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057話 行商の護衛依頼。

【毎日夜の18時に更新します】

よろしくお願いします。



 

 遠くにさっきスイーツの店から見えた小舟が見えた。

 あれには若い男女が恋人同士のように感じられた。

 僕は目の前の美少女を見る。

 僕たちも同じように見られているんだろうか……。




「ねえ、マキラ?」




 エリーゼはそう尋ねると突然、顔を引き締める。

 僕はオールを持つ手を止めた。




「……これから、どうする?」




「依頼のこと?」




「ええ。魔族の巡回の依頼は終了したし、めぼしい依頼もないわ。私たちは一応上のランクを目指している……」




「そうだね。早くCランクになった方がいいね。そうすれば国外の依頼も受けられるし。……もしかしたら師匠は外国に向かった可能性もあるしね」




 そうなのだ。

 DランクとCランクの一番の違いは国内限定か国外も可能かの違いだ。

 国をまたぐ依頼の場合はDランクじゃ受けられないってことだね。

 例えば外国まで行く商隊の護衛とか。

 それにだ。

 エリーゼは勇者パーティに参加したがっていた。

 敵討ちと言うのが目的ってことだけど、それも含めると早くランクは上げてあげたいし。それにランクが上がるってことは当然、実力も上がるってことだしね。

 勇者スザクの特Sランクってのが規格外ってのはわかるけど、せめて少しでもエリーゼのランクは上げてあげたいし僕自身も上げたい。




「なら、別の街に行ってみるのはどう?」




「別の街か。……イチバーンメの街に戻ってみるってことだよね?」




「ええ。その方法もあるわ。でもサンバーンメの街を目指す方法もあるわよ」




「サンバーンメ?」




 初めて聞く名前だった。

 まあ、僕はずっと山奥で暮らしていた世間知らずだから知らない街の方が多いんだけどね。




「サンバーンメはこのニバーンメの街から北東にある街よ」




「それもいいかもね。行ったことないから楽しみだし」




 小舟の上での話し合いは終わった。

 結論、僕たちはサンバーンメを目指すことにしたのだ。

 そして僕たちはその日は宿に戻り翌朝に冒険者組合の事務所に行くことにした。

 ただサンバーンメの街に向かって歩くのではなく、サンバーンメの街を目指す商隊の護衛の仕事があればちょうどいいからだ。




「これ、どうかしら?」




 エリーゼが掲示板に貼られていた一枚の依頼票を指さした。

 見るとそれは行商人の護衛依頼だった。

 地図を見るとこのニバーンメの街から1日で行ける大きめな村が目的地だった。

 朝早く出れば日暮れ前に到着できるようだ。

 そして依頼は片道のみ。ちなみにサンバーンメの街への途中に位置する。




「途中までだけど方角はいいし、いいんじゃない?」




「そうね。じゃあこれを受注するわ」




 僕たちは依頼票を掲示板から剥がし冒険者組合の受付へと持って行くのであった。




「あ、そうだ。……魔法使いのアルって、まだこの街にいますか?」




 依頼受注のついでではあるけど僕は師匠の情報を尋ねた。

 すると受付嬢さんは書類を調べて結果を教えてくれた。




「今はもういません。サンバーンメの街に行く予定と報告が入っています」




 なるほど。師匠はもうこの街にはいない。

 だったらなおさらこの街に居残る必要はない。しかもサンバーンメの街に向かったのなら都合がいい。




「じゃあ、依頼の後はサンバーンメに行ってみるのに決まりね」




「そうだね」




 そしてその日は冒険に必要な保存食とか薬草などを調達して過ごすのだった。




 そして翌朝。

 まだ日が昇り切る前の早い時間。

 冒険者組合の建物の前に僕とエリーゼは到着した。

 するとそこに1頭立ての小さな荷馬車を引いた男性が立っていた。

 それが今回の依頼人である行商人のツバルさんだ。

 ツバルさんの小さな荷馬車には大き目の樽がひとつだけの乗っていた。




「依頼を受けてくれた『ひとつの足跡』のお二人ですね?」




「はい。今回はお世話になります」




 互いに名乗りと挨拶を済ませ、僕たち3人はすぐに街の門を出た。

 そして北へと向かう街道へと進む。

 荷馬車は小さいので3人とも徒歩でだ。




「……これはお酒なんですよ」




 僕が気になってじっと樽を見ていたからだろう、ツバルさんがそう答えてくれた。




「お酒だったんですか。でも酒樽ひとつに護衛2名も付けて大丈夫なんですか?」




 エリーゼがそう尋ねる。

 そう、それは僕も思った。

 荷馬車には酒樽ひとつだけなのだ。これで依頼料金が銀貨6枚。果たして利益は出るんだろうか。




「ええ、問題ありません。これは高級な蒸留酒なんです。目的地の村からわざわざ注文を受けた品なのですよ」




 なるほど。

 高額なお酒ならたった一樽でも護衛がいるのが理解できた。

 きっと村では人々が心待ちにしているんだろう。



お酒運搬の護衛なのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「いらぬ神にたたりなし」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。



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