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095話 冒険者組合の罰則。

【基本一日置きで夜の18時に更新します】

どうぞ、よろしくお願いします。

 

「俺はこのサンバーンメの冒険者組合の支部長であるロイドと言う。で、リリエ。なにか問題が発生したと言うことか?」




 するとリリエさんが頷いて、支部長のロイドさんの前の長机に書類と僕とエリーゼの組合札を置いた。

 それを手に取りロイドさんが目を通す。




「ふむふむ。緊急指名護衛依頼の件か……。依頼は完遂。そして評価も高い。……ん?」




 そこでなにかに気がついたようで書類と共に置かれた僕とエリーゼの札に目をやった。

 もちろん書類にもパーティメンバー全員のランクは記載されているので確認のためなのだろう。




「……なるほど。Dランクだったのか」




「はい。残りの2名はSランクとCランクなので問題ないのですが2名がDランクだったのです」




 するとロイドさんは渋い表情になった。

 何事?

 僕は意味がわからずにエリーゼを見る。するとエリーゼはなにかに気がついたようでハッとした表情になるのであった。




「……そうだったわね。場所が問題なのね」




 真横に座った僕にしか聞こえないような小声でエリーゼが呟いた。

 場所? どういう意味だ?




「なるほど。オークを討伐した場所は問題なのだな。よりによってオツ王国領土内だったとはな」




「ああっ、わかりましたっ!」




 なにかに気がついたようで突然フララランが叫んだ。




「エリーゼとマキラはDランクですっ。なので外国での依頼はまだ受けられないのですっ!」




「……えっ!」




 そこでリリエさんから改めて説明があった。

 Dランクは国内での依頼しか受けられず、外国を跨ぐ依頼はCランクからであると規則に載っていることを。

 つまり僕とエリーゼはオツ王国領土内のあの街道でオークからツバルさんを守るために戦った。それが組合の規則に違反しているのだ。




「そのことから今回の依頼は完了とみなされません」




「つまりどういうことですかっ? 報酬はもらえないのですかっ? 依頼達成のポイントはどうなるんですかっ?」




 フララランはどこまでもフララランだった。

 聞きにくいことをズバズバと尋ねてしまう。




「うーむ。保留だ」




 ロイドさんが腕組みをしてそう返答する。




「リリエ。今件に対しての罰則はどうなっている?」




「はい、支部長。ランクを満たしていない案件を行った場合の罰則は30日の資格停止となっています」




「うむ。ならそれに従ってもらうしかないな」




 難しい顔をしたロイドさんが僕たちにそう告げるのであった。

 そしてリリエさんから罰則に対しての説明が入る。

 資格停止は30日と言うことは今日から30日間新たに依頼は受けられないことになる。

 だが別に牢屋に拘束されるとかはないので街を自由に歩き回ることはできる。

 しかし罰則の意味合いから、なるべくこの街から出ない方が望ましいとのことだ。

 望ましいと言うことは別にこの街を去っても構わないが組合からの心象が悪くなると言う意味のようだ。




「ちょっと待って欲しいのですっ。確かにオーク討伐をしたのはオツ王国内ですっ。ですがあの事態で私とタマユラだけでは襲撃を防げませんでしたっ」




「そうじゃのう。我とフララランだけなら依頼人を守れなかったのう」




 フララランとタマユラが僕とエリーゼを庇って口を開いてくれた。

 するとロイドさんは腕組みをして考え顔になる。




「あなたはSランクのフララランだな。SランクとCランクがいても2人では守れなかったのか?」




「そうですっ。私たちだけじゃ無理ですっ。なのでエリーゼとマキラも戦ったんですっ。すべては依頼人を守るためですっ」




「うーむ。……確かに規則を優先して依頼人を見殺しにするのは本末転倒。もっときつい罰則になる。それを考慮すると……」




「確かにフララランさんが言うように情状酌量の余地はありますね」




 ロイドさんだけでなくリリエさんまでも腕組みで考え顔になった。

 そしてしばらく時間が過ぎた。

 誰もが無言で呼吸の音さえも煩わしいと思えるくらい無音の空間になっていた。

 やがてロイドさんが口を開く。




「俺の権限で罰則を20日に短縮してやろう。これがギリギリの譲歩だ」




 なんと10日間も資格停止の期間が短くなった。

 僕としては規則は規則なのだから、これで良しとすべきだと思った。

 だが約1名ほどそれでは不満なのが混ざっていた。




「長過ぎますよっ。せめて10日にしてくださいっ!」




 フララランだった。

 彼女はとにかくなんにつけても交渉したがる性格なのだ。




「これでギリギリと言っただろう? 支部長だからと言ってなんでもかんでもできる訳じゃないんだぞ」




「なら15日にしてくださいっ。今回の経緯からして半分くらい大目に見てもいいと思いますっ」




「うーむ。……しかしなあ」




 ロイドさんは腕組みをし、目をつむり顎を天井に上げた。

 どうやら色々と考えているようだ。




規則に違反してしまったのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「いらぬ神にたたりなし」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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