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たなびきたる
まず、彼に対する私の想いを書けばいいんだ。だけど、ダラダラと彼への愛を描いてしまえばそれは気持ち悪いとしか感じられない。ストーカー的タイプにはなりたくないな。
やっぱり、比喩的な表現を使う必要があるね。短く纏めたりした方が、忙しい彼も読んでくれるよね。最初にするべきなのは、彼に読んで貰えるような工夫。迷惑は承知で、ラブレターを描くと決意したんだ。私は私の想いを蔑ろにしたくない。
彼の美しさを何に例えればいいと言うのだろう。あれほどまでに素晴らしい存在、他には何も思い付かない。何に例えたとしても、彼は素晴らしい存在なので失礼に当たってしまう。それは避けたい。比喩表現を使うとすれば、彼への愛の深さ。私が持つ彼への想いであろう。
敢えて遠回しで簡単にはわからない表現を使い、彼に考えて貰うってのもいい。彼の時間を無駄に使い、無駄に脳を使わせてしまうことになるかもしれない。それでも私は彼に気付いて貰いたい、自己中心的な人間なのだ。もしかしたら、清少納言さんを嫌いな理由は私に似ているからなのかもしれない。