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085話 思わぬ再会。

【基本一日置きで夜の18時に更新します】

どうぞ、よろしくお願いします。

 

「助勢します!」




「ありがたい!」




 行商人の感謝の言葉を受けて、先頭のエリーゼがゴブリンの群れに突っ込んで行った。

 そしてするどい一太刀でゴブリンの首を跳ねる。

 ポーンと宙にその首が舞う。




「お助けしますねっ」




 そう言ったフララランは足を止めなにやら口の中で唱えている。

 おそらく魔法を予約しているのだろう。




「転倒、転倒……」




 僕は行商人の近くいる脅威度が高い2匹のゴブリンを転ばせた。

 グギャギャと叫びながら立ち上がれずになんどもゴブリンたちは転倒を繰り返す。




「彷徨え」




 そう発言したのはタマユラだ。

 すると辺り一面いきなり濃霧に包まれた。




「「……グギャギャ?」」




 突然に視界を奪われたゴブリンたちの戸惑いの声が聞こえる。

 とても濃い霧は互いの姿も見えない程に立ち込めているのだ。

 なのでゴブリンたちは一歩も動けずにただ立ち尽くしている。




「お待たせしましたっ」




 どこかからフララランの声が聞こえた。

 するとグギャギャギャとゴブリンたちの叫び声が聞こえる。

 その直後、霧が一瞬で晴れて見回すと生き残りのゴブリン4匹が木の根でグルグル巻きにされていた。

 どうやらタマユラの霧の幻術を見越してフララランが拘束の魔法を行使したようだ。

 仲間になって間もないのに見事な連携だ。




「トドメを刺すわね」




 そう言ったエリーゼが4匹のゴブリンたちの首を次々と掻っ切る。

 辺りには血の匂いが充満した。

 だが騒ぎはこれで収まった。




「お陰で助かりました。感謝します」




 そう言って行商人の男性がお礼を言う。

 そしてその顔を見て、僕はあっと思った。




「あっ、ツバルさんじゃないですか!」




 エリーゼが驚いてそう言う。それは僕も同じだ。

 行商人の男性はニバーンメの街からテプ村まで僕とエリーゼが護衛した行商人のツバルさんだったのだ。

 あのときはテプ村の開村祭に合わせてニバーンメの街から高級蒸留酒の樽を運ぶ護衛を依頼されたのだ。

 そのツバルさんとこの場所で再会したのであった。




「エリーゼさんにマキラさんじゃないですか。いや~、お陰で本当に助かりました」




 聞けば今度はニバーンメの街からサンバーンメの街まで荷運びをしているのだと言う。

 そして今回も荷馬車に積んでいるのは蒸留酒だと言う。

 なんでもニバーンメの街にある小規模の造り酒屋特製のこのお酒は味が良いと口コミで広がっていて、サンバーンメの街から注文があったとのこと。

 そして馴染の行商人であるツバルさんに造り酒屋から依頼があって、こうして運んでいる最中だったと言うのだ。




「本当は護衛の冒険者さんを雇いたかったんですが、ちょうど予定が合うパーティが見つからなかったんです。でもまあ、この街道は治安が良いので大丈夫だろうと思っていたのですが……」




 そこをゴブリンたちに襲われたようだ。

 ゴブリンたちはなんでも食べるのでお酒も狙われることがあるらしい。




「エリーゼさんたちはメンバーが増えたんですね?」




「はいっ。私はエルフのフララランですっ」




「我は……、狐獣人のタマユラじゃ。よろしくのう」




 フララランとタマユラがツバルさんに挨拶をする。

 タマユラはフララランが言う処世術のために狐獣人を名乗っていた。まあ、正体を明らかにする必要はないからね。

 するとツバルさんが服の内側から畳まれた紙を出してきた。

 それは冒険者組合に提出済みの依頼票だった。




「あのー。エリーゼさんたちはサンバーンメの街に向うんですよね。だとしたら、もしよければなのですが、今更ですが護衛を依頼できませんでしょうか……?」




 ツバルさんがそう告げたのであった。

 僕とエリーゼ、フラララン、タマユラは互いに顔を見合わせる。

 その顔には迷いはない。




「構いません。私たち『ひとつの足跡』でよろしければ、護衛の依頼を受けますよ」




「ありがたい。……緊急依頼なので割増にはいたしますが、見ての通り私は小規模の行商人ですので多額の依頼料は難しいのですが……」




「ちなみにいくらですかっ?」




 まったくフララランは遠慮がない。

 ケロッとした顔でズバリ尋ねにくいことを訊いている。




「すみません。……お一人当たり銀貨3枚ってところでどうでしょうか……?」




 と、言うことは全員で合計銀貨12枚の報酬か。高くはないけど安過ぎることもなさそうだ。

 するとエリーゼが僕を見、フララランを見、タマユラを見る。

 そして口を開くのであった。




「構いません。元々私たちもサンバーンメに向う途中でした。手ぶらの旅だったので護衛料金をいただけるのなら、こちらにとってもありがたい話です」




 話は決まった。

 こうして僕たち4人はツバルさんの護衛をすることになった。

 ツバルさんは元々徒歩だし、荷馬車には樽が2つ載せているだけで満杯なので僕たちも当然歩きだが、これもなにも問題ない。

 なので、僕たちはサンバーンメの街に向かって歩みを再開するのであった。




「それにしてもそのお酒はおいしかったわね」




 テプ村の開村祭で振る舞われたこの蒸留酒を飲んだことのあるエリーゼは味を思い出したのか、口元が緩んでいる。

 まあ、その結果、飲みすぎてベロンベロンになってしまったのはフララランとタマユラには内緒にしておこう。


再会にびっくりなのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「いらぬ神にたたりなし」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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