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078話 討伐の依頼。

【基本一日置きで夜の18時に更新します】

どうぞ、よろしくお願いします。

 

 エリーゼとフララランはフォークとナイフを使って食事をする。

 そして僕だが、フォークとナイフ以外に箸が用意されているのを見つけた。

 和食をフォークで食べるのもダメではないけれど、僕は箸を選択した。

 箸の方が和食は食べやすいしね。




「……マキラが使っているのはなに?」




 僕を見てエリーゼがそう尋ねてくる。

 不思議なものを見る目だ。




「箸だよ。和食にはこっちの方が使いやすいからね」




「ハシですかっ? 初めて見ましたっ」




 どうやらエリーゼもフララランも箸を知らないようだ。

 ……と、言うか、僕も考えてみれば箸を使ったことはないはずだ。

 だけどもう長年使い慣れたかのように箸を器用に使っていた。




「……これも、なぜかわからないけど使えるんだ」




 するとエリーゼとフララランが見つめ合う。




「やっぱりこれもマキラの謎なのね」




「そうですねっ。これもワフウってやつなのでしょうかっ」




 そういうやり取りもあったが、食事はとても美味しいので食はどんどん進む。

 そしてお酒も振る舞われた。

 僕は辞退したけどエリーゼとフララランは美味しそうに飲んでいた。

 お猪口で出されたお酒は色といい匂いといい日本酒のようだ。




「これ、美味しいわ」




「そうですねっ。すっきりとした味わいで果実のような香りもしますっ。不思議なお酒ですっ」




 こうして予期せぬ宴を僕たちは楽しんでいた。

 その間、タマユラは他愛のない会話にときどき参加するだけで基本的には話をほとんどしない。

 そんなときだった。




「……時にじゃが、そなたらに頼みたいことがあるのじゃ」




 突然、改まった口調でタマユラが口を開く。

 それを見て、僕もエリーゼもフララランも居住まいを正す。

 そこになにか真剣な様子が伺えたからだ。




「この集落にはそなたらの様に、ときどき迷い込む者たちがおる」




 そう言ってタマユラは僕たちの顔を順に見る。




「そうね。確か先日も冒険者パーティが迷い込んだはずね」




「そうですねっ。その冒険者たちからここの集落のことを聞きましたっ」




 エリーゼとフララランの返事に満足するようにタマユラは頷く。




「そうじゃ。そして迷い込むのはなにも冒険者ばかりじゃないのじゃ。ときには追われて逃げて来た者たちも迷い込むのじゃ」




「追われて来た?」




 僕は思わず尋ねた。

 なにか尋常じゃない感じがしたからだ。

 強いて言えば悪い予感ってやつだ。




「……獣人の女の子たちじゃ。攫われたところから逃げてきたらしいのう」




 思わず僕とエリーゼとフララランは互いに顔を見回す。

 狼獣人の里でのサイラとミーラの件を思い出したのだ。

 そしてそれだけじゃない。

 それ以外にも獣人の女の子が違法奴隷として攫われているらしい話を聞いたばかりだ。

 やはり獣人少女の誘拐は事実らしい。




「ところがじゃ。……その逃げて来た少女たちじゃが、ここから攫われてしまったのじゃ」




 タマユラが苦しげな口調でそう告げた。




「追手にまた攫われたのですか?」




「そうじゃない。ある者の生贄としてこの集落から攫われてしまったのじゃ」




「追手とは違う者に攫われたんですかっ?」




「うむ。……攫ったのは妖狐。長い時を生き続けているキツネの化け物じゃ」




 僕とエリーゼ、フララランはお互いに顔を見回した。




「キツネの化け物。……そんな魔物がいるのかな?」




「私は聞いたことないわ」




「私もありませんねっ。長く生きてきましたが初めて聞く魔物ですっ」




 タマユラは説明してくれた。

 妖狐は知恵があり、魔術を得意とする化け物で尻尾が9本もあるらしい。

 かなりの強敵なので並の冒険者では太刀打ちできないそうだ。




「……我の見立てでは、お主たちには実力がある。なのでその妖狐を退治して獣人の少女たちを取り返して欲しいのじゃ」




 重い雰囲気が場を支配した。

 オークやゴブリンと言った魔物ならわかる。

 少女たちは攫われる対象だ。だけどそれらなら僕たちはすでに戦ったことがある。なので対応方法もわかるのだ。

 だが、妖狐。

 相手は聞いたこともない化け物だ。その実力も戦い方もまったく不明なのだ。

 少女たちは助けてあげたい。だけど不安要素が大きいのだ。




「私はリーダーにお任せしますよっ。ずばり決断しちゃってくださいねっ」




 場の重い空気が変わった。

 いつものフララランだ。

 彼女はこういう場面の切り替え方が上手だ。そのお陰で僕たちの緊張感がほぐれた。




「そうね。じゃあ退治しましょ。マキラもそれでいいかしら?」




「いいよ。じゃあ3人で倒して来ようか」




 僕とエリーゼ、フララランは頷いた。

 それを見てタマユラも満足そうにしているのだった。



キツネの化け物退治の依頼なのです。(`・ω・´)∩


 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「いらぬ神にたたりなし」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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