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いとつきづきし
耐え切れなくて、私は逃げ帰ってしまった。自分の体力からは信じられない程の速さを保ちながら、驚くほど早く帰宅を完了した。さすがの清少納言さんだって、家までは追って来ないでしょう。逃げて来てしまったけれど、本当にこれで良かったのかしら。
「手紙、書き直しましょう」
一人で呟いて、私はレターセットを取り出す。薄い黄緑色の紙で、右下にはキラキラの四つ葉のクローバーが。手紙も封筒も同じデザインで、私には似付かわしくない程に可愛らしいものである。幸せの四つ葉のクローバーなんて、私が使って良いものじゃないかな。そんな事を思いながらも、態々別の手紙を使うつもりはない。可愛らしい手紙の方が、相手も和んでくれるでしょうし。
最初に書いた手紙は、ただ別れの言葉を認めただけであった。そんなもの、渡された側はどうしたら良いか悩むだろうな。困らせてしまって終わりだ。私に好意を寄せているのならば、別れは嫌だと抱き締めてくれれば良い。問題なのは、そうでなかった場合だろう。そしてこの恋はそうでない場合なのだから相手は困るのだ。




