Truth is stranger than fiction
怖い夢を見た
怖い夢を見た。
私は友達2人と電車にのっていた。
平日の昼下がり
電車は空いているものの、シートはほとんど埋まっていた。
唯一あいていたのは優先席
3人がけのシートに、中年の女性が1人だけ座っていた。
大学終わり
"つかれた〜”とぼやく友達は、あいていた2つのシートに座る。
「おい.私の席ないやんけ」
仕方ないなのと思いながら、電車のドア前の少しくぼんだ空間に立つ。
壁に寄りかかリ、スマホをいじる。
人の気配を感じて、ふと前を見ると
先程まで、シートに座っていた女性が、目の前に立っていた。
「席、ゆずりますよ?」
気を使ってくれたのだろう
「大丈夫ですよ、ありがとうございます」
こんなやりとりをしている間に、空いた1つのシートには別の人が座っていた。
申し訳なさそうにする女性。
気をつかってくれたのに
こちらこそ申し訳なくなってきて、私は笑顔で女性に伝える。
「本当に大丈夫だったんです。次の駅で降りるので。こちらこそ、申し訳なかったです。」
すると、女性は、おもむろに彼女のかばんの中を探り出した。
そして、小さな紙の束をとりだす。
「何かのご縁なので、名刺、名刺...
あっ、あなたなら、こっちですね。おまけに、これも。」
2つの紙が渡される。
重ねて渡された2枚の小さな紙。
上の紙に書かれた彼女の名前だけ確認し、私は感謝を伝える。
「ありがとうございます。」
丁度その時、電車は目的地に到着した。
「では」
友達2人と電車を降りる。
不思議な方、だった。
「ねぇ、なにもらったん?知り合い?」
友達の言葉に、私は渡された紙を見る。
1枚目の名刺の裏を見ると
私の本名が印刷されている..
背筋に悪寒が走る。
なぜ,私の名前を、その上、フルネームで、知っているのだろう、
そして2枚目の小さな紙の表には、
女性のXアカウントが
そして、裏面には
何故か女性のフォロ一欄の写真が印刷されていた。
フォロワー-4人
なぜ、こんなものを?
4人の中の1人の名前に目が止まる。
なんで、こいつが?
そこには、"あいつ"のアカウントがあった。
思い出したくもない、私にトラウマを植え付けた人間。
本名を知っていて、かつ"あいつ"と交流のある、見知らぬ女性の存在。
身の危険を感じる。
早く家に帰ろう。
顔をあげると
何者かと目が合う。
その人を認識した私は、息を飲む。
ホームには、先程電車に乗って去ったはずの女性が微笑みをうかべて立っていた。