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073話 誘拐団の捕縛。

【基本一日置きで夜の18時に更新します】

どうぞ、よろしくお願いします。

 

「マキラ、あなたはヤツらを転倒させて。私は檻の鍵を開けてサイラとミーラを助けるわ」




 そう言ってエリーゼが森から飛び出した。

 もちろん短剣を抜いての臨戦態勢だ。




「ラルゴ! サイラとミーラは返してもらうわ!」




 するとラルゴが目をむいているのが見えた。

 ここでエリーゼの姿を見るなんて予想だにしていなかったのだろう。




「エリーゼ、マキラ……。お前たちが追手か」




「そうです。よくも騙してくれましたね。大人しく捕縛されてください」




 僕もエリーゼに続いて森の中から飛び出した。




「転倒、転倒、転倒、転倒、転倒、転倒」




 ――ツルリン、ツルリン、ツルリン、ツルリン、ツルリン、ツルリン。




「うおっ……」

「な、なんだっ」

「く、くう……」

「た、立てねえっ」

「「くそー」」




 ラルゴたちの足元に魔法陣が浮かび上がり、そして一斉に転倒した。




「おい、誰か。捕まえた小娘たちを人質にしろ!」




 ラルゴがそう叫ぶが無理だった。

 すでに僕の転倒魔法が6人全員を転倒させていたからだった。

 そしてエリーゼが馬車の荷台に到着し、魔法収納袋から鉄製のギザギザに曲がった針金のように細長い棒を2本取り出した。

 エリーゼは斥候職で罠解除も得意とする。なのでこんな檻の鍵など解錠させるのになにも問題ない。




「開けたわ。サイラとミーラを助け出すわね」




 そう言ってエリーゼは檻の中に入り、ぐったりしている二人の少女を助け出すのであった。

 そんなときだった。




「「「「「「な、なんだっ……」」」」」」




 転倒して動けないラルゴたちから動揺した声が聞こえてきた。

 見ると魔法使いのラシン同様に木の根で体中をグルグル巻きにされているのが見えた。




「これで安心ですっ。もう転倒魔法を解除しても大丈夫ですよ」




 どうやらフララランは敵たちが転倒魔法にかかったのを見てから、木の根で拘束する予約魔法を放っていたようだった。




 ■




 それからがちょっと大変だった。

 サイラとミーラを狼獣人の里まで連れ帰るのが第一なんだけど、2人とも魔法が抜けきっていないようで意識は取り戻したのだが、足取りがふらふらしているのだ。

 まあ、僕たち『ひとつの足跡』の全員で背負って里まで送れば大丈夫なんだけど、そうすると拘束したラルゴたちの見張りがいなくなる。

 ラルゴたちをグルグル巻き状態のまま馬車の檻に入れておくのも検討したんだけど、万が一新たな仲間が現れて助けられて逃げられたら意味がない。




「ではこうしましょうっ。二手に分かれるんですっ。私は御者ができますので馬車をテプ村の冒険者組合出張所まで届けますっ。もちろん犯人たちは檻に入れたままですっ」




「できるの? なら私とマキラでサイラとミーラを里まで届けるわ」




 そういうことでフララランは馬車をテプ村まで、僕とエリーゼはサイラとミーラを背負って狼獣人の里まで届けることになった。

 幸い、ヤツらから回収した背負子があるので背負うのに苦労はしない。




 それから長い時間をかけて僕とエリーゼは里の到着した。

 日はもう傾いていてまもなく暮れる頃だった。

 途中で休憩を取り、サイラとミーラの体調を確認しながらなので時間がかかってしまったのだ。




 里は大騒ぎになった。

 門番の男性がすぐに里長に連絡してくれたので、村の主だった連中やサイラとミーラの両親もすぐに駆けつけたからだ。




「ありがとうございます」




 2人の少女の親たちは涙目で僕とエリーゼの手を握ってお礼をしてくれた。

 その感謝ぶりは僕の方こそ畏まってしまうくらいだった。




 そして里長の屋敷。

 すっかり意識を取り戻したサイラとミーラから事件の様子が語られた。

 これは誘拐をしらせてくれた少年のウリンから聞かされた内容と同じで、やはり木の実採集をしているときにいきなり攫われたらしい。

 そして気になることも教えてくれた。

 この里以外の獣人の里でも少女たちが違法に誘拐されているらしい。

 ラルゴたちはもうすでに何件もこの犯罪を繰り返してきたらしいのだ。




「嫌な話ね」




「やっぱりサンバーンメの街にあると言う違法奴隷商人に売られたのかな」




 解散後、2人になったときに僕とエリーゼが会話した。

 サイラとミーラは幸いにも未遂で救助することができた。

 だけど、もうすでに何人もの獣人族の少女たちが攫われたらしいのだ。

 気分がいいはずがない。




 ■




「戻りましたですっ。馬車と犯罪者たちは無事にテプ村の冒険者組合出張所に引き渡して来ましたっ。犯罪奴隷の代金として7人分のお金はもらいましたが、この里の里人救出依頼の報酬をもらうには依頼票にサインがいるので依頼票を預かってきましたよっ」




 翌日、元気いっぱいに里に戻って来たのはフララランだ。

 そして里長にサイラとミーラ救出依頼の書類を提出する。それは組合が発行したもので依頼主の完遂の承認を貰えることで初めて依頼達成となる。

 そしてエリーゼの伯父さんでもある里長さんは評価Aのサインをしてくれるのであった。

 あとはこの依頼票をテプ村でも支部所があるような大きな街でもいいからどこかの組合事務所に提出すれば依頼完了で報酬をもらえる。




「ラルゴやラシンたちは初犯ではなかったようですねっ。すでに冒険者組合の方でも調査をしていて犯人の候補に上がっていたそうですっ。今までいくつもの獣人の里で少女誘拐を繰り返していたみたいですっ」




「やっぱりね」




 フララランの言葉にエリーゼが納得する。

 これはサイラとミーラが証言していた内容と一致する。どうやら違法奴隷商人と獣人少女誘拐団は実在で間違いないようだ。

 きっとラルゴたち以外にも誘拐団はいると思える。




「なんとかしたいけど……」




「そうね。でも私たちだけの力では無理だわ」




 僕は希望を口にする。

 だけどエリーゼが現実を答えにする。

 確かにエリーゼの言う通りだ。違法奴隷商人や誘拐団の居場所もわからないし、相手の戦力もわからないのだ。

 いくら僕たち『ひとつの足跡』にSランク冒険者であるフララランが加わったにしても現実的な話じゃない。



少女たちを救出したのです。(`・ω・´)∩


 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「いらぬ神にたたりなし」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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