秋入日
手の甲に触れる
風の温度が違った
霞む
木々の色
さみしさの湿度が
増していく
うたはアルト
君の影が薄くなって
正体を明かさない
もの哀しさに
包まれた茜色
来は
諦めに似た夜と
目眩がする程遠い明日
いつか握手を交わした手を
小さく振れば
空っ風を
振り向かせるような
ため息ひとつ
緩和されてゆく熱量
研ぎ澄まされてゆく皮膚
君の熱を知っていた掌が
乾いていく
感傷すら
心変わりをしていくから
君よりも伸びてゆく影
僕はまた
誰も暴かない夕焼けを見ている