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また
同じ内容のラブレターを送っても仕方が無い。恋のライバルと言ういがみ合うべき私達が、何を協力すればいいと言うのであろうか。この様な矛盾を生むとは、彼はやはり普通では無い。
私も清少納言さんも、お互いに承知している。落とし合っていると、二人とも彼の視界にも入れず終わる。気にしないどころか、協力さえしなければ彼の視界には入れないんだ。
「情報交換とか、そんなのかしら。それと、推敲し合うとかかな」
一方的に情報を貰い、入手出来なかったと与えない事すら可能になってしまう。清少納言さんがそんな卑怯な真似をするか。そう問われれば、私はしないであろうと答える。しかし、私はそんな卑怯な真似をするか。そう問われれば、私は答えることが出来ないと思う。
それに推敲だって、悪い方へと導く事も可能だ。相手が知らない彼の嫌いな物、それを描かせる様誘導する。そこまで性格の悪い事、清少納言さんはしない。私を落とそうとしているなら、手段を択ばないでしょう。それでも、今回の目的はそれではないのだから。
「私を信じることが出来ますか?」