手料理はほどほどに
この話はフィクションであり実在の話ではないことを願います。
幼馴染「さ、ここが私の部屋よ」ガチャッ
男「おじゃましまーす」
男「おお!意外と片付いてるんだな~」
幼馴染「まぁね、どこの誰かさんとは違ってね」
男「どこの誰か・・・ああ、男友のことか、あいつのあの反応は
絶対ゴミ屋敷だったな・・・いや、スクラップマウンテンか・・・」
幼馴染「ちがう!あんたの部屋よ馬鹿!あんたの部屋は汚かったものね」
男「ちょっ!汚いとはなんだよ!あれこそ生活感溢れる部屋だろ!」
幼馴染「生活感あふれすぎるわ!!カードで足場なかったじゃない!」
男「あんときゃよく男友とお前でカードゲームしてたな~」
幼馴染「よくもまあ、あの時はあんた飽きなかったわよね~
私は始めてからすぐやめたわ」
男「それはお前がどうしても俺に勝てなくていじけてただけじゃん!
何度やっても俺が圧勝してたからお前がついに泣き出して
男友が慰めてたよな」
幼馴染「あ、あの時は低学年で小さかったからよ!覚えてないわよ」
男「部屋といえばそうそう、俺一人暮らしするんだよ!明日引っ越す予定」
幼馴染「へ~それは良かったじゃん。引越しの準備手伝おうか?」
男「おぉ!それは本当か?すげー助かる」
男「あ、でも俺のアパートって確か幽霊が出るらしいんだけどさあ・・・」
幼馴染「( ^ω^)」
幼馴染「あーっ、そういえば明日バイトがあるんだった~~ごめんね」
男「えー、そうなのか?まぁしゃあないか・・・」
幼馴染「それよりお腹減ってない?」
男「あ~さっきジュース飲んだけど腹減ったな・・・」
幼馴染「じゃ、じゃあさ、料理作ってあげよっか?」
男「え?お前料理作れんの?」
幼馴染「これでも1人暮らしなんだからね?」
男「すっげ~、じゃあお言葉に甘えるとするかな」
幼馴染「じゃあすぐ作るからくつろいでて」
男「へ~い」
トントントン
カチャカチャ
チッチッチッ
ベチョベチョ
キョキョキョキョ
男「ん?なんかおかしくね?」
ボウッ!!
幼馴染「アチチチチチッ!」
男(大丈夫かよ・・・)
~数分後~
幼馴染「さ、できたよ~♪」
男「おおっ!何かと思えばカレーじゃん!変な音するから心配したぜ」
幼馴染「ちょっと失敗しちゃったけど・・・その分愛情はいっぱい
あるわよ♪」
男「おっ!まじか!それじゃいただきま~す」
男「・・・・・・・・・・」パクッ
男「・・・・・・・・・・」モグモグ
男「・・・・・・・・・・」モグモグ、ゴリッ
男「・・・・・・・・・・」
幼馴染「・・・」ワクワク
男「っ・・・・・・!!!!」バタン
幼馴染「ん?あれ?お、お~い男~?」
男「・・・はっ!!」ガバッ!
幼馴染「ん?どうしたいきなり倒れて」
男「あっ、いや・・・あ、あまりにも、う、う、美味すぎて」プルプル
男(本当は一瞬気を失わせるほど激マズだったけど、
さすがに本人には言えないし・・・)
幼馴染「えっ?本当?嬉しい♪おかわりいっぱいあるからね♪」
男「あっいや、きょ、今日はなんだかあんまり食欲がないなーっていうか」
男「あっそうか!明日の引越しだから緊張しているのだよハッハッハ・・・」
男(流石にこの場を乗り切らないと・・・2度はないぞ!あの料理!
否っ!!『カレーもどぎハイパーデンジャラスインフェルノライス』っ!!)
男(通称『カレーライスHD』!!)
幼馴染「あれ~?もしかして遠慮してる?いいのよ遠慮しなくても♪
初めての手料理を人に公開するの初めてなんだから!」
男(公開していないだとっ・・・!?俺が被験者1号というわけかっ!)
幼馴染「あ、でも公開してないとは言ってもカレー自体は小学校の時
家庭科実習でつくったわよ?」
男「あ、ああ、あの時か・・・」
男(あの時のカレーの方が100倍ましだぞ!?この数年間
どうしちまったんだよ!!!カムバック幼馴染!)
幼馴染「あ、そういえば一昨日お父さんにも食べさせたっけ」
男(た、たたた食べさせたの?あの殺人料理を!?お父さん死んじゃう!)
男「お、お義父さんはどうだって?」
幼馴染「ん~?確か『娘がつくる料理ならたとえゴキブリが混じってようが
美味しいぞ!』って吐血しながら言ってたね~」
男「いやいやいやいやいや!吐血はないだろ吐血は!!」
幼馴染「ん~もともと病気がちだったから仕方なかったのよ」
男(血を吐きながら『カレーライスHD』に挑むとは・・・お義父さん・・・)
幼馴染「そのあと救急車が来て、お父さん輸送された、
お父さんどうやら食中毒らしいのよ・・・。
普段何か悪いものを食べてたのかな・・・心配だな」
男(お前だよお前!!何が心配だコノヤロー!とは言えないよな・・・)
男「ま、早く体調良くなるといいな」
幼馴染「うん・・・」
男「さて・・・と」
男「そろそろ夜遅いし帰るとしますかね・・・」
幼馴染「えっ?もう帰っちゃうの?もっとゆっくりしてけばいいのに・・・」
男「そうは言っても明日朝はえーから」
幼馴染「そう・・・気をつけて帰ってね?」
男「おう!じゃあまたな」
幼馴染「また料理してあげるからね~♪」
男(ぜ、ぜって~食わねぇ)
~次の日~
ピピピッ・・・
ピピピッ・・・
ピピピッ・・・
ピッ・・・
男「ふあぁぁぁ~っ・・・」
男「やべっ!寝過ごした!」
~new my room~
引越しの人「コンナンデイイデショウカ?」
男「ああ、ありがとう!ご苦労さまです」
引越しの人「シャッシター」
男「ふふん!」
男「我ながらいい部屋を借りたなあ」
男「間取りもいいし完璧だな!」
男「おっ!男友も呼ぼう!きっと幽霊が出るなんて思わなくなる」
ピッピッ
宛先:男友
件名:引越し完了ヽ(*´∀`)ノ
本文:新しい部屋マジサイコーお前も来たらいいよ(笑)
男「おっ!写メも送っとくか!」
男「ここらへんをバックにして・・・っと・・・」
ティロリン♪
男「よしよし!添付・・・っと」
男「送信!」
シュオォン!
男「さーて!疲れたし寝るとするかな・・・」
男「幽霊なんているわけねーだろ科学的に・・・むにゃむにゃ」
ティロリン♪
宛先:男
from:男友
件名:お前の目は節穴以下だな(゜ロ゜)
本文:おまえ、その部屋マジでやばい。今すぐ変えろ!
お前が送ってきた写メに・・・
心霊写真が映ってた((((;゜Д゜))))