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096話 謹慎日数の攻防。

【基本一日置きで夜の18時に更新します】

どうぞ、よろしくお願いします。

 

「なら18日だな。それならば可能だ」




「17日っ。これなら受け入れられますっ」




 それからも2人の丁々発止なやり取りが続いた。

 その間、当人である僕とエリーゼはもちろんタマユラも一切口を挟まない。って言うか挟めない。

 フララランとロイドさんの2人で日数調整の攻防がされている。




「……はあ、はあ、はあ。17日半だな。これでいいか?」




「……はあ、はあ、はあ。わかりましたっ。それなら納得ですっ」




 ロイドさんとフララランのやり取りがようやく終わった。

 フララランはエリーゼを見る。するとエリーゼが頷くのが見えた。

 どうやらこれで決着のようだ。僕にももちろん異存はない。

 ……しかし”半”ってなんだ? 一日の半分ってことで昼までってとこか?

 とにかく僕たちはフララランの交渉能力の高さを知るのであった。




「フラララン。お疲れ様。そしてどうもありがとう」




「そうね。さすがはフラララン。お陰様で謹慎が半分くらいに減ったわ」




「いいんですよっ。仲間なんですからっ」




 僕とエリーゼがフララランにお礼を言うと笑って返された。

 しかし改めて思うけど、これに関してはフララランの交渉能力の高さもあるけれど、それでも支部長のロイドさんが聞く耳を持ってくれたのはフララランが国内で数人しかいないSランク冒険者ってのもあったんだろうね。




 そしてツバルさんから依頼された緊急護衛指名依頼の件は保留。

 で、今日から17日半の間、依頼を新規に受けることは禁止。

 と、なるとすることはないので僕たちはとりあえず宿を確保した。

 それは冒険者組合の事務所に張り出されていたもので、4人部屋だった。

 僕は僕以外はすべて女性ということで別室を主張したのだが、お金の無駄遣いと言われてしぶしぶ従うしかなかった。




 宿を確認すると僕たちは街を歩くことにした。

 平らな岩盤の上に広がる街は大きく、徒歩だと何日もかかりそうだ。

 なのでとりあえず街の中心である領主館や大聖堂を眺めてから、繁華街を歩いた。

 そして名物の串焼き料理を食べた。

 濃厚なタレで味付けされた肉串焼きはとても美味で僕たち4人は満足するのであった。




 そして宿の夜。




「ホントに4人部屋にするの?」




「もう決まってことでしょ?」




「そうですっ。別室にするなんてお金がもったいないですっ」




「そうじゃのう。それにこの宿は割と人気なようで空き部屋は残り少なかったようじゃぞ」




 僕は最後の抵抗をしたがエリーゼ、フラララン、タマユラに却下されてしまった。




「別に襲ったりしないわよ」




「そうですねっ。なんならマキラの方から私を襲ってもいいんですよっ」




「そうじゃのう。我も構わんのう」




 そう言って女性3人は笑う。

 これ、確実にからかわれているよね。




 それから僕たちは話し合った。

 それは謹慎中の間、なにをして過ごすかだ。

 僕は忘れていた訳じゃないんだが実は冒険者組合に用事があった。それは師匠の確認だ。師匠はこのサンバーンメの街に来ているとの情報を事前に得ている。

 情報を得てから日数も経っているし、その後の追加情報もあるかもしれない。

 本当は冒険者組合に到着したらすぐに尋ねるつもりだったんだけど、規則違反の件があったので切り出せなかったのだ。




「じゃあ、明日は組合に行きましょう」




「そうですねっ。マキラのお師匠さんのことを調べるのはいいですねっ」




「ふむ。以前に聞いた件じゃのう。だとすると我にも気になることがあるのじゃが」




 なんだろう? 僕はタマユラが口にした内容が気になった。

 なので訊いてみる。




「タマユラ。なにが気になるの?」




「ニバーンメの街でそなたらが会った勇者じゃ。会ってみたいと思っての。もしかしたら勇者たちもこの街に来ているかもしれんしのう」




 なるほど。

 確かに勇者パーティは魔族の出現に対応して各街を巡回しているようなことを言っていた。だどしたらこのサンバーンメの街に来ている可能性もある。




「そうですねっ。じゃあ、明日は冒険者組合でマキラのお師匠さんのことと勇者のことを調べたいですねっ」




 そうして僕たちは夕食を済ませた後、しばらく雑談すると早めに就寝するのであった。




 ■




 そして翌朝。

 まだ早い時間である。宿には事前に頼んでおいた早めの朝食を摂り街に出た。もちろん冒険者組合に向かうためである。

 街にはまだ人通りは少なく、開店準備をする人、その店に納品する人、そして早出の旅人や行商人たちの姿がちらほら見えるだけだった。




 そして到着した冒険者組合。

 中に入ると人が大勢いた。もちろん朝一番に張り出された依頼を受注するための冒険者たちだ。

 怒号が飛び交い奪い合う感じで依頼票が乱暴に掲示板から剥がされていくのが見える。




「なんだかすごいね」




「まあ、どこの組合事務所でも見られるいつもの景色と言えばいつもの景色よね」




 喧騒の中で僕とエリーゼはそんな会話をする。




「じゃあ、私が話をつけて来ちゃいますねっ」




 そう言ったフララランが混んでいる窓口の隅にある空いた窓口に突然に向かったのだ。



謹慎日数が決まったのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「いらぬ神にたたりなし」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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