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お茶会にて2

スローライフって、庭に池がほしくなったら重機で掘り返し、今年はチューリップの気分! とかいってそこに植わってる花を一区画根こそぎ引っこ抜けばいいんですよね、テューダーさん家のターシャおばあちゃんみたいに!


スローライフについてあれこれしようと思ったら、諸般の事情により思った以上に長くなったので独立したエッセイになってしまった。





番外あれこれ


田舎でスローライフを満喫する異世界ヒロインに欠かせないのがイケメン奴隷。

護衛や作業要員に親切な人から勧められて、最初は「そんな、奴隷なんて。わたしには資格ありません!」とか言っておけば「そんなあなただから奴隷の主になってやってほしい」なんて言われて愛され系ヒロイン待ったなし!

怪我や病気で見切り品価格の奴隷君をお得に購入し、素敵なちーとぱわぁで治してあげれば忠誠心もうなぎ登り。

楽しい逆ハーライフへの一歩を踏み出せるでしょう。


 そこからまず入るの? とどこか呆れたような少年。しかし沙希は、そこから入らないでどうすると言いたい。

 何をするにしてもお金は必要だし、持ち家があるとないとでは大違いである。


「たしかにそうかもしれないけど、世界を見て回ろうとか冒険してみたいとか……」


「興味ないので」


「あー、そう」


「場所は、治安のいい大きな町でお願いします」


「田舎とか牧場でスローライフを満喫とか」


「興味ないので」


 そういうのは、それが趣味の人がすればいいと思う。沙希は、スローな作業にかける時間はもっと他のことに使いたい。


「えーっと、間取りとか設備の希望は?」


「靴を脱いで上がりたいのと水回りが快適なら、それで充分なんですけど……。庭は、料理に使いやすいハーブ中心がいいです」


「お客さん用に土足で上がれる応接間もあった方がいいと思うよ」


「じゃあそれもお願いします。あ、生まれ変わるつもりはないので、そうですね、十歳を限度としてそれを下回りそうになったら教えてもらえますか?」


「うん、いいよ。他にはどんなのが?」


 落ち着いて話せるようにと少年に干渉されているためか、異世界だ、チート特典だ、ひゃっほう! とテンションの上がることもなく淡々と決まっていく。


「向こうで暮らすことになる国の一般常識と、言葉と文字を覚えたいです」


「わざわざお願いにしなくても、いつも言葉は自動でわかるようにしてあげてるよ」


 スコーンにジャムを塗りたくりながら少年。


「それで、まだ解読されてない超古代文明の文字みたいなのをうっかり読んじゃって騒ぎのもとになっても嫌だし、ちゃんと一言語として覚えたいです」


 沙希もスコーンにクロテッドクリームを山盛りにしながら答える。


「あー、そんなケースもないではないねえ。じゃあ次」


「向こうで手に入らない、あるいは代用品がない食材や調味料を入手する手段とか大丈夫ですか?」


 たかが数日海外旅行に行くだけで日本食が恋しくなる人もいると聞いたことがある。いわんや異世界をや、である。


「できなくはないけど、相当コストがかかるよ。料理の才能じゃだめなの? 味噌とか醤油とか自分で作れるようになるよ、お料理チートできるよ」


「別に現代知識でNAISEIしたいわけじゃないし、味噌をかもしてる暇があったら、他のことしたいです。ていうか“現代”知識ってなんなんでしょうね、向こうだって今この瞬間が現代なのに。あ、カレールーとかコンソメの素みたいなのは除外でいいですよ。基本的なものだけで」


「個人で使う分だけならまあ大丈夫かな。台所に欲しいものが取り出せる食料棚をつけておくね。」


「ありがとうございます。あと、日本と向こうの料理のレシピ集が欲しいです」


 ふだん作り慣れているものならともかく、手の込んだものやお菓子の作り方をそらで覚えているほど沙希は記憶力がよいわけではない。


「現物が欲しいの? 知識としてではなく?」


「両方がいいですね。もし忘れても大丈夫なように確認できるものは必要だと思います」


「うん、そうだね……あ、じゃあ一般常識の本や言葉の辞書もあったほうがいいのかな」


「お願いします。えーっと、ぱっと思いつくのはこんなものなので――残りは万が一のための蓄えと」


「……お金は大事だよね、うん」


「魔力や魔法に関するいろいろを、よくわからないのでおすすめセットみたいな感じで」


「あ、魔法は欲しいんだ」


 なぜか意外そうな顔をされた。なぜだろう。


「魔法がないと不便とのことなので」


 生活に困らなければそれでいいので、必要なものをもらったあまり程度で充分だっただけなのだ。


「もう大丈夫?取り忘れはない?」


「はい。お茶ごちそうさまでした。あ、そういえば」


 沙希は大事なことを聞き忘れていたのを思い出す。







「あなたって結局何者なんですか」


 にっこり笑って少年は答えた。


「神さまだよ」


Q.なんで神さまショタっ子なの?

A.こむるの趣味です。






お茶メモ


・どんな種類のお茶でもあらかじめカップやポットはあたためておくのが大事。沸かしてる最中のお湯を入れるのが簡単。


・紅茶、中国茶は基本熱湯、緑茶は香りやすっきりした味わいを出したい場合は温度高め、甘みやコクを出したい場合は温度低めと覚えましょう。


・蒸らしてる最中に冷めないように、ティーコゼーなどを使用。このひと手間で紅茶が変わる!そんなオサレなもん持ってねーよ、そうですか。タオルやフリースの膝掛けの端に置いて、余りでくるっと包めばよいでしょう。こむるもやってます。


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