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それたぶん神さまのせい

名前と舞台設定は違うけど、話の筋立てとか主人公の言動や性格がほとんど変わらないような話を量産する作者の人がけっこういる不思議。

そういう話が好きだから、シチュエーションを変えて量産するのか、読者様がわたしの作品を待ってるから、ワンパターンな話しか書けないけどとにかく新しい連載書かなきゃ(使命感)!なのか。






新しいポケモン、最初のポケモンもらえるまでが長い。

「まあ、そんな大人の事情はさておき」


 ナタンは少し冷めた紅茶をひと口飲み、真剣な表情でサキに向き直った。

 もちろんさっきまでも本気ではあったのだろうが、お互いの暗黙の了解のもとどこか遊びの含まれていたそれとは違い、どこまでも真面目なものだった。


「わたしは、陛下の――いえ、アルスの幼馴染みとして、姫はアルスに必要な方だと思っているのです」


「必要?」


「ええ。姫は、“記憶持ち”という言葉をご存知で?」


 はじめて聞く単語に首を振る――のだが、その意味するところはわかってしまったような気がした。


「この世界に生きるものたちは一度生きて終わりではなく、その魂は何度も生まれて死んでを繰り返しているのだそうです。普通なら今の自分の“前”は何であったかなど覚えているはずもないのですが、まれに、覚えている者があらわれるのです」


「それが記憶持ち……」


「高い魔力を持つ者にあらわれる傾向があるようです。強い力を持つ者は魂の記憶を引き留める力も強いのではないかと、わたしの祖父は言っていましたが」


 それって、全部が全部ではないにしても、何かの手違いで死んだ人が神さまに力をもらって生まれ変わったやつではなかろうか。

 漠然とサキが考えていたよりも、神さまの手違いって多いのかもしれない。


「はっきり“そう”と陛下が明言なさったわけではなく、わたしもわざわざ尋ねようとは思っていませんが――」


 アルスが、今の状況は受け入れていると言っていたのを思い出す。


「姫は、きっと、陛下が過去に置いてきた“何か”なのです」


 ナタンは、サキが記憶持ちなのかどうかを聞かなかったし、サキも自分がそれに近い存在だとは言わなかった。


「幼い頃から陛下は、どこか遠くを見ているような目をすることがありました。渇望するというほどではないにしろ、ここではないどこかを探すように、何かを求めるように――しかし探し求めるその一方で、もう手に入らないとはなから諦めているようでもありました」


 なんの特別なこともない、普段向こうで食べていたような料理を泣いて喜び、この家の雰囲気が懐かしいと目を細めていた。そして、かつての故郷の文字を忘れてしまったことを悲しそうに笑う姿――


「その“どこか”に連なる“何か”を姫はお持ちなのでしょう」


「そう思うのはどうして?」


 ナタンは優しげに微笑んだ。


「姫をごらんになる陛下の目が、その遠くを見ているときの目とよく似ていますから」


「……ナタンは、アルスのことをよく見てるのね」


 そんな必要な全くないというのに、なぜか照れくさいような気がしてしまう。ナタンがアルスを大好きなことにあてられたのか、アルスがそんな目でサキを見ていると、はたから指摘されたことが恥ずかしかったのか。


「えっと、アルスが過去にとらわれてて今を見てないとか、そんな風には思わなかったの?」


「誰だって過去に捕らわれることもあるでしょうし、忘れられない記憶のひとつやふたつはあるものです。それが自分が生まれる前のことか今の自分のことかというだけで」


 サキはぱちぱちとナタンの顔を見て瞬いて、気の抜けたように笑った。


「そっか。そんなものよね」


「はい、そんなものですよ」


 くすくすと笑い合う。


「そんなわけですから、これからもどうぞ陛下をよろしくお願いします」


 そう頭を下げるナタンに、サキはからかうような調子で、


「じゃあ、宰相閣下のお墨付きもいただいたことだし、本気で取りにいこうかしら」


「おや、まだ手加減なさっておられたので?」


「それはそうよ。だって、略奪愛とか好みじゃないもの」


 紅茶を飲んでいたナタンが盛大に噎せた。


「もしアルスにもう決まった相手がいたら後ろめたいなって思ってたけど、安心したわ」


「りゃくだつ……」


 けほけほと咳き込んでいるナタンにハンカチを差し出し、サキはマーマレードのクッキーを口に入れた。


(うん、今日はとってもいい日だわ)


きのこがおいしい季節。

バター炒めにしてぽん酢で食べてもいいし味醂としょうゆも捨てがたい。

鶏肉と一緒にソテーしてホワイトソースやトマトソースをかけるのも素敵。パスタも添えたい。





コンソメ風きのこご飯の素


・ぶなしめじ、舞茸、えのき、エリンギなど食べやすい大きさに房をわけて全体で3パック分くらい

・みじん切りにした玉ねぎ4分の1~半分

・にんじん4分の1

・きざんだベーコン50グラムくらい

・コンソメキューブ1個

・バター大さじ1

・サラダ油またはオリーブ油

・塩、こしょう


油をひいたフライパンで玉ねぎ、にんじん、ベーコンを炒め、火が通りかかったくらいできのこを入れる。

少量のお湯で溶いたコンソメ、バターを入れ、塩とこしょうで味を調える。

ご飯と混ぜる。2合くらいいけるのではなかろうか。



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