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098話 サンバーンメの街の観光。

【基本一日置きで夜の18時に更新します】

どうぞ、よろしくお願いします。




 

「とりあえず師匠がまだこの街にいるのはわかったよ」




「そうね。それからお師匠さんが勇者パーティのメンバーで行動を共にしていることもね」




「それで謎が解けたよ。なぜミサイアさんや勇者のスザクさんが僕の師匠のことを知っていたのかが説明できるよね」




「そうね。同じ勇者パーティだったのなら当然よね。それにもしかしするとミサイアさんに認識阻害の魔法をかけたのもマキラのお師匠さんかも知れないわね」




 そうだった。

 ミサイアさんはブルーオーガだと人族にバレないように認識阻害の魔法で人族の姿になっていたのだ。

 だとしたら僕の師匠の魔法かもしれないね。




 それでもだ。

 師匠が誰に誘われたのかのを隠している理由がわからない。

 そして僕に会わない理由もだ。

 更の言えばミサイアさんもスザクさんも師匠が同じパーティメンバーであることを僕に伝えなかった。

 これにもやはり理由があるのだろう。




 これは直接会って問いただすしかなさそうだね。

 僕がそんなことをぼんやり考えているとフララランが発言する。




「それとこの街には魔族が出現していないこともわかりましたよねっ」




「しかしじゃ。魔族が出現していないのに勇者パーティが居座っているのは意味があるのかのう」




 そうなのだ。

 タマユラが言ったように勇者パーティはこの街に滞在している。

 居場所はリリエさんも知らなかったが、いるのは間違いないのだろう。

 そして魔族が出現していないのに残っている理由……。




「これから魔族が現れるってことかしら?」




「可能性はあるよね。確か神託みたいなもので出現する場所がわかるって話だったよね」



「だとしたら現れるのを待っているのかも知れませんねっ」




 なるほど。

 フララランが言う現れるのを待っている可能性はあるだろう。

 勇者は魔族の気配を察知する神託のような能力があるらしい。なのでこれからこの街に魔族が襲ってくることも十分考えられる。

 つまり、それに備えて待ち伏せしていると言うことだ。




「まあ、どちらにせよだけど、私たちはこの街に17日間は離れられないのだから、ゆっくり過ごしながらマキラのお師匠さんを探すことになるわね」




「ありがとう。依頼を受けられないからどうやって時間を潰すのかが不安だけど、歩き回って師匠を探すようにしたいよ」




 エリーゼの言葉を受けて僕が礼を言う。

 そして僕たちは互いに顔を見合わせる。いちばん先に口を開いたのは、やはりと言うかフララランだった。




「で、どうしますかっ。まだ朝の早い時間ですっ。せっかくだから街の観光でもしますかっ?」




「そうね。じゃあ、街を一通り見ようかしら」




「そうじゃのう。それが良いじゃろうな」




 そして僕たちは冒険者組合の建物を出た。

 まずは観光客よろしく領主館と大聖堂を見た。と、言っても領主館にはもちろん入れるはずもなく外側からだけ眺めるだけになった。




「さすがに大きいわね」




「そうだね」




 周囲を一周したら20分近くかかりそうなこの領主館は背の高い金属製の柵で囲まれていて正門には衛兵さんが門番をしている。

 そして柵内には2人組で巡回している衛兵さんたちも見えた。

 屋敷は3階建ての横長の大きな屋敷で部屋数は20くらいはあると思える。

 庭園には春の花が咲き乱れる花壇がいくつもあり、きれいに剪定された樹木が等間隔で並んでいた。




「この屋敷の領主様は伯爵様と聞いていますよっ」




「なら、もしかしたらシャルロットお嬢様のお屋敷もこのくらい大きいのかしら?」




 エリーゼの問いに僕たちは頷いた。

 シャルロットお嬢様とは僕たちが先日助けた白猫のシローヌの飼い主だ。

 お嬢様の母親はヨンバーンメの街の領主様で女伯爵様だ。

 だとするとやはりこれくらい大きなお屋敷なのかもしれない。




 次に領主館の近くにあるもうひとつの大きな建造物である大聖堂に僕たちは向かった。

 まだ朝も早い時刻なのに、礼拝に訪れる人々が大勢見えた。

 大聖堂は2つの高い尖塔を持つ巨大な建物で、石造りの壁には見事な幾何学模様の彫刻が施され、聖人たちの逸話を題材にした大きな絵が彫り込まれている。




「中に入る?」




 僕は順番待ちをしている列を指さしながらそう尋ねた。

 するとエリーゼが少し考え顔になる。




「……ちょっと問題になる可能性があるわね」




「我じゃな」




 タマユラがそう答えた。




「そうですねっ。エルフの私は信者じゃないですけど入れることは入れますっ。でもタマユラは入るともしかしたらトラブルになるかも知れませんねっ」




 どういうことだろう?

 僕は意味がわからずエリーゼ、フラララン、タマユラの顔を順番に見る。

 するとエリーゼが答えてくれた。




「タマユラが妖狐だからよ」




「そうなんですっ。タマユラはいわゆる人族じゃありませんからっ」




「そうじゃのう。魔法かなにかで正体を看破されたら厄介じゃのう」




「……ああ、なるほど」




 僕は理解した。

 タマユラは人族でも亜人種である獣人やエルフ、ドワーフなどではない。

 キツネの妖怪である妖狐は分類的には魔物扱い。

 ブルーオーガのミサイアさんが人族の街に入るのに認識阻害の魔法で人族に化けているのと同じ扱いなのだ。

 見た目には狐獣人で通用するタマユラだけど、大聖堂の神官たちがなんらかの鑑定に関する魔法をタマユラに使ったら、タマユラが妖狐だとバレてしまう可能性が高いのだ。



仕方がないので観光なのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「いらぬ神にたたりなし」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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