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048話 勇者スザク。

【毎日夜の18時に更新します】

よろしくお願いします。




 

「……では、人間の少女が魔族になった。つまり魔族が化けていたのだな?」




「……おそらくは。ただことの発端から見ていた訳ではないので、その辺りは推測ですが……」




 支部長の問いに代表して答えたのはもちろんライナスさんだ。




「一般人の死者は10名を超える。そしてAランクパーティでも足止めすら難しい、か……」




 支部長さんの説明は続いた。

 繁華街の真ん中での事件なので死者のすべてが民間人であったらしい。




「我々の攻撃は一切通じませんでした。あれはやっかいです」




「……それは無理もない」




 ライナスさんの言葉に支部長さんが苦々しい顔で答えた。




「……魔族にはふつうの攻撃は効かない。強力な魔法か、聖剣や魔剣と言った魔法が付与された武器や魔導具でないとダメージは与えられんのだ」




 ……なるほど。

 だからライナスさんやエリーゼの攻撃は効かないし、僕やリサさんの魔法も効果がなかったのだ。




「あの、ちょっとお尋ねしたいのですが……」




 エリーゼがおずおずと手を上げた。耳がピンと立っている。たぶん緊張しているんだろう。

 それを見て支部長さんが頷いた。質問を受けるという仕草だろうね。

 僕はエリーゼを見直した。

 支部長さんやライナスさんを始めとしたAランクパーティ『黒の鋼団』のとした一流の面々を相手にして話しかける勇気にだ。




「……空から来た強力な火魔法と光る剣を持った剣士の攻撃はなんなんでしょうか? 魔族が抵抗できずに逃走したのですが……」




 それは僕も思っていた。

 僕たちの攻撃をやすやすと跳ね返す魔族に確実に有効打を与えた一撃たちだ。

 とんでもない魔力が費やされたのは容易に想像できる。




「……今、このニバーンメの街に勇者パーティがいる。いや、魔族の襲来を見越してわざわざ来てくれたのだ」




「ゆ、勇者だと? あれが勇者スザクなのか……」




 ライナスさんが呻いた。

 あの光る剣を持った剣士が勇者なのだろうか。

 僕は勇者については本でしかしらない。それは昔話の中に登場する人物で魔族の王である魔王を討伐した英雄だ。

 そして勇者には仲間がいる。

 戦士や魔法使い、僧侶などのいわゆるパーティメンバーだ。

 それがこの街にいる。勇者は実在する。

 そしてあの魔族を叩きのめしたのが勇者パーティなんだろうか……。あの炎の槍の魔法も。




 そのときだった。




「ああ。俺が勇者のスザクだ」




 その声と同時に扉が開かれて一人の男が立っていた。

 腰に剣を刷き白銀の鎧を身に着けた背の高い黒髪。

 あの、魔族の首を刎ねた男だった。




「戻ったのか?」




 支部長さんがスザクさんと名乗った男、つまり勇者に尋ねた。

 するとスザクさんは頷きながら支部長さんの隣に腰掛けた。




「ああ。魔族は確実に倒した。心臓を貫いたのでもう再生は不可能だ」




 そうらしい。

 どうやら首を刎ねても平気な魔族でも心臓は急所のようだ。




「他のパーティメンバーはどうした?」




「街の見回りをしている。おそらく気配はなくなったので先程の1体だけだろうが念の為にな」




 説明を聞くと勇者パーティの他のメンバーは街の巡回をしているらしい。

 何人いるのかわからないが、きっと凄腕なんだろうね。

 あの炎の槍を放った魔法使いのように。




 僕は改めて勇者スザクを見る。

 がっちりとした体躯。鍛え抜かれた筋肉。見た目は20代後半くらいだろうか。




「先程は足止めをしてくれて助かった。あのままヤツが暴れていたら被害者はもっと増えていただろう」




「……まるで歯が立たなかったがな」




 ライナスさんが苦笑した。

 でもそれは仕方ない。

 魔族を倒すには強力な魔法か聖剣などの魔力が付与された武具が必要だと説明を受けたばかりだ。

 だから僕でもそれくらいはわかる。




「詳しい報告に後でまた来る。今は魔族を討伐したことを言いに来ただけだからな。では……」




 話もそこそこに勇者スザクは立ち上がった。

 そんなときだった。




「あの……。私は勇者パーティに入れますか?」




 エリーゼがいきなり驚くような発言をした。

 部屋を出るためにすでに背を向けていた勇者スザクは振り返る。

 そしてじっとエリーゼを見て問う。




「どういう意味だ?」




「私に勇者パーティに入れる資格はあるか、と言う意味です……」




 なんとも気まずい雰囲気になった。

 見回すと支部長さんは渋い顔をしているし、ライナスさんやリサさんたちも困惑した表情を浮かべている。

 そして僕もきっとそうだろう。

 エリーゼ、なぜいきなりそんな質問をするんだ……?



勇者登場なのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「いらぬ神にたたりなし」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。



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