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月のころは

 私のその答えを、清少納言さんは不快に思うのではないかと考えていた。それでも清少納言さんは、楽しそうに笑ってみせた。嬉しそうに笑っていた。初めて見る笑顔。

 今まで見ている笑顔とは物が違った。その笑顔に私は、清少納言さんを近くに感じた。彼女も私と変わらない、私と同じ分類だとすら思えた。失礼さは重々承知しているけれど。


「告白くらいするわよね? その方法は、どうするつもりなのかしら」


 驚いた。清少納言さんは私に顔を近付けて、小声でそう問い掛けて来たのである。恋をすると人は変わる、それは本当だったのであろうか。それとも、私が勝手に思い込んでいただけで清少納言さんは元々こんな性格の方であったのか。

 どちらにしても、今の清少納言さんは不安を抱いているという事。それほどまでに、彼は素晴らしい存在であると言う事。これは確かだろう。


「ラブレターを描こうと思っています」


 冷やかしだとか、そんな気配も無い。素直に問い掛けているのだと思い、私は正直に返す。すると清少納言さんは再び嬉しそうな笑顔を浮かべる。本当に嬉しそうな。

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