037話 オークたちの襲撃。
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「……ゴブリンね。10匹以上いそうだわ」
エリーゼがそう呟いた直後だった。
オーク3匹がむくりと立ち上がり村に向かって突進してきたのだ。
その手には斧があった。
「「「ブモモッ!」」」
叫び声がこちらにまで届く。
そしてその背後から多勢のゴブリンたちが姿を見せて走り出した。
緑色の体色で手には石斧を持っていた。
「「「「「グギャギャギャ!」」」」」
ゴブリンたちはオークに遅れまいと速力を上げる。
3匹のオーク、そして数えると13匹のゴブリンの連合だった。
「オークがゴブリンを仲間に引き入れたのね」
「そういうことってあるの?」
「たまにあるわ。多少は知恵はあるし、元々魔物は力がすべてだからゴブリンたちはオークに従ったのよ」
僕とエリーゼは監視を続けた。
飛び出すには必要なタイミングがあるからだ。
だが、エリーゼが突然舌打ちをした。
「まずいわね。家畜小屋じゃなくて村を襲うつもりのようよ」
「ホントだ……」
オークたちの進行方向がわかった。
最初は家畜小屋の方に来ると思っていたのだが、途中で方向を変えて村そのものを襲う方角へと進路を変えたのだ。
「数が多くなったから、家畜じゃなくて村を襲う方針に変えたようね。……マキラ、出るわよ」
「わかった」
エリーゼの合図で僕たちは作業小屋を飛び出した。
「私が囮になるわ。援護お願いね」
「え? わ、わかった」
僕にそう告げるとエリーゼは走る速度を上げた。
さすがは狼獣人で、人族の僕とは脚力がぜんぜん違う。
なので僕はぐんぐんと離された。
すると変化が現れた。
村へと疾走しているオークたちが突然足を止めたのだ。
「「「ブモモッ!!」」」
「「「「「グギャギャギャ!!」」」」」
そして目標をエリーゼに変更したのだ。
オークとゴブリンたちは叫び声を上げながらエリーゼに向かう。
「……どうして村じゃなくてエリーゼを……は、……まさかっ」
僕は嫌な思いつきをした。
それはヤツらが種族的にオスしかいなくて、他種族のメスを襲って妊娠させて仲間を増やす習性があることを……。
つまりエリーゼを攫って孕まそうと考えたのだろう。
あれだけの美少女なのだ。
ヤツらが目の色を変えて襲いかかるのも動機は理解できる。
だから、エリーゼは私が囮になると言ったのだ。
「ダメだっ! このままじゃ多勢に無勢だっ!」
僕は自分の足を叱咤して走る速度を上げた。
脳裏にはオークとゴブリンたちに蹂躙されて全裸に剥かれたエリーゼが凌辱される図が浮かんでしまう。
たわわな胸と形の良い尻をもみくちゃにされるのを想像してしまうのだ。
そして短剣を抜いて立ち尽くすエリーゼにオークたちが追いついたのだった。
「シッ……!」
そのとき鋭い呼気とともになにか大きな塊がポーンと宙を舞った。
それはオークの首だった。
一撃で切断された首が吹っ飛んだのだ。
「これっ、切れ味すごいわ!」
エリーゼが手にしている短剣を頭上の掲げてそう叫んだ。
もちろんブルーオーガのミサイアからお礼として受け取った短剣のことだ。
そしてエリーゼは更に迫りくるゴブリンの群れが振りかぶる石斧を躱して後方から1匹のゴブリンの首に刃を横に滑らす。
するとまたポーンと首が舞った。
だけど数が多すぎる。
オークはまだ2匹いるし、ゴブリンは12匹も残っている。
オークとゴブリンの連合軍は不完全ながらもエリーゼを囲むように移動し始める。
そこで僕の出番だ。
「転倒、転倒」
僕はまず脅威度の高いオーク2匹に転倒魔法をかける。
浮かび上がった魔法陣にオークたちが包まれる。
――ツルリン、ツルリン。
「「ブモモモモッ!」」
2匹のオークがすっ転んだ。
派手に転んだので手にしていた斧がすっ飛んだ。
そして立ち上がろうともがいているが、もちろんまた転ぶ。
そして次はゴブリンの番だ。
エリーゼの視界に入っていない後方に位置するヤツらから順に転倒魔法をかけた。
オークとゴブリンの連合軍なのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「いらぬ神にたたりなし」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。




