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もていけば
手紙を渡すタイミングとして、卒業式というのはとても良い案だと思う。卒業式に手紙を渡せれば、かなり印象に残るのではないかしら。だけどそれくらいの事は、きっと誰もが思い付く事なのでしょうね。卒業式には告白をする人も多くいるでしょう。制服のボタンだって、争奪戦が発生する筈よ。道長様程の人気者ならば間違え無いわ。
つまり卒業式には、声を掛ける事すら出来無い状態になると言う事。清少納言さんなら兎も角、私なら近付こうとすら思えない状態になる。絶対よ。その事を考えたら、卒業式ではもう、手紙を渡すには遅いと言う事ね。それ以降は会えなくなってしまうのだから。
春になってからだと、道長様の方もお忙しくなるだろう。それに卒業生は、三学期に学校へ来るとも限らないし。道長様は真面目な方だけれど、勉強が出来る方でもあるから、学校へ来る必要も無いだろう。友達に会いに学校へ来る、なんてタイプでも無いでしょうし。道長様に会えなくなる事を考えるならば、春では無く冬にラブレターを渡したい。確実に渡す為には確実に彼に会えるを狙う。