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あらず

 道長様、わざとなの? それとも偶然なの? 天然なの? 私の痛いところをいきなり突いてくるもんだから、また逃げ出してしまいそうになった。しかし今の私は、現実と向き合うって決めたから。そう簡単に、辛い現実に屈したりしないのよ。

 こんなことになるんだったら、恋なんてしなければ良かった。文字を見つめて妄想を咲かせて夢を描いて、そうしてうっとりしていたんだから、紫式部はそうあるべきだったのよ。現実で恋に落ちるなんて、その時点で不釣り合いだし間違っていた。その上相手が学校一の人気男子生徒、無理に決まっていたじゃない。


「申し訳ございません。私、藤原先輩にも、清少納言さんにも、酷い事をしてしまいました。私は最低の人間なんです。だからお願い、もう私には近付かないで下さい。もうこれ以上、清少納言さんの邪魔はしたくないし、彼女を傷付けてしまいたくもないんです」


 勇気を振り絞って、私は道長様に謝罪した。これは清少納言さんの事を思っているように見えて、でもやはり自分勝手な私が見え隠れしている。優しいふりをして、最低だよね。

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