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時代はカワイイへ

最近一話あたりの文字数が増えてるって?その辺は慣れと気分ですよ(正直あんまり気にしていない)。




日本語の文章は、平仮名片仮名漢字はもちろんアルファベット、アラビア数字、ローマ数字などが平気で混在していています。それは、つまり使用される文字の種類が少ない言語よりも、文字が視覚に訴えかける効果が高いということだとこむるは考えます。

たとえば、「私」と「わたし」と「ワタシ」。それぞれ異なる印象を与える。「あなた」と「貴方」と「貴女」。丁寧さや対象の性別まで表現できる。

日本語ってすごい!是非とも活用しなきゃ!

まあ、それはそうなんですがね、なんだか最近、みなさんそれに頼りすぎじゃないですか?(京極夏彦は別次元。もはや芸術)

だって、丁寧語腹黒キャラが「貴方」と言っても庶民派けなげヒロインが「あなた」と言っても、結局音読したらキャラの違いなんて出ないんだもの。あと、見ててなんだかむずがゆいのよ。

文章という表現であるからには、視覚効果を狙った漢字、かな遣いは当然否定されるものではないのでしょうが、ある程度はそれを声に出したときのこと、視覚に頼りすぎないキャラ付けについて考えてほしいなとこむるは思います。




 最近、娘の雰囲気が変わった。


 食事中熱心に話しているのを聞くに、どうやらそれはうちの娘だけでなく王都全体の傾向であるらしい。

 娘が憧れているファッションリーダー的な存在のクレア――若いがなかなか腕のいい冒険者で、青色の瞳と深い藍色の髪の美人だ――が、今までの路線からがらっと方向転換したのに、まちの娘たちがこぞって真似をしているのだという。


「――でね、わたしがどんなに頑張ってもクレアさんみたいな大人カワイイな魅力は真似できないんだけどね、ほんとにすごいのよ、クレアさん! この前ちらっと見かけたんだけど、かわいい中にもほんのり大人の色気があるっていうか、愛されオーラがびしびしくるっていうか、これでBランク冒険者で剣の腕も抜群だなんて! すごいったらすごい――ちょっと母さん、ちゃんと聞いてる?」


 言われてみると、通りの若い娘たちや依頼をこなすため城門を行き来する女性冒険者たちの化粧や服装、小物が以前とは変化したような気がする。

 露出は控えめに、はっきりした色合いからふんわりしたものへ、目元はつり目からたれ目――どうやったら化粧でそんなことができるのかジョンにはさっぱりわからない――へと。


 ただ、わかっているのは、ジョンの娘には今のほうが似合っているし、露出があるよりは、ないほうが治安の面で安心できるということだ。


(しかしクレアのやつ、他のやつらも急にどうしたのやら)


 今日から、子どもたちが草原に行けるようになる。すでに何組かを見送った――そろそろ城門にやってくる子たちが増えてくる頃合いだ。


 安全は確認されたとはいえ、やはりまだ心配な親が多いのか、城門で待ち合わせて集団で草原に向かう子が多いようだ。楽しそうに友だちを待っている様子を、同僚と一緒に目を細めてながめながら、ジョンは、これからもここで待ち合わせるのが続くようなら、なにかあめ玉でも持ち歩くようにしようかなどと考えていた。


「あ、サキちゃん!」


 通りをやってくる人影を目ざとく見つけた一人が声をあげる。

 つられて目をやると、アルスと手をつないでやってくるサキが子どもたちに笑って手を振っていて――


「えっ?」


 ジョンと同僚も、にっこり手を振りかえそうと片手を中途半端に上げた格好で固まった。


「おはよう、サキちゃん!」


「おはよう。待った?」


「ううん、大丈夫だよ。まだ来てない子もいるし」


 無言でジョンたちは視線を交わす。


(おい、仲良く手をつないでるぞ)


(奇遇だな、俺にもそう見える)


 子供たちはわらわらとサキとアルスを囲んで賑やかに会話していた。


「ねえサキちゃん、このお兄ちゃんは?」


「あ、わたし知ってる! この間サキちゃんを助けてくれたお兄ちゃんでしょ!」


「薬草取りのお兄ちゃんが言ってたよ、すごい強いんだって! アルスお兄ちゃんっていうんだよね」


「今日はお兄ちゃんも一緒なの?」


「うん、危ないことがないようについてきてくれるんだって」


 ね、とアルスと目を合わせてサキは笑う。アルスも笑い返して――ジョンたちは目を剥くことになった。


 サキに向けるアルスの顔が、今まで見たことがないくらい優しげだったのだ。クレアをはじめ、どんな美人が横にいてもあんな笑い方はしていなかったというのに。


(おい、なんなんだあれ)


(ほ、ほら、あいつ前からサキちゃんのこと気にかけてたし……)


 アルスがついてくると知って、子供たちは歓声をあげた。


「ほんと? じゃあこわい魔物がまた来ても大丈夫だね!」


「なあ兄ちゃん、この前イノシシ倒した兄ちゃんだよな! 魔法がババーンって!」


 子供たちは喜んでいるが、ギルド最高ランクの冒険者が、子どもや駆け出し冒険者のおつかいである薬草取りの護衛に駆り出されているという事実に、ジョンの顔はひきつる。


(なんというSランクの無駄遣い……)


「なあなあ兄ちゃん、おれに剣教えてくれよ! おれ、いつか冒険者になるんだ」


(なぜ魔法使いのアルスに剣を教わるという発想になるんだ?)


 たしかにアルスは普段から剣は持ち歩いているが、剣を使ったという話は聞いたことがない。一応の護身用なのだろうというのが大多数の意見だ。


「ああいいぞ、そのかわりしっかり薬草取りもがんばるんだ」


(えっ、いいの!?)


「やった!」


「あ、ずるい、おれもおれも!」


「ぼくも!」


 どうやら腰に下げている剣は飾りではなかった――のだろうか?


「ジョンおじさん、おはよう」


「あ、ああ。おはようサキちゃん、それにアルスも」


 子供たちの輪を抜けて、サキがあいさつにやってきた。アルスも一緒だ。


「珍しいな、こんな時間に二人が一緒なんて」


 理由はしっかり聞こえていたが、一応確認してみる。


「過保護なやつに頼まれたんだよ、サキが草原に行くときは必ず護衛しろってな」


 苦笑交じりにアルスは答えた。


「護衛ってお前、草原だぞ?」


「万が一があったらと思うと心配でたまらないんだと」


 アルスにそんな大それたことを頼んだのはマーサだろうか。彼女の性格ならあり得る。


「ほんと、過保護よね」


 サキがくすくす笑う。


「ま、あんなことがあった後だし、心配なのは俺も同じだから別にいいんだけどな」


 そう言ってサキの頭をなでるアルスも相当過保護だと、ジョンは思う。


「そ、そうはいっても薬草取りなんかに付き合ってたら依頼が受けられなくなるだろう?それでいいのか?」


 同僚がたずねると、まあ冒険者も暇潰しでやってるようなものだしと、なんともおそろしい返事がかえってきた。

 二人で唖然としている間に最後の一人がやってきて、サキたちは賑やかに草原に向けて出発し、残されたジョンたちは顔を見あわせ、


「おい、凶悪なドラゴンとやり合うのも暇潰しだってよ……」


「ギルドのやつらが聞いたら泣くだろうなあ……」


 盛大なため息をついた。


「それにしても――」


「何か言ったか ?ジョン」


「ああ、いや、あの二人、いつの間にあんなに仲がよくなったんだろうなあって」


 噂では、あの日サキを連れてギルドに向かったアルスの怒り様は相当なものだったらしく、騒動の原因であるイアンとリックは青くなって腰を抜かしていたとか。

 それに、アルスが駆けつけるまでサキが持ちこたえることができたのは、そもそもアルスからもらった防御の魔法がかかったペンダントがあったからだというではないか。


 サキがいつも下げている、黄緑色の石がついたペンダントを思い出す。イノシシの魔物から身を守れるくらいの魔石など、ほいほい子供に与えるような安いものではない。


(一番過保護なのはいったい誰なんだか……)


 ジョンはもう一度ため息をつくと、小さくなっていく子供たちを見送った。





今日から使えるお嬢様言葉講座


・まず大事なのは、なにがなんでも「~ですわ」と言わせようとしないこと。語尾がそれだけだとおばかっぽく見える。


・語尾のバリエーションを増やそう!「~ですの」「~でしてよ」など。この辺の使い分けでおっとりしたお嬢様や気の強いお嬢様などが表現できるでしょう。


・「おいしいです」「うれしいです」などの美しくない言葉遣いをしさせない。正しくは「おいしゅうございます」「うれしゅうございます」。


・「とんでもございません」は正しくは「とんでもないことです」、「役不足」を力量不足の意味で使わないなど、お嬢様なんだから教養を疑われるような言葉のまちがい方はしない。


・まあさすがにあんまりいないけど、お嬢様が「なにげに」とか「さりげに」なんて言葉遣いをしてはいけません。そもそも、さりげないと何気ないは正反対の意味であり、「ない」の部分を省略したうえに両者を混同した使い方をする、さらには本来の意味だけでなく「実は」「案外」「なんとなく」「とても」「少し」などの意味でも使用され、その区別は受け手がなんとなくのニュアンスで判断してね☆という昨今の状況は全くもってひどい言葉の乱れであるt……




大学いもメモ


作ってみると案外簡単、でもやっぱりちょっと面倒。そんな大学いも。


ひと口大に切ったさつまいもを170~180℃の油で揚げて、

横に待機していた砂糖(適当、大さじ2とか3とか)と水少々(小さじ2とか大さじ1とか)を入れたフライパンに揚がったそばから放り込んでいって、

火にかけて砂糖を溶かしてからめれば出来上がり。

火にかけすぎるとかちかちの飴になっちゃうので注意。その辺は好みで加減しましょう。

飴がかたまらないうちにゴマを振るのもいいでしょう。

隠し味にしょうゆをひとたらしするとおいしい(入れすぎ注意)。



油を使うのが面倒、カロリーがこわい。その気持ち、よくわかります。

そんなときは、耐熱皿にいもをのせてラップをかけ、レンジで過熱してしまいましょう。

油をひいた(別になくてもいいとは思う)フライパンでちょっと表面に焼き色をつけたら、砂糖と水を入れて仕上げる。


さつまいものかわりにかぼちゃを使ってもおいしい。


油で揚げるのはいいけど飴をからめるのが面倒だという人は、スティック状に切ったいもをあげて、砂糖をかけるだけでもおいしいおやつになるでしょう。


お弁当のお供に大学いも。エビフライを作るついでにいもも揚げてしまおう。

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