表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/304

052話 魔族によるテロ犯罪。

【毎日夜の18時に更新します】

よろしくお願いします。




 

 ――調べたいことがあるので冒険者組合に行ってきます。――




 たった一行。それだけだった。

 僕は……。嫌な体験を思い出す。

 あの日、師匠は書き置きひとつ残して僕の元を去った。

 それを思い浮かべたのだ。

 ……もしかして、エリーゼはもう……。




 いや、そんなことはない。

 冒険者組合に行くって書いてあるだけじゃないか。

 きっと待っていれば、たぶん帰って来てくれるはず。




 僕はとりあえず椅子に座った。

 だが、気持ちはちっとも落ち着かず。そわそわしてしまう。

 やっぱり僕も冒険者組合に行こうかな?

 そうすれば早くエリーゼに会えるはずだし。

 そう思った僕は立ち上がると身支度を整える。

 三角帽子を被り、ローブを羽織り、杖を手にする。




 よしっ。




 そう思って部屋の扉に向かった。

 そのときだった。

 扉がガチャリと開いたのだ。




「あら? お出かけするの?」




 そこに立っていたのはエリーゼだった。

 いつもの皮の胸当てと腰に短剣の冒険者スタイルだ。




「……あ、そういう訳では。エ、エリーゼを迎えに行こうと思ってたんだ」




 僕は少々慌てた。

 まさか置いてけぼりにされるかもと思って急いで冒険者組合に向かおうとしたことがバレたら恥ずかしいからだ。




「そう。なら入れ違いにならなくてよかったわ」




 そう言ってエリーゼは部屋に入ってくる。

 そして短剣を外し、壁に立てかけると立ったままの僕に椅子に座るように促してくる。




「収穫があったわ。いろいろ調べて来たのよ」




「なにを調べていたの?」




「主に魔族のこと」




 そう言ってエリーゼは僕の正面に腰を下ろす。




「後は勇者パーティのことね」




 どうやらエリーゼは昨日の一件について冒険者組合でしっかり調べてきたようだった。




「……話をまとめるとだけど、最近いろんな街で魔族によるテロが多発しているらしいの」




「テロ……?」




「ええ。昨日の事件と同じよ。人間に化けて街に侵入して人混みの中で魔族の姿に戻って暴れまくる。そのためあちこちで死者負傷者が多数出ているらしいわ」




 なんてことだ。

 昨日の魔族は少女に化けていた。あれと同じでいろんな街で似たような事件が起きていると言うのがわかった。

 事の重大さに僕は気を引き締めて頷いた。




「そしてそれを退治して周っているのが勇者スザクとそのパーティよ」




「勇者パーティはあちこちの街を周っているのか……」




「ええ。なんでも勇者には魔族の動向がわかる能力があって、それに従っていろんな街を飛び回っているらしいわ」




「能力? ……神託みたいなものかな?」




「詳しくはわからなかったわ。でもそんな感じだと私も思う。勇者には次の襲撃の街がわかって移動を繰り返しているらしいのよ」




 勇者パーティの役割がわかった。

 彼らはその強力な戦闘力で通常の衛兵や冒険者たちでは敵わない魔族を狩っていたのだ。通常の冒険者は魔物を依頼を受けて討伐する。

 だが勇者たちは冒険者たちでは手が出せない魔族だけを討伐していたのだろう。




 そして僕は世間知らずなことから基礎情報が足りない。

 なのでエリーゼから魔族について教えてもらうのであった。




「魔族は人族や亜人族と比べて人口がはるかに少ないわ。そのため人間のように国を作って多数の軍隊を用意して戦いをしかけることはないのよ。そして数は少ないけど個々の戦闘力は極めて強力なの。だから……」




 ……なるほど。だからテロをしかけるのか。




「かつて魔族に滅ぼされた国々はいくつもあるわ。私の生まれ育った里も襲われたことがあるのは話したわよね?」




 それは勇者スザクに話した内容。

 確か父親と里の人たちが犠牲になった話だ。

 それで魔族を討つために勇者パーティに入りたいと考えていたと言っていたのを思い出す……。




「魔族相手にはね、交渉とかは無意味なの。聞く耳なんてないし打ち解けることもない。とにかく魔族は攻撃的で容赦を知らないのよ」




 話を聞く限り完全に人間の敵。

 先日の街でのテロも10人以上の人たちが犠牲になったと冒険者組合の支部長さんが言っていた。

 勇者パーティがあの時点で到達できなかったら、犠牲者はもっともっと増えていた。

 僕たちだけじゃなくライナスさんたちAランクパーティでも倒せなかったのだから……。

 とにかく人間を殺したいのが魔族ってことになるよね……。




 魔族が各地でテロを起こしているのがわかった。

 そして勇者パーティがそれを沈める役目をしていることも判明したのであった。

 こうしてエリーゼが早起きして冒険者組合に調べに行った内容を僕は理解したのである。



 ■




「なにかいい案件はあったの?」




 それからしばらくしたときだった。

 僕たちは宿で朝食を済ませ、街へ出たときである。




「なかったわ。……と、言うか私が行った早朝にはまだ新規の依頼が貼り出されていなかったのよ」




 エリーゼが冒険者組合に行った時間にはまだ新しく入った依頼はなかったようだ。

 なので話し合った結果、今からもう一度冒険者組合に行ってみようと言うことになった。時間的にもう新規依頼が貼り出されている可能性があるからね。




魔族による無差別テロだったのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「いらぬ神にたたりなし」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ