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side千鶴――千鶴さんの魔の森生活日記(視点変更あり)

なろう的きゃっちーなタイトル(ヒロイン向け)を考えるの会。



昨今の流行りを鑑みるに、悪役令嬢、侯爵令嬢、うっかり令嬢などなど、○○令嬢という単語を入れるのが望ましい。


「婚約破棄」はもはや常識、息を吸うように婚約破棄、自己紹介がわりに婚約破棄、話のとっかかりに婚約破棄。なので、タイトルに婚約破棄またはそれを匂わせるような言葉を入れるのはグッド。しかしあらすじに回しても概ね問題はない。


タイトルを肯定形にするか否定形にするかはお好み次第。


「~~します!」「~~しません!」など主人公の宣誓、主張とするか、「~~する」「~~しない」など意思の介在しないひとつの事実とするかで印象が変わる。後者のほうがよりシリアスな印象を与えるものと思われる。


短めのタイトルの後に捕捉説明を入れることで、読者はより明確に、その作品が自身の求める内容かどうかの選別を行うことができる。ただし、加減を間違えるとタイトルがネタバレすぎてもう読まなくてもいいや、と思われてしまう恐れもあり。


例:

「悪役令嬢はスローライフを望む」

「捨てられ令嬢は復讐を選ばない」

「婚約者に捨てられて家族からも見放されたけど結構快適に暮らしてます」

「婚約破棄されたけどざまぁなんてしません!」


これらのタイトルに、


~無自覚チート令嬢ののんびり辺境モフモフライフ、時々冒険者~


とかつけると、話の内容とかだいたい想像つきません?



 

――――千鶴視点――――



 いよいよ今日から魔の森……。


 王城から森に隣接した辺境伯の領館まで転移魔法陣で移動して、森の入り口まで馬車で送って貰う。


 そこから先は……わたし達五人だけの旅。


 大丈夫、きっと上手くいく。


 そういえば、昨日送別の為の夜会が開かれたんだけど、アルスさんはその晩見慣れないピンを襟元に飾っていた。


 深い緑色の石を丸く磨いた飾り部分に、お揃いの小さな石をあしらった受け部分。その二つを金の鎖で結んだデザインの――この旅のどこかで、街に出た時とかに買ったのかな?


 あの緑の石が魔石っぽいってのは、なんとなく分かった。ただ、どんな魔法が込められているのかまではわたしには判別がつかないのだけど。


 別に魔道具に仕立てなくても、魔法使いの人が外付け魔力みたいな感じで魔石を身に付けるのは良くあることだし、そういう可能性だってあったりもするのだ。


 ――うん。なんか、こんな細かい変化にまでいちいち気付いてしまう自分に、ちょっと呆れちゃうよ……。


 そして、その変化があの指輪の女性(ひと)()()()()()()()という証拠を探そうとせずにはいられないことに、激しく自己嫌悪して――。


 今この瞬間、果てしなく広がる緑を前にしてさえも。騎士服でなく冒険者としての服につけられたピンを目で追ってしまっている。


 ――気を引き締めないと……!


 両手でぱちんっと頬を叩く。


 エドガー達が慌てた顔でどうしたのか訊いてくるのに、森に入る前に気合いを入れてただけだよ、と誤魔化すと、チズルらしい、と笑われた。


 端から見てどう考えても謎の行動がわたしらしいって……


 ……いや、誤魔化せたのはいいんだけど。アルスさんに不審がられることもなかったし。でも、なんか……


 解せぬ。






 森に入って直ぐの頃は木漏れ日とかも明るくて、ちょっと魔物が強目の普通の森って感じだった。


 わたし達の目的は、あくまでも魔物の間引きではなくて魔族――ひいては魔王との和平なので、なるべく魔物は刺激しないように、距離を稼ぐことを重視して進む。


 川沿いに行かなくても魔法で水は確保出来るし、兎や鳥を狩ったり調理したりといったことも、エスター王国の森での特訓が生きて、結構手早く出来ている、と思う。


 ……相変わらずわたしに血生臭い作業が回って来ることはないけど。


 本当は、旅立つ前や立ち寄った国々で食料や水はしっかり量を確保してアルスさんやレオン君の収納魔法でしまってあるから、もっと急ごうと思えばそれも可能なのだ。


 でも、この森がどれくらい広いのか、抜けるまでにどれくらいかかるのかわからないし、森を抜けてからだって、魔王城を探し出すのに手間取るかもしれないから、手持ちの食料はなるべく消耗しないようにしなければならない。


 休憩の時なんかにアルスさんやレオン君が木の上まで飛んで(魔法って便利!)現在地を確認しているのだけど、あと一日くらいの距離、微かにだけど最初の砦跡の影が木々の間に見えたらしい。


 やった! 一晩とはいえ野宿から解放されるよ!


 お風呂に入れなくても浄化魔法で清潔は保ててるし、夜の見張り番は一番最初か、それか明け方前の一番最後に、それもわたし一人だけにならないように気を使って貰っている。


 寝る時だって、小石で痛くならないようにと毛皮や毛布を他の皆より余分に敷いてくれ、風邪をひいてはいけないからと焚き火の一番近くを譲ってくれる。


 そんなこんなで、漠然と想像していたよりは結構快適な旅なんだろうと思うんだけど、やっぱり屋根のあるところで寝られるってのは嬉しいのだ。


 あ、でも皆が寝てる中、アルスさんと二人だけで焚き火を囲んでいる時間は、特に会話とかはないんだけどなんか凄く特別な時間っていうか、寡黙に剣の手入れや魔道具の点検をしてる横顔をそっと眺めていると、この一瞬(とき)をアルスさんと共有してるのはわたしだけなんだ……って、じんわりと胸が暖まるような、それでいて切なく痛むような、不思議な気持ちになって。


 ――諦めなきゃいけないのに。


 どうしよう、どんどんアルスさんのことが好きになっていくよ……。








 ――――??視点(三人称)――――



 春とはいえ、夜はまだまだ冷え込む。


 彼は、焚き火が消えないよう枯れ枝を追加しながら、火を囲むようにして眠る旅の同行者達を見やった――今しがたかけた魔法はよく効いているようだ。


 五人を三交代で分けると、どうしても誰か一人あぶれてしまう。


「――仕事を片付けて来る」


 だから、こうして自分一人の番が回ってきた時を逃さず彼は動くのだ。


「留守の間を頼む」


「は、お客人の警護はおまかせ下さい」


 後方の茂みから密やかな声が応え、彼は何処へかと転移して行き。


 後には、柔らかに灯る焚き火と眠る四人の影が揺れるのみ。







 ――――千鶴視点――――


 僅かに木漏れ日の射す森の切れ目、そこにその砦跡はあった。

 そう。まさに砦“跡”と形容するに相応しい、石造りの塔の残骸――。


 かろうじて一階部分は本来の形を残しているけど、二階から先は剥き出しになった階段と、僅かばかりの踊り場が残っているだけの。


 それでも、砦内部は頻繁……という程ではないけど人が使っている形跡があって、古びた藁やロープ、うっすら埃の積もった簡素なテーブルと丸椅子、暖炉脇には薪まで置いてあった。


 アルスさんの説明によると、こういった森や山の中の小屋(ここは砦だけど)に置いてある物は、訪れた人が自由に使っていいのだけど、薪なんかの消耗品は使ったらその分補充しておくのがマナーなんだそう(緊急時は除く)。


 エドガー達が、こういう時だけでもプライベートなスペースが欲しいだろうと、奥まった一角を布で仕切ってわたし専用の部屋?にしてくれた。


 うーん、さすがジェントルマン。


 それから、慣れない野宿で疲れているだろうからと、自分達だけで火の番はするからゆっくり休んでくれと言われた。


 わたしだけそんな楽させて貰う訳にはいかないと遠慮したのだけど、無理をしないこと、休める時にきっちり休むことも長旅を乗り切るコツだと諭され、結局お言葉に甘えることに。


 ――うん、そうだよね。いくら召喚チートで剣とか魔法が使えるようになったとはいえ、所詮は現代日本で生まれ育った貧弱な女子高生、今一番大事なことは、皆の役に立つことではなくて、皆の足手纏いにならないことなんだ。


 なんか、自分で言ってて悲しくなって来た……いやいや、この旅の間にちゃんと慣れて体力をつければいいだけなんだから! 頑張ろう、自分!


 森で捕れた兎と香草のシチューとフランスパンに似た感じの硬いパンで夕食を取った後、テーブルに地図を広げて明日以降の打ち合わせ、のち就寝。


 キースさんが砦全体に魔物避けの結界を張ってくれたので、安心して寝られる。や、野宿の時ももちろん張ってたんだけど、壁がある分安心感が増すっていうか。


 わたし専用スペースに入ろうと布を持ち上げた瞬間、暖炉の側に座るアルスさんが、襟元――丁度あの緑色の魔石のピンが付いているあたり――にそっと手を触れているのが見えた……見えてしまった。


 ああ……やっぱり“そう”なんだ……。


 ツキンと小さな胸の痛み。


 でも、自分で思っていた以上に疲れていたのか、一体“何”がどう“そう”なのかはっきりと認識するよりも早く、わたしの意識は急速に眠りの淵へと追い立てられて――。







 ――――??視点(三人称)――――


 彼は、かつての砦の二階と三階を結ぶ踊り場――今は奇妙な形で突き出た屋上部分となっている――で一人ため息をつく。



 夕べは、愛しい彼女――と仕事の待つ家へと“跳んで”みれば、待っていたのは幼馴染みの抱えた書類だけ。


 彼女はといえば、待ち疲れたのだろう、ソファで丸くなって眠っていた。


 テーブルにはいつでもお茶を淹れられるようにと準備されたポットとカップのセット、紅茶の葉やジャムの入った各種マフィン――嬉しいような、申し訳ないような気持ちに胸が痛む。


 積もりたての粉雪を掬うよりも慎重に抱き上げて、そっと二階の寝室に運んだ。


 首元までしっかり毛布をかけて、顔にかかった髪を払ってやる。


「――お休み。いい夢を」


 頬に口付けを落とし、去り際、ふと思い付いて小さな魔石をその場で作って枕元に置いておく。彼女をここまで運んだのは、他でもない自分なのだという意思表示だった。



 今日はまだ間に合うだろうか――夕べよりは時間は遅くないが、寝るにはまだ早い、という程でもない。


 あまり遅くまで自分を待たずにしっかり寝るようにと伝言を残しておいたから、きっと今日も彼女の声を聞くことは出来ないのだろう。


 それでも、彼女は何らかの形で彼を“待って”くれている――そんな確信が彼にはあった。


 自然と、口元に笑みが浮かぶ。


 後は頼むと階段の陰に声をかけ、彼は“跳ぶ”のだった。



おまわりさんこいつです。




タコスが食べたい


タコスを作るには、まずトルティーヤを作らないといけない。


トルティーヤの材料:

・小麦粉 200グラム

・お湯 100㏄

・オリーブ油 大さじ1

・塩 小さじ2分の1


作り方:

・ふるった小麦粉と塩をボウルに入れ、お湯、オリーブ油を加えて箸、スプーンなどでぐるぐるまぜる。

・まとまってきたら手でよくこねる。

・ぎゅっと手のひらの付け根で押し付けて折りたたむ、または高いところから打ち付けて折りたたむを30回とか。

・つやつやの生地ができあがったらラップに包んで冷蔵庫でしばらく寝かせる。30分~1時間くらい

・均等に切り分け、打ち粉をして丸く伸ばす。

・中火くらいのフライパンで油をひかずに焼く。焼き色がぽちぽちついてきたらひっくり返して、ふくらんできたらお皿に移す。

・焼き上がったトルティーヤは、重ねてラップまたはかたく絞ったふきんかぶせて乾燥を防ぐ。



メモ:


・薄力粉だけでも、強力粉と半々でもよい。


・油はサラダ油でもよい。


・生地がくっつかないようにオーブンシート、切り開いたジップロックなどにはさんで、丸く丸めた生地をまな板やフライパンの底などで押し潰したほうがうまくいくかも。


・その辺のスーパーで手に入るとうもろこし粉をまぜて本格的に作ろう!と思っても、うまくまとまらない。たぶん、専門のとうもろこし粉が必要。


・タコスの具は、ハンバーグ、ミートソース、鶏の照り焼き、ソーセージなど何でも好きなものを。

そこにレタスだのトマトだのチーズだのと一緒にくるっと巻いて食べよう。

つーかこむるは本格的なメキシコ風の具ってやつを作ったことがないよ。←!?


・サルサソース(って変な言い方よね。そもそも”サルサ“ってソースって意味だよね、ソースソース……?)もあるとなおよし。


・市販の餃子の皮を使えばお手軽にミニタコスが

楽しめる。

つまり、逆にトルティーヤ(小麦)の生地が作れる=餃子の皮ができる。この場合、気分的にはオリーブよりサラダ油かも。


・伸ばした生地の片面だけ焼いて、焼いた面を上にしてトマトソースを塗ってお好みの具とチーズをのせ、フライパンで蓋をして弱火で焼けばふくらまないピザになる。



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