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信者ってちょっとこわい

敬称というものについてもの思う。


自分で自分を公爵令嬢と名乗る

国王様と呼び掛ける貴族

王政なのに皇太子


こむるはあんまりこういうのに詳しくないのでよくわからないのですが、なんか違和感があるわけです。

特に、国王様王子様。単純に陛下殿下のほうがかっこよくありません?

 我々の暮らしにあまりにも当たり前に存在している魔法、そしてそれを可能にしている魔力。

 魔力を媒介に世界を構成する要素――古くは精霊に由来する霊的物質と考えられていた――に働きかけ、ほんのわずかではあるが世界を書き換えあるいは望む現象を起こす。これが魔法である。


 しかし、そもそも魔力とは何ものなのか――それを解き明かしたのは近代魔法学の祖であるソーマ・ユートであった。


 ソーマ・ユートは、魔力とは従来別の存在であると考えられていた“世界を構成する要素”そのものであるという、大胆な仮説を立てたのである。


 旱魃や水害、地震、火山の噴火などの自然災害が、高い確立で魔力の循環が乱れている地域に起こることは以前から知られていた。

 この事実に注目したソーマ・ユートは、その類い稀なる発想力により、“魔力の乱れがその土地あるいは空間に働きかける”と考えるよりも、“魔力で構成された世界そのもの”が、何らかの原因により歪んだ魔力を元に戻そうとする動き、またその反動が自然災害という形で表れると考えるべきではないか、と提唱したのである。


 この仮説の証明に生涯を捧げたのが、彼の妻のひ――(そういうの、もういいからと呆れる声)











「お、サキ坊。その髪につけてるやつ、魔石か?」


 職人のおじさんが、目敏くサキの髪に飾ったヘアピンを見つける。


「おいおい、こりゃまた相当いい石を使ってるじゃねえか」


「結構な魔法が入ってるっぽいな、これもやっぱりあの兄ちゃんか? どんだけ過保護なんだよ」


 魔石と聞いて、わらわらと職人さんたちが寄ってくる。近い。あと暑苦しい。


「えーと、詳しく見る?」


 ピンを抜いてそっと差し出すと、鼻息荒くのぞき込んできた。


「どれどれ」


「ほうほう……」


「おい、これは……」


 が、次第に困惑の声が上がり始め、


「なあ嬢ちゃん……」


「なあに」


「嬢ちゃんは、いったい何と戦うつもりなんだ?」


 サキは、困ったように笑った。


 サキが買ったヘアピンにアルスが魔石をつけてくれたのだが、その効果というのが、ペンダントの結界の補強と結界に加えられた攻撃を相手に跳ね返す機能、そしてヘアピンだけでも発動する簡易の(あくまでもペンダントと比べれば、である)防御結界――もちろんサキは、この魔道具たちが必要になるような危険な場所に行く予定はない。


「あれ、ペンダントと違ってこっちは使いきりなのか」


「うん、循環型の機能を組み込むのは容量を食うから。もし壊れても何回でも新しく作るからって」


 うれしそうにはにかむサキを、まるで自分の娘を見守るような目で職人さんたちはうんうんうなずく。


「ねえサキちゃん、ちょっといい?」


 ドアから、若い冒険者のお姉さんが顔をのぞかせた。サキはヘアピンをつけ直すと、おじさんたちに断ってお姉さんを追った。







 ついていった先には、数人のお姉さんたちが持っていた。


(あー、今度はどっちの人たちなんだろう)


「なにかご用ですか?」


 呼ばれた内容に予想はついていたが、そ知らぬ顔でこてんと首を傾げると、うちのひとりが深刻な様子できいてきた。


「あのね、サキちゃんって、アルスさんと仲がよかったよね。その……」


 このまるでお通夜みたいな雰囲気でだいたいわかった。クレア関係だ。


「クレア様が、アルスさんに振られたってほんとなの?サキちゃんなら何か知ってるんじゃないかって」


 内心サキはため息をつく。


 今日工房に着いたばかりのサキを捕まえて探りを入れてきたのは、アルス狙いのお姉さんたちだった。少し前の休憩時間には、クレアに憧れていたけどアルスには叶わないと、指をくわえていたお兄さんたち。


 昇格祝いの席で勝負をしかけてきたクレアを、アルスがあっさり袖にしたという噂が広がるのには、二日もあれば十分だった。


 これまで、アルスやクレアを狙ってはいたが手を出しあぐねていた者たちは、自分にもチャンスが巡ってきたと色めき立ち、王都のカリスマであるクレアを信奉している者たちは、クレア様を振るだなんて!と憤っていた。


 どうやら今回はクレア様教のお姉さんたちのようだった。


「えーと……」


 なんと答えたものだろうと少し迷う。


「あの……たぶんアルス、クレアさんを振ったって意識がないと思うんです……」


「は」


「え」


 どういうこと、と尋ねられる。


「あのときアルスには他に気になることがあって、しかもお酒で酔っちゃったから、その……クレアさんの告白?アプローチ?に気づいてなかったんじゃないかなって」


 一気に空気が重くなる。ただでさえ重かったというのに、これではお通夜を通り越してお葬式だ。


「そんな、クレア様おかわいそう……」


 ひとしきりお姉さんたちは嘆いて、それからサキに向き直った。


「クレア様はね、本当に素敵な方なの。あんなにお美しいのに冒険者としても一流で、でも一途にアルスさんを思うお姿はとても可愛らしくて」


「あ、はい」


(どうしよう、なんか語りだした……)


 いかにクレアが素晴らしいか、いかに王都中の冒険者から一般の若い娘までクレアに夢中なのかなど、お姉さんたちは切々と述べる。


 そんなクレアにふさわしいのは、見た目や歳もつり合い、最高ランクの冒険者で品性も兼ね備えたアルスしかいないとかねてから思っていた、クレアの思いがアルスに伝わっていないなら、わたしたちが頑張るしかない――


 お姉さんたちは決意も新たに手を握り合い、サキは麗しい友情に拍手を送るのだった。


とりの皮って安いので、たまに買います。とり皮せんべいうまいよね。


塩こしょうをふってかたくり粉をまぶした皮をひろげて低めの温度でぱりっと揚げるだけ。

ちょっと濃いめに味をつけるとお酒のお供にもよいでしょう(こむるお酒飲まないけど)。


油で揚げるのが面倒な場合は、フライパンで押し付けるようにしながら中~弱火で焼いても可。

皮から出るあぶらの量にガクブルです。



お酒のお供といえば、我が家でよく作るのは(誰もお酒飲まないけど)、フライドポテトの亜種みたいなやつ。名前わかんないんですよね。飲み会で美味しかったのを再現したやつなので。


1~1.5センチくらいのサイコロ切りにしたじゃがいもを、多めのオリーブオイルで揚げ焼きにします。

塩こしょうで味をつけ、焼きのりを揉んで散らし全体に混ぜる。


ポイント:

・レンジであらかじめ火を通しておくと楽。

・オリーブオイルは相当多め。理由は後述。

・味つけはちょっときついかなくらいがおすすめ。

・のりはたっぷり。

・のりを油でしっかりコーティングすることで、湿気らずパリパリの食感を保てる。

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