059話 飲み過ぎの結果。
ストックがなくなりました。
そのため【基本一日置きで夜の18時に更新します】
よろしくお願いします。
それからも宴は続いた。
日はすでに傾き始めているんだけど終わりが見えない。
飲めや歌えの大騒ぎで村中の人々が浮かれている。
普段は慎ましい暮らしをしている農家さん達ばかりだから、こういったハレの日は思いっきり羽目を外すのが習わしらしい。
そして困ったことにエリーゼも大騒ぎしていた。
踊りだすとかはしなかったんだけど、思いっきりお酒を飲んでいた。
すでに呂律が回らなくなり始めている。
「ムァキィラァ……」
目が充血してトロンとしている。
こりゃダメだ。
僕は村長さんとツバルさんに辞去して、宿までエリーゼをおんぶして行く羽目になった。……まったく。
そして部屋に入り、ベッドにエリーゼを横たえた。
「……さて、もう少し祭を楽しむかな」
そう思った僕は立ち上がった。まだ料理を食べたいしね。
だがその僕の腕をエリーゼが掴んだ。
「やぁよ。行かないでぇぇ~」
酔ったエリーゼの力はすごかった。
僕はベッドに引き倒されてしまう。
「……ちょ、ちょっと、エリーゼ。離してったら」
僕は力を込めてエリーゼの手首を掴む。
だがエリーゼは逆に掴んでいる僕の腕を更に力を込めて握る。
「い、痛いよっ」
この細腕のどこにそんな怪力があるのかわからないけど、僕は悲鳴を上げる。
だがエリーゼは今度は空いている方の手を僕の背に回してきた。
「ふぅん。寝よ。いっしょに寝よ」
抱きつかれてしまった。
今、僕は正面からエリーゼに抱きつかれている。
なので僕の胸にはエリーゼのたわわが押し付けられていた。
とても温かい。とてもとても柔らかい。
そして目の前には焦点が合わない酔眼で僕をぼんやり見つめる整った顔があった。
「……脱ぐ」
突然、そう宣言したエリーゼはポイポイと上着とスカートを床に投げた。
なので今はさらしとショーツ姿である。
……う、ぐぐぐ。
ダメだ。強烈過ぎる。
僕は理性を抑えるのが精一杯。だけど視線はやっぱりエリーゼを見てしまう。
するとエリーゼはそこまでで終わらなかった。
さらしに手をかけるとするすると解いてしまい、ショーツもさっさと脱いでしまったのだ。
「……っ!!」
僕は固まってしまった。
今、僕の目の前には全裸のケモミミ美少女が立っている。
そしてその少女は焦点が合わない視線のままニッコリと微笑むのだった。
「ねえ、寝ましょ」
気がつくと僕はベッドに押し倒されていた。
そこで我に返ったんだけど、思いの外怪力であるエリーゼを跳ね除けることができない。……ま、まずい。
そのときだった。
僕にがっちりと抱きついていたエリーゼからすーすーとした寝息が聞こえてきたのだ。
「……寝るか」
時間的に寝るには早かったけどエリーゼはもうこんな状態だし、ひとりで起きていても仕方ないので僕が毛布を手繰り寄せエリーゼの裸が見えないようにして、やがてそっとエリーゼを引き離すと眠りにつくのだった。
こっそりエリーゼの毛布を捲る? もちろんやらないよ。
■
翌朝。
寝た時間が早かったので夜明けとほぼ同時に目が覚めた。
そして窓の方を見る。
するとそこにはベッドの上で服をきちんと着てこちらを向いて正座しているエリーゼがいた。
窓からの陽の光で逆光になっていて陰になっているのでその詳しい表情はうかがえないけど、両耳がペタンと垂れていて俯いていることで元気がないことだけはわかる。
「……エリーゼ?」
「……」
エリーゼは無言だった。
だけどしばらく待っていると俯いたままで口を開いた。
「……マ、マキラ。ごめんなさい」
もちろん昨夜のことだろう。
そしてエリーゼは泥酔していても記憶はしっかり残っていると言っていた。
なので昨日の夜のベッドの上の件も憶えているんだろう。
「え、……い、いいよ。お酒飲み過ぎちゃったんでしょ?」
反省しているエリーゼがどうにも気の毒に思えてしまう僕は強くなにかを言えない。
だがエリーゼは違った。
いや、反省はしているんだけど、それ以上に覚悟してしまっているのがやがてわかってしまうのだ。
「……わ、私、もうお嫁に行けない……」
……な、なんだ?
「へ?」
「だ、だから……。マキラ。私をもらってくれないかしら……」
「へ?」
「またよ。またマキラに肌を見せちゃった……。もう私をもらってくれる人なんていない。だから、お願いよ」
「え、ええっ~……!」
突然の展開なのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「いらぬ神にたたりなし」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。




