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夕日の差して

 それは、遠くでしか見た事がなかった笑顔。いつか自分にも向けて欲しい、そう願っていた笑顔。これだけでもう、私は満足だった。満足してしまいそうだった。


「こんにちは。ああ、俺が藤原道長だ。紫式部ちゃんと、清少納言ちゃんでいいんだよね」


 立ち上がると、そんな事を口にした。信じられない、信じられないの一言である。彼は私の名前を呼んだ、私のことを知ってくれているのだろうか。

 自信に満ち溢れている清少納言さんも、これには驚きだったらしい。笑顔を絶やさずに平然と頷いたが、彼女のその表情が驚愕であることを私は知っている。一夏共に過ごしたのだから、それ位はわかる。無言で頷いたのは、驚きの余り声が出ないからなのだろう。


「食事が終わっちゃったから、ちょっとした散歩をしてたのさ。そこで触れたり感じたりした事を、詩にしたりもしている」


 噂通りだったらしい。私は詩を詠むにしても完全に妄想で作り出すから、その為に散歩することはまずない。だから日常の些細な事を詠む事が出来る人を、素直に凄いと感じたりもする。私には無理だからね。

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