いつだって帰る場所は
中学生のときに、国語の先生が言っていたのですが、なにかひとつのことを文章で書いたら30字使うと思え、長めに書けば50字。なので、○○について100字で書きなさいなんて問題は、せいぜい3つかそこらのことくらいしか解答欄に入れられないのだ。
まあ、だいたいそんな感じの内容でして。以来、こむるは字数制限のある記述の目安として30字というのを意識するようになったわけです。
今だいたい100字くらい書いたかな、とかではあと何個主張を入れられるとか、全体で何文字だから、今回は一段落を要約するのに2つくらいの文章にまとめればいけそうだとか。
では、なろうではどのようにこの30字の法則が役に立っているのかというと、ずばり句読点を打つ目安ですね。
こむるは普段スマートフォンで書いていて、執筆フォームが一行約30字なのです。あまり、細かく区切った、文章は、ちょっと読みにくいかな、とこむるは、感じるので、一息に声で読んで自然と区切りのいいポイント(実際声に出すわけではない)に読点を打つことになるわけですが、だいたいそれが30字~50字。50字だとちょっと長いかな、なので可能なら適宜調整、みたいな感じで。
とはいえ書いているときはきっちり数えてはいなくて、もし行を折り返したら「そろそろ点を打っておいたほうがよさそうだぞ」くらいの感覚ですけど。
2018/05/13 落書き倉庫に頂き物のイラスト1枚追加。
ついにこむるさんもファンアートをもらうほどに出世したのです!
……あ、すみません。調子に乗りました。
勇者のお姉さんたちと別れたあと、サキは庭園でトゥッカヴァルト氏の尻尾に腰かけて(サキを追いかけるように庭に降りてきた)キャベツの千切り談義に花を咲かせていた。
もはやトゥッカヴァルト氏の魔法による玉ねぎのみじん切りは芸術的な域にまで達してしまった――もしサキに鱗があったなら最上等の一枚を進呈したいくらいだ――ので、次なる魔法に挑戦中、ということなのである。
それから少しして、服を着替えてきたアルスと、その弾むような足取りに呆れ顔を向けたナタンがやってきて、あずま屋は臨時の執務室となった。
タニアやジェラード氏、それからシドニー氏などが入れ替わり立ち替わりやってきて、アルスが留守中に溜まった案件を片付けているうちに、自分たちもこの場にとどまっていたほうが確認したいことがあったときなどに手間が省けるからと、結局三人もあずま屋に居着いてしまう。
そうなると、お茶だお菓子だと侍女のみなさんがわらわらとやってきて場を整えはじめるのだった。
「姫よ、何故半分に割ってからでなければならぬのだ?」
「ええっとですね、繊維に対して切る角度の問題って言えばいいのかしら」
“収納”していたキャベツを取り出し、サキは宙に放り投げた(魔法で浮かべたともいう)。
すぱすぱっと半分に割ったキャベツの芯を切り取り、広げた手の平に落ちるタイミングで“収納”する。
「サラダ用に千切りにするのなら、“切る”というよりリンゴの皮を“剥く”とか“削る”とか、そんな感じでですね――」
「ふむふむ――」
ふわふわと宙を舞う千切りキャベツの横を、メイシーが最近作られたトゥッカヴァルト氏専用の超特大カップに、これまた専用の超特大ポットでお茶を注いでいる――大きすぎてポットを持ち上げられないために侍女さんたちは魔法を駆使しており、おかげで魔法の制御がずいぶん上達したと、妙なところで喜ばれた。
トゥッカヴァルト氏の挑戦を見守っているところに、なにやら慌ただしい様子で騎士や侍従の人たちがやってきた。
「陛下、報告が――」
「どうした?」
「先程、城内にてファーレス家のカティーナ嬢とその侍女が目撃されたとのことです」
「カティーナ嬢……」
なんともいえない表情の騎士さんたちの報告を聞くにつれて、アルスたちもげんなりした顔になっていく。
お城に出入り禁止になっているはずのカティーナ嬢が何を目的に侵入したのかはまだ不明。サキやアルスを逆恨みして、という可能性も考えられるため、特にサキにはしばらくの間安全な場所にとどまっていてほしい――
「そうか、わかった――捜索の人員は動かせるだけ動かしていい。とはいえ、今は“外”からの客人がいる。あまり騒がしくならないように気をつけるんだ」
「かしこまりました」
指示を受けた騎士さんたちが戻っていき、アルスは立ち上がった。
「サキ」
「なあに」
千切りキャベツが山盛りになったボウルをしまい、アルスのそばに駆け寄ると、やはりというかなんというか、ひょいと抱き上げられる。
「聞いての通りだ。仕事の続きは、サキの家でやっていいか?」
「お茶とお菓子付きで?」
くすりと笑うと、アルスもいたずらっぽい笑みを浮かべた。
「そう。お茶とお菓子を用意してくれるかわいい女の子付きで」
やれやれ胸焼けがしそうだ、と言いながらトゥッカヴァルト氏がのそのそと動き出す。
「それではな、姫。そろそろ我も戻るとしよう」
「うん、またね。トゥッカさん」
手を振って森に向けて飛び立つトゥッカヴァルト氏を見送る。彼は今日もまた、洞窟で手頃な大きさの石を相手に、魔法の練習に励むのだろう。
そのうちフルーツカービングでも始める未来が見えるような気がした。
「陛下、ここはわたしどもにまかせて姫をお連れください。そうですね――片付けと書類の用意に少しばかり時間がかかってしまうかもしれませんが、どうかご容赦を」
とナタンは書類の束を手に、そんなことを言って笑う。
「そうか? じゃあ俺たちは一足先に行くから。ジェラード、捜索の指揮をまかせる」
「ああ、承知した」
何があるかわからないからということで奥の庭の木戸には行かずこの場から直接“跳んで”魔法屋敷に到着する。
そしてそのまま玄関を開けようとするのに待ったをかけて、サキはアルスに地面に下ろしてくれるよう頼んだ。
「それはかまわないけど、どうしたんだ?」
「いいから、早くはやく」
アルスの背中を押して玄関から数歩離れてもらったところで家に入り、玄関の戸をぱたんと閉める。
そしてすぐにもう一度開けてアルスに飛び付いた。
「お帰りなさい、アルス!」
「わっ、と――」
目を丸くしているアルスがなんだかおかしくて笑ってしまう。
「ふふ、玉座の間なんて堅苦しいところじゃなくて、ここでお帰りなさいを言いたかったの」
少しでも早く帰ってきたアルスに会いたかったから、あの茶番劇(発案、脚本・シドニー氏)に巻き込まれたこと自体に不満はない。人目がとかそんなことも今さらである。
勇者さまご一行――特に勇者のお姉さんに、アルスは自分のだと多少なりとも自己主張できたのも、まあ悪くはない(伝わったかどうかは不明)。
でもなんとなく物足りないというか、ちゃんと“お帰りなさい”を言えていないような、そんな気がしていたのだ。
「サキ――」
飛び付いたままつま先立ちだった足が地面から離れ、アルスと同じ目の高さになる。
「――あのね、アルス。変な言い方かもしれないけど、この家に……わたしのところに帰ってきてくれてありがとう」
ぎゅっと首もとに抱きついて離れると、アルスの真面目に引き結ぼうとして失敗したらしい口がふにゃりとゆるんで、強く抱きしめられた。
「ああ――ただいま、サキ」
お団子を作ろう
上新粉、白玉粉、餅粉、だんご粉、水でこねる、お湯で練って蒸してつく、粉の種類も作り方もいろいろですね。
こむるは白玉粉を使うことが多いですかね。あの粉の固まったのをきゅきゅっと潰すのが大好きです、はい。
ひと袋まるまる使うときは分量通りに混ぜるけど、そうでないときは様子を見ながら少しずつ水を加えていく。ちゃんと量を計っているときも、粉を少し残しておく、水を一気に全部は入れないなど、不幸な事故を防止するための心がけは大事です。
こねるときは耳たぶくらいの固さってよく言うけど、耳たぶの固さってなんかよくわからない。まあ、ぼそぼそし過ぎない、べたべたしないくらいの感じで。少しやわらかめが好きです。
しっかりこねると出来上がりのなめらかさに差が出る……気がするのですが実際どうなんでしょう?
まるめかたも人によって差がでるところでしょうか。ちぎってまんまるにする、平たくまるめて真ん中を潰す、棒にして輪切りにする――こむるのママンはやや大きめのまんまる派でした。こむるは早く茹で上がってほしいので平べったい派です。
お子に手伝ってもらうと、やたら小さいのができたりどんぐりみたいな形になっていたり、あと、絶対猫とかうさぎ……になりたかったのであろう不定形生物が生まれますよね。ハンバーグでも餃子でもそうだけど、素人には難易度が高すぎると思うのよね。
沸騰したお湯に投入して茹でるわけですが、たまに鍋の底にはりつくことがあるので、網とかお玉でときどき確認する。
うちのママン、一律でお団子が浮き上がってすぐか少ししたら引き上げてしまうので、いつも中が粉っぽかったです。
茹で時間は大きさにもよるだろうし、適当なこむるはきっちり計ったりしないので、浮き上がってきてしばらくして透明感が出てきたなと思ったら引き上げてます。
熱々にきな粉をかけるのはおいしいし、ワイルドに砂糖をぶっかけるのも意外といける。
みたらし団子はたれを作るのがめんどうであんまりしない。といっても砂糖と醤油とみりんを煮て片栗粉でとろみをつけるだけなわけですが。
でも砂糖と塩を混ぜるだけのきな粉さんのお手軽さには勝てないの。
あと、きな粉はあまったのをスプーンでもしゃもしゃ食べるという楽しみがですね(お湯で少し練ってむせにくくするのは軟弱者の食べ方と思ってる)……。
冷水にとってフルーツ白玉……にするくらいなら、こむるはそこにあんことクリームを乗せてクリームぜんざいにする派です。
誰かおいしいお団子の作り方のコツを教えて、ぷりーず。