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039話 商隊の護衛依頼。

【毎日夜の18時に更新します】

よろしくお願いします。



 

「今回も状態がいいな。首だけきれいに落としてあるので肉がかなり取れるぞ。もちろん買い取り条件は最高ランクだな」




 元冒険者にしか思えないごついオズワルドさんがそのいかつい顔を崩してニヤリと笑顔になる。




「ありがとう。感謝するわ」




 僕たちはその後、冒険者組合の建物に戻る。

 そして窓口で再びマリーさんに対応してもらい、討伐依頼料の金貨3枚と肉の買い取り料金を受け取った。




「マキラさん、ちょっと待ってくれるかしら?」




「はい?」




 マリーさんに呼ばれて僕は戸惑い顔になる。

 今日の手続きは全部終わったはずだ。




「おめでとう。昇級よ。前回のゴブリン討伐とワイバーン討伐の評価と今回の依頼の評価で条件を満たしたわ。今日からDランクね」




「ホントですか? それは嬉しいです」




 Dランク。

 今までのEランクといちばん異なるのは街を離れて別の街でも依頼が受けられることだ。

 つまり師匠が向かったとの情報があるニバーンメの街にも行けるということだ。




「新しい札と交換するからEランクの札を渡してくれる?」




「はい」




 僕は首から下げた冒険者組合の金属札をマリーさんに手渡した。

 そしてしばらく待つ。




「はい。これが今日からのマキラさんの札です」




 渡された新しい札は色は前と同じく無垢の金属板だったけどDランクの刻印がされていた。




「マキラ、おめでとう。これで私と同じね」




 エリーゼが祝福してくれる。

 そうなのだ。

 これでエリーゼと同じDクラス。やっと対等になれた気分がする。

 ……いや、冒険の経験とかぜんぜん追いついていないけどね。




 その夜は昇級祝いとしてレストランで食事することになった。

 エリーゼが誘ってくれたのだ。




「わ、うまそう」




 注文して運ばれてきたのは分厚いステーキと肉と野菜の具だくさんスープ。

 パン皿の白パンは食べ放題。

 正直、生まれて初めてのレベルのごちそうだった。

 師匠と暮らしていた頃は硬い黒パンと具が少ない薄味のスープばっかりだったからね。

 そして僕の前には果実水、エリーゼの前にはエールが置かれている。




「さあ、乾杯よ」




 僕たちは互いのグラスを軽く当てて乾杯する。

 そして食事が始まった。

 僕は目の前に並んだ豪華な食事を楽しんだ。

 もちろんエリーゼもだ。

 そしてエリーゼだがお酒は控えめだった。

 やはりこの前のことを反省しているのだろうね。

 そしてやがて楽しい食事の時間が終わり、僕とエリーゼは宿の部屋へと帰るのであった。



 そして翌日。

 休日にしようかとも考えていたのだけど、せっかくDランクになったのだからとりあえず冒険者組合に顔を出して依頼票くらいは確認しようとなった。

 なので僕とエリーゼは宿『暴れ牛亭』から20分歩いて冒険者組合の建物に向かった。




 建物の中は混雑していた。

 壁の掲示板には依頼がびっしりと貼られていた。

 どうやら大量の依頼が発生したことで冒険者たちができるだけ割の良い仕事を得ようと集まっているようだ。




 そんな中、僕とエリーゼはDランクの掲示板に向かった。

 そこもいつもよりも多めに依頼票が貼られていた。




「多いね」




「そうね。なにかいいのがあるかしら?」




 僕たちは群れをかき分けてなんとか最前列に出ることができた。

 そして貼られた多数の依頼票を見る。




「討伐依頼が多いわね。どうやらオークが増えているみたいね」




 エリーゼの言う通りだった。

 ちらっと見ただけでも近隣の村や街道沿いに出没したオークの討伐を依頼する案件がいくつもあったからだ。




「もし受けるならだけど、ニバーンメの街に近いのがいいかな」




「そうね。そうしたらそのままニバーンメの街に活動拠点を移してもいいかもね」




 そんなことを言いながら、僕もエリーゼも食い入るように依頼票を見ていく。

 そんなときだった。




「ねえマキラ、これどうかしら?」




 僕はエリーゼが指差す依頼票に視線を移す。




「……護衛依頼?」




 それはこのイチバーンメの街からニバーンメの街へ移動する商隊の護衛依頼だった。

 数台の馬車に商材を積み移動する商隊を護衛して欲しいというものだ。

 募集人数はDランク2~4名。

 報酬は完遂でひとり金貨2枚となっていた。




「……ねえ、これならついでにニバーンメに行けるし、どう?」




「いいと思う。……でもどうしてDランクなのかな? 何台も馬車を護衛するんでしょ? 魔物が群れで襲ってくるかもしれないんだから、もっと高ランクの冒険者の方がいいんじゃない?」




「それはそうね。護衛の費用をケチる依頼主もいるみたいだし。……そうね。じゃあ受けるついでに窓口で確認してみましょうよ」




「そうだね。それがいいかも」




 そして僕とエリーゼは護衛依頼の依頼票を剥がして冒険者組合の受付窓口へと並んだ。

 しばらく待つと順番が来た。

 受付嬢はなんとマリーさんだった。




「あら? エリーゼさんとマキラさん。依頼を受けるのかしら?」




「ええ。この依頼を受けようと思ってるの。どうかしら?」




 エリーゼが持っていた依頼票をマリーさんに手渡した。




「護衛依頼ですね。ランクも人数も合致してますので受けるのは問題ありません。受けますか?」




「その前にちょっと訊きたいことがあるんですけど……」




 僕とエリーゼは話を切り出した。




初の護衛依頼なのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「いらぬ神にたたりなし」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。



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