まあつまり粉ふきいも的な感じだね)、皮つきのものはやけどに注意しながら軍手、布巾、竹串などで皮をむき、荒くつぶす。


・炒めた具を混ぜ、味をみて、足りなかったら調整する。あまり沢山具を入れすぎるとべたべたになるので適宜加減すること。


・あら熱を取り、食べやすい大きさに丸めて衣をつけ、油で揚げる。



メモ:


・具に対してじゃがいもが多いと感じたら、じゃがいもを少し避けておいて後日フライドポテト、ポテトサラダ、肉料理のつけ合わせなどにするとよい。


・逆に具が多い場合は、オムライスや焼き飯の具、あんかけ、レタス巻きの具などにしておいしくいただくとよいでしょう。


・味つけ?分量?そんなの考えて作ったことないや、ごめんね。ママンのママンから伝わってる料理って、だいたい量が適当なのよ。


・こむる的には、このコロッケはトンカツソースではなくウスターソースで食べるのがジャスティスですね。マヨネーズを添える派、しょうゆとこしょう派も存在しますが。


・お子と楽しくクッキングするときは、混ぜる係、味見係などを担当してもらうと喜ばれます。丸める係をしてもらうときは、小さめのしゃもじや大きめのスプーンなどですくって渡すと、丸めやすく大きさのそろったコロッケになるでしょう。





おまけ:鶏ひき肉とタマネギのレタス巻き


材料:

・みじん切りにしたタマネギ

・鶏のひき肉(できればかしわ肉、なければ何でも)

・塩こしょう

・しょうゆ

・レタス(種類は問わず)

・サラダ油



作り方:


・油をひいたフライパンでタマネギとひき肉を炒め、塩こしょうで味をつける。最後にしょうゆを少したらして香りをつける。


・レタスは洗って1枚ずつはがし、水気を切る。


・レタスに乗せてくるっと巻いて食べる。



メモ:


・あまりたくさん乗せすぎると食べるときにボロボロ落ちて大変なので注意!


・けっこう汁気が多いので、お皿で受けながら食べるなどするとよいかも。

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