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side 千鶴――この世界のこと

こむるに足りないもの:テンプレ力



最近の異世界チーレムファンタジー界隈にはあまり明るくないのでよくわからないのですが、世界観説明回って、まだはびこってるんでしょうか?

目が滑るだけじゃないのかしら。

 魔王に対抗するための勇者として召喚されたわたしは、数ヶ月から半年ほど城でこの世界のことを学んだり、戦闘訓練をしたのち、少数精鋭で魔王討伐の旅に出るらしい。


 剣とか使ったことないけど、異世界チートとかで何とかならないかな~っとか……なるといいなあ。


 あと剣の他に、魔法も教えて貰えるんだって! 召喚された次の日に、水晶みたいな丸い玉を使って魔力を測定して貰ったら、なんと人の限界を遥かに超えて魔族に迫るほどの魔力量を記録した。


 こう、お約束な展開につい浮かれて、部屋に帰って一人になった時にこっそり「ステータスオープン!」と言ってみたものの、半透明な画面など出てくる筈もなく。

 恥ずかしさのあまりベッドでごろごろ転がってしまったのは秘密だ。






 本格的な学習が始まる前に、わたし付きの侍女になったマリアさんとエドガー王子から、ざっと世界やこの国について教えて貰った。


 何か不自由はないかと王子自ら(!)部屋に来てくれて、応接間でお茶を頂くことになったのだ。


 座り心地のいいソファには、わたしとエドガー王子が座り、マリアさんは傍に控えている。


 マリアさんは、ミルクティー色のふわふわの髪が素敵な、とってもチャーミングな女性。


 一から十までお世話されるなんてお嬢様な生活とは全く無縁の庶民と、おはようからおやすみまでお世話したい侍女さんとの攻防は、「勇者様は、わたくしの仕事を奪うおつもりですか……?」とうるうるの目で見つめられてわたしの敗北が決まった。

 とはいっても全敗というわけじゃなく、お風呂はだけはなんとか死守したんだけど……!


「それじゃあ、その創世教というのが国教なんですね」


「ああ、この国――だけでなくこの大陸の九割の民が創世教を信仰しているといってもいいな」


 エドガー王子の話し方が砕けて来ている。互いに打ち解けたみたいでちょっとうれしい。


「あと一割が信仰しているのも、創世教から別れた宗派や、精霊信仰という、創造神の御使いを奉るものだったりと、結局は創世教から大きく外れるものではなかったりするんですよね」


 にこにことお茶を淹れながらマリアさんが捕捉してくれる。


 この世界を創った神の名前は伝わっておらず、ただ創造神と呼ばれているらしい。


 創造神は最初に太陽と月、そして星を創った。このことにより空が生まれ昼と夜が巡るようになった。次に神は大地を創ったが支えも何もなかった為落ちてしまう。そこで神は海を創り、そこに大地を浮かべた。風が空を駆け、大地を木々が覆い、火が全てを燃やして海へと還す――このようにして世界は創られた。


 一週間は光の日、闇の日、地の日、水の日、風の日、木の日、火の日の七日――この曜日の名前はそのまま魔法の属性でもあるそうだ――これを、神が四日間で世界を創ったことにちなんで、四巡りすると一ヶ月になる。


 一年は、七属性と太陽と月、星に加えて、世界を創った創世神、それを管理する精霊とで十二ヵ月、創世を司る十二要素を昼と夜二回で一日は二十四時間。


 地球とあんまり変わらない感覚で過ごせるのはありがたい。


 わたしがお世話になっているエスター王国の王都はヨランダという。大体中世ヨーロッパぐらいの文明レベルかな?


 エスター王国はこの大陸屈指の大国で、ここで使われている言葉が大陸の共通言語になっているそう。ちなみに、所謂異世界チートが働いたのか、わたしはしゃべるのも文字を読むのも問題なく出来た。意識して日本語を話そうとしたら出来るけど、普段は頭の中で自動的に翻訳されてるみたいな、不思議な感じ。


 これも異世界もののお約束だよね。


 出されたお菓子に、いつもの癖でいただきますと手を合わせると、王子とマリアさん二人に不思議そうな顔をされた。


「勇者様、それが勇者様の世界の神への祈りなのですか?」


「神さまっていうよりは……えっと、わたしの生まれた国の習慣なんですけどね、人が生きていくために貰った命とか、料理を作ってくれた人への感謝を込めた挨拶……? ちゃんと残さずいただきますよって……」


「いただきます、か。いい言葉だな。こちらでは、恵みをもたらしてくれた神に感謝の祈りは捧げるが、食材そのものへの感謝という考え方はなかった」


 エドガー王子はそう言って微笑むと、わたしを真似して手を合わせ、見るからに高級そうなクッキーを口に入れた。イケメンな王子様って、そんな些細な仕種ひとつ取っても様になるのね。

 ゆっくりとクッキーを咀嚼して、顔を上げた王子はいたずらっぽくわたしに笑いかけた。


「――なんだかいつもよりおいしく感じるな?」


 その笑顔! 笑顔が眩し過ぎますからーっ!


神話?暦?そんなのその場ででっち上げたに決まってるじゃない。


ちりめんじゃこメモ


我が家での登場頻度は高いけど、バリエーションはそんなでもない。それがちりめんじゃこ。


ちりめんじゃことチーズの炒めご飯

材料:

ご飯、ちりめんじゃこ、ピザ用チーズ、ゴマ油

熱して油をひいたフライパンでご飯とちりめんじゃこを炒め、チーズを入れる。チーズがこんがりなってきたら出来上り。味が足りないと思ったら塩をひとつまみ。量はほんとうに適当。

ご飯一杯分にじゃこ、チーズは大さじ1~2くらいでしょうか。



枝豆とちりめんじゃこの混ぜご飯

材料:

ご飯、ちりめんじゃこ、ゆでてさやをむいた枝豆、しょうゆ、ゴマ油

油をひいたフライパンでじゃこと枝豆を炒め、しょうゆで味つけ。炊きたてのご飯と混ぜ合わせる。枝豆はかるく丸めた手のひらにおさまるくらいで一人分って感じかな。


食材の重さって、卵大でおよそ5~60グラムって学校で習った。



ちりめんじゃことホウレン草の炒めもの?

材料:ちりめんじゃこ、食べやすい大きさに切ったホウレン草、冷凍コーン、しょうゆとみりん、あるいはめんつゆ白だしなど。

材料を炒めて味をつけるだけ。溶き卵でとじるのもgood。


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