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すこしあかりて
「さっきからこっち見ないでくれる? ムカつくから」
いつの間にか視線が清少納言さんの方に行っていたらしい。汚物を見るような目をして、清少納言さんは私に言ってくる。
悔しいけれど、言い返せない。私が清少納言さんを見ていたのなら、それは仕方がない。それに、清少納言さんの機嫌を損ねるようなことはしたくない。
正直な話、彼女に信用があるとは思えない。性格を考えれば、他の人も私と同じ結論に至って当然。それでも清少納言さんは優秀で、誰も逆らわせはしなかった。巧みな演技や言葉。彼女はそれらを有効に使い、上へと昇り詰めた。
彼女の邪魔をすれば排除される。
彼女は自分の道を妨げる者は容赦なく消し去って来た。情けなんて、そんな感情持ち合わせていないのだろう。そこも彼女の強さの一部なのではないか、とも私は思う。
しかし彼女は彼に恋をしたらしい。そしてラブレターを書くと言っている。私も同じだということがばれれば、私はどうなるだろう。完全な邪魔者になるのは確かだ。
恐怖。屈辱。そんな感情に押し潰されそうな中、私は謝り続けていた。