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過保護にも程がある

黒はロマンスの色


魔力は目や髪の色の濃さに表れるとか、黒は神聖な色だとか、この世界に黒は存在しないとか、あの手この手で日本人の主人公を特別扱いしてくる異世界さん。

そこでイケメンたちの目にとまり、あれやこれやの逆ハーすれ違いじれじれあまあま生活が始まるわけですね。聖女になったり勇者になったり婚約したり、お疲れ様です。


でも、黒髪って、別に日本人だけの特権じゃないですよね。肌だって黒い人たちだっていますよね。シベリアやチベットあたりから召喚されたっていいと思うんですよ。

まあ、日本人の我々が読むお話なんだから日本人が主人公になるのは当たり前っちゃあ当たり前なんですが。





身も蓋もないことを言うと、日本人の目は別に真っ黒じゃないとか、髪だって茶色っぽい人だってけっこういるとか、そもそも世の中純粋な白や黒って存在しないとか――ゲフンゲフン



ちなみにこむるの目は、純露の紅茶味の飴くらいの色です。日本人です。

「そういや嬢ちゃん、いつもしてた魔石のペンダントはどうしたんだ」


「昨日ちょっと魔物に会っちゃって、そのときに使いきったの」


 工房の奥の部屋で職人さんたちと、さる貴族からの注文の品にとりかかっていた。


 夜会の余興に、会場の天井一面に満天の星空を映し出したいとのことである。プラネタリウムなんて、小学校の遠足で行ったことがあるだけだ。もうどんなだったかよく覚えていない。


「なんとまあ、そいつは災難だったなあ。まあ防御のペンダントがあって助かったな」


 まったくだとうなずく面々。


 いちいち会場のあかりを消してつけ直すのは大変なので、まずは周りを暗くするための結界、決められた配列に星をともしランダムにまたたかせ、そうだ流れ星もあると喜ばれるかもしれない――どんな魔法を使うか話し合い、まずは効果を確かめてみる。


「しかしちょっと惜しいことをしたなあ」


「惜しいったあどういうことだい、サキ坊が無事で何よりだったじゃねえか」


「そうだよ、使ってなんぼだろ、魔道具なんて」


「いやいや、そういうことじゃなくて! あんだけ見事な魔石をもっとちゃんと見せてもらっときゃあよかったって」


 まだ試作段階なので、魔石の色や形は一切考えずにやりやすいように作る。

 サキの場合、何も指定せずに作ると、少し平たい丸の、濃い紅茶のような色の魔石が出来上がる。ちょうどサキの目の色と同じだ。

 魔石の色は、魔力の性質によって決まる。人の持つ魔力の性質は目の色に表れやすいため、人が作り出した魔石は制作者の目の色になることが多いのだとか。実際、アルスにもらったペンダントの魔石もアルスと同じ目の色だった。


「たしかに、あれは見事だった」


「そうそう、一度魔法の構成を詳しく調べて見たかったんだよ」


 実験と話し合いの結果、大きな魔石に沢山の魔法を詰め込むのではなく、星のようにいくつもの魔石を散りばめるデザインに決まった。その方が依頼人の好みにも合うだろうと。


「わかる限りでよかったら話すけど……」


「本当か!?」


 サキの言葉に身を乗り出す職人さんたち。そこに、サキを呼びに工房で魔石に魔法を込めるアルバイトをしている学生さんがやって来た。


「サキちゃん、お客さんよ」


 妙に浮かれている彼女や、工房の入り口をちらちらと落ち着かない様子で見ている女性陣に首をかしげながら表に出る。


(あー、なるほど)


 サキを待っていたのは昨日と同じく城勤めの格好のアルスで、そんな必要もないだろうにわざわざ学生さんはアルスに駆け寄り、


「サキちゃん呼んできました!」


 とよそ行きの声で報告する。


「ありがとう、助かったよ」


 仕事に戻る彼女の弾むような足取り、アルスに声をかけてもらえたことをうらやむ周りの声――中から見えないところに移動したほうがいいかもしれない。


「よくここがわかったわね」


「ああ――ちょうど家の前でマーサさんだったか? お隣さんに会って、きっとここだろうって教えてもらったんだ」


「おばさんが?」


「最初は怪しまれたけど、最終的には昨日のことで自分のことみたいに感謝された」


 苦笑するアルス。マーサらしいなとサキも笑う。


「ねえアルス、お仕事の途中で来たんでしょう? なにか急ぎの用事?」


「まあそうだな。急ぎといえば急ぎだ」


 そう言って、アルスが懐から取り出したものを見て、サキは歓声をあげた。


「あ、ペンダント! もう直ったの? すごい! でも、こんなに急いで持ってこなくても、明日うちに来るついででよかったのに」


「その間に万が一のことがあったら大変だろ? できるだけ早く渡したかったんだよ」


「そんな、昨日みたいなことなんてそうそう起こらないってば。過保護なの……ね……」


 新しく取り付けられた魔石をうきうきと眺めて――顔がひきつる。


「アルス、ねえアルス? ちょっと、なんなのこの魔石」


 新しい魔石は、質も込められた魔力も以前のものとは段違い、自動で防御の魔法が発動するのもそれをアルスに知らせるのも同じだが、どうも防御用の結界の強さが違うような気がするし、魔力が尽きる前にサキ自身の魔力に切り換えて結界を維持するようになっているようだ。他にも変更点はあるようだが――


「おう、なかなかいい出来だろ?ちょっとやそっとの攻撃じゃあびくともしないぞ」


 自慢気にアルスは笑った。


「ちょっとやそっとって……?」


「ドラゴンぐらいなら余裕かな」


「へぇー……」


 そもそも、サキはドラゴンのいるようなところに行くような予定はない。


「なんか、結界とかその辺に関係なさそうな魔法があるみたいなんだけどこれは?」


「ああ、それはサキの魔力を、ちょっと優秀な魔法使いくらいに見せかけるためなのものだな」


「……あー、なるほど」


 そういえば、そんな問題もあるのかと今更ながらに気づいた。

 いままで何事もなく過ごせていたのはたまたま運がよかっただけで、もし魔力を詳しく測ることができる人間に会っていたら、魔族として追われていたかもしれなかったのだ。


「昨日あのあとナタンに言われるまで気にしてなかった。うっかりしてた」


「わたしも。まさか自分が“そう”だなんて思ってもなかったし」


 アルスがペンダントをサキの首にかけ、ふたつに分けて結んだ髪を引き抜く。首筋を通りすぎていく髪の感触に、わずかに身をすくめた。


 胸もとにおさまったペンダントを眺めてよしよしとうなずき、アルスはサキを抱き上げた。


「肌身離さずつけとけよ、なにかあったらすぐに助けに行くから」


 頭をぽんぽんとなでられ、なんだか怒ったような笑うのを我慢したような、微妙な表情でうなずく。


「うん、ありがとう……あ! そういえばアルスは? アルスは魔力をごまかしてないでしょう? 大丈夫なの」


 ぱっとアルスの顔を見ると、アルスはばつが悪そうに言い訳をし始めた。


「あー、いや、なんかいちいちこっちに来るたびにつけたり外したりがめんどうでつい……。その、はじめの頃はナタンが心配するから一応作って持ってたんだけど、ほら! ばれたとしても俺はどうとでもなるから!」


「だめよ! 依頼を受けるときなんかにアルスのことがわかっちゃう人に会ったりするかもしれないでしょう!? 絶対だめ!」


「いや、でも」


 案外面倒くさがりだったらしいアルスをきっとにらみつける。しかし悲しいかな今のサキは十歳のお子さまで、そんな顔してもかわいいだけだぞと笑われる。


「もう! こっちはまじめなの!」


 腹立ちまぎれに足をばたばたさせながら両手でアルスの頬をぺちぺちしてやると、あわててアルスはサキを抱え直した。


「わ、危ない! わかった、悪かった、悪かったって!」


「アルスが強いの知ってるけど、心配なものは心配なんだからね。いやよわたし、アルスが捕まったり怪我するの」


「わかった、今度からちゃんとするから」


「絶対だからね」


「はいはい」


 ふくれっ面のサキをもう一度なでてから地面に立たせる。


「サキはまだ仕事は時間かかるのか?」


「ううん、もう少しで終わるよ」


「そうか。じゃあここで待ってるから終わったら一緒に帰ろう、俺も仕事に戻らないと」


 わかった、とサキは工房に戻り、目ざとくペンダントを見つけた職人さんたちに質問責めにあったのだった。









「――わたしね、わりと開き直ってはいるけどほんとは子供じゃないのよ」


「そうだな」


「見た目相応の扱いをされることに別に文句とかはないの」


「まさに大人の対応だな」


「そうよ、でも今はともかく、“向こう”じゃあわたしのほうがお姉さんだったのよ」


 手をつないでの帰り道。口を尖らすサキと適当な受け答えのアルス。


 仕事を終えて帰ろうとしたらアルバイトのお姉さんたち(なお年齢的な条件などは考慮せず)に捕まって、アルスについて名前は、歳は、サキとの関係は、と根掘り葉掘り聞かれそうになり、振り切るのが大変だった。


 そのこと自体は大変だった、ですむのだが、一部出会いに積極的なお姉さんたちが、アルスをサキに紹介させようとしてきたのが気にくわない。

 つまり、ちっちゃい子が面倒見のいいお兄さんになついてると結論付けられたわけだ。大変に気にくわない。


「だから、アルスがわたしとはぐれないように手をつないでるんじゃなくて、わたしが手をつないであげてるの!」


「迷子にならなくて助かるよ」


 昨日も今日も、実際にはアルスの方から問答無用で手をとられたのだが、そんなことはどうでもいい。

 なんだかおかしなテンションになっている気がするが、まあ気にしてはいけない。


「あ、そういえばアルスっていま何歳?」


「257歳」


「ふーん……にひゃく!?」


 異世界って、すごい。

新作のポケモンが発売されるまでに対戦環境を整えておきたいと、アルファサファイアを渡された。

ひたすらタマゴを抱えて自転車を走らせる日々再び……



とりとキノコの照りマヨスパゲティー(二人分)


・とりのもも肉1枚

・マイタケ、エノキ、シメジなどお好みのキノコ数種類を半パックずつくらい

・しょうゆ大さじ1と2分の1

・酒大さじ1

・砂糖小さじ1

・みりん小さじ1

・サラダ油小さじ1くらい

・スパゲティー200グラム

・きざみのり適量

・マヨネーズ適量


・熱して油をひいたフライパンに皮を下にしてとりのもも肉を置き、中火で焼き色をつけたあとひっくり返して弱火で焼く。

・だいたい火が通ったら、石づきをとって食べやすい大きさに割いたキノコを肉の周りに入れしんなりさせる。

・いったん皿に取り出し、調味料を合わせてきれいにしたフライパンに入れて軽く煮て少しとろみがついたところに肉とキノコを戻し、からめる。

・食べやすい大きさにとり肉を切る。火を止めて少しおいて、肉汁を落ち着かせるとよい。

・茹でたスパゲティーにとりとキノコをのせ、フライパンに残った汁もかける。マヨネーズとのりをトッピングする。



メモ:

・普通のおかず、照り焼き丼、ピザのトッピングにしてもよい。

・豚肉を使ってもおいしい。

・甘めの味付けなので、各自好みで砂糖やしょうゆを加減するとよい。

・ぶっちゃけいつも自分が作っている照り焼きにキノコを足せばいいと思う。





砂糖しょうゆメモ:

お餅の定番、砂糖しょうゆ。ただ砂糖をしょうゆにまぜただけのものより、熱を加えて砂糖をとかしてよく馴染ませたもののほうが断然おいしい。

鍋で火にかける、レンジで数秒などいろいろ方法は考えられるけど、少量のお餅を食べるときに一番簡単なのは焼きたてのお餅を砂糖しょうゆのお皿に入れて、その熱でとかしてしまう方法。

焼きたての熱々を意識しましょう。

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