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080話 幻獣との戦い。

【基本一日置きで夜の18時に更新します】

どうぞ、よろしくお願いします。


 

「「「「「キシャーッ」」」」」




 キツネたちは一斉に鳴き声を上げると僕たちの方へ跳躍して来た。




「マキラ! お願い!」




「わかった!」




 見ると最初に跳躍した一匹は先頭に立つエリーゼにすでに届いていた。

 エリーゼは短剣で脇差しを押し留めて、鍔迫り合いのようになっている。




「転倒、転倒、転倒、転倒、転倒……」




 僕は目に付く跳躍中のキツネたちの数だけ転倒魔法を捉えた。

 空中に魔法陣が浮かび上がり、跳躍中のキツネたちが空中で転倒して落下する。




「転倒、転倒、転倒、転倒、転倒……」




 そして地面に落ちたキツネたちの数の分だけ僕は再度転倒魔法を発動させる。

 再び浮かび上がる魔法陣。

 それに捉えれたキツネたちはその場で転倒を繰り返す。

 立ち上がろうとするそばから背中からひっくり返るを繰り返している。




「シッ!」




 見るとエリーゼがキツネを一匹仕留めた。

 先ほど鍔迫り合いをしていた個体だ。素早く間合いを取って喉を掻き切ったのだ。

 だがそこに死骸は残らない。

 砂粒が風に流されるように輪郭を失い消滅して行くのだ。




「ああっ。キツネが全部消えますよっ」




 フララランの叫びで僕は転倒していたキツネたちを見る。

 するとエリーゼが倒したキツネ同様に輪郭を失い消滅したのだ。

 だが妖狐の攻撃はそれで終わりではなかった。

 先ほど同様に怪しげに指を動かすとさっきの倍ほどのキツネたちが地面から浮かび上がって来たのだ。

 その数はもう30匹くらいに思える。もちろん口には抜き身の脇差しを咥えている。




「あれは幻獣ね」




「ゲンジュウ?」




「実体のない使役獣ですっ。幻のようなものですっ。でも武器を持っているのはホントなので気を付けてくださいっ」




 フララランがそう説明してくれる。

 なるほど。

 これは妖狐が生み出した戦う幻の戦力か。

 実体がないからいくらでも生み出せるのだろうから実に厄介だな。




 そうこう思っていたらキツネの群れは一斉に駆け出してきた。

 僕の転倒魔法を警戒したのか、魔法陣に捕まらないようにジグザグに駆け寄ってくる。




「転倒、転倒、転倒、転倒、転倒……」




 僕も魔法は何匹かのキツネを捕らえた。魔法陣に捕まったキツネはその場で転倒してしまい脱落となる。

 だが、ジグザグ走法で避けた数匹がこちらに迫ってくる。




「転倒、転倒、転倒、転倒、転倒……」




 更に何匹かのキツネを魔法で捉える。

 だけど魔法陣をすり抜けた1匹が僕たちの眼前に迫った。

 ……ま、まずい。

 僕は思わず恐怖から背を向けそうになる。




「シッ!」




 ガキンと音がした。

 見るとキツネの突進をエリーゼが止めていた。

 そして脇差しを弾いた勢いを利用して身体を反転させたエリーゼがくるりと回転をつけてキツネの首を掻き切った。

 ポーンとキツネの首が空中に舞う。

 そして輪郭を失い空中の首も地面に残った胴体も輪郭を失い消滅した。




「残りのキツネたちも消えたわね」




 エリーゼに言われて見ると僕の転倒魔法で捕らえたキツネたちも輪郭を失って消滅し始めているのがわかった。




「でもこのままじゃ……」




「そうだね。僕たちは不利だ」




 そうなのだ。

 妖狐が幻獣を何匹出せるかわからないのだ。

 このまま出現する数をどんどん増やされると僕たちはいずれ被害に遭う。

 あの脇差しでグサリと刺される可能性が高まるのだ。




 そんなときだった。




「お待たせしましたっ。これで大丈夫ですっ」




 突然フララランが宣言した。

 その意味がわからず僕とエリーゼは互いに顔を見合わせてしまう。

 そしてその直後だった。今まで辺り一帯がまるで見通せない濃霧に包まれていたはずなのに、急に強い風が吹き霧がサアッと晴れ渡ったのだ。

 自らも霧の魔法を行使できるフララランに取って、霧をどうこうするのは得意なのだろう。

 突然に戻る視界。

 大木にグルグル巻きにされている獣人の少女たち。そして9本の尻尾を持つ妖狐。




「お待たせしましたっ。霧を消す予約魔法を発動させましたっ」




 フララランがそう説明したのだ。

 なるほど今までフララランが戦闘に参加していなかったのは魔法を予約させていたからだったようだ。

 そして今、数分前に予約した魔法が発動されて霧が一切消えたのだろう。




 見ると妖狐は微動だにしなかった。

 いや、もしかしたら動きようがないのかも知れない。

 あの霧が去ってしまって幻獣を生み出せなくなってしまっている感じなのだ。




「どうやら霧の中でしか幻獣は出せないようね」




 エリーゼが僕の予測と同じ意見を述べている。




「そうですねっ。妖狐は幻術使いなのかも知れません。なので霧がその発動条件として必須の可能性がありますねっ」




 どうやらフララランの判断は正しかったようだ。

 見ても未だに妖狐は一切の行動をしていない。

 そしてなにか考えているのか首を少し傾げている。


霧の中での戦いなのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「いらぬ神にたたりなし」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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