表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/304

032話 初めての市街観光、初めての海。

【毎日夜の18時に更新します】

よろしくお願いします。




 

「剣を研いで欲しいのよ」




「いつものようにだな」




 エリーゼは腰から鞘ごと短剣を外すとそのまま店主のドワーフに渡す。




「あと、ちょっとお願いがあるの。訳あって短剣を手に入れたんだけど、それの価値を知りたいのよ」




「ああ、構わんぞ。見せてみろ」




 エリーゼは魔法収納袋からミサイアにお礼としてもらった短剣を取り出して渡すのであった。



「……~ん。……これはなかなかのものだな」




「やっぱり?」




「ああ、相当の業物だ。ミスリルの合金でできている。鍛冶師の腕も相当だ」




 店主は刃先からじっくりと観察し、しきりにうーむと唸っている。




「……売れば、……そうだな、最低でも金貨20枚、いや30枚はするだろう」




「そんなに?」




 僕とエリーゼは顔を見合わせた。もちろん二人とも驚き顔だ。

 たったひとりのブルーオーガの少女を助けただけなのに、こんなに価値のある短剣をもらってしまったのだ。




「……ひょっとしてなんだけど」




 僕はエリーゼに囁いた。




「あのリーアって女の子、ブルーオーガの中でも身分が高い子だったのかも」




「……そ、そうね。その可能性はあるわね。だから腕の立つミサイアに捜索依頼をしていたのかもしれないわね」




 そんなこんなの会話をしながら店内の武器、防具を見て回る。

 僕は勝手に持ち出した師匠の帽子、ローブ、杖の3点セットがあるので特に欲しいものがないことから、呑気に見ていた。

 エリーゼは動きを阻害しないためなのか皮の鎧や胸当てを見ていたり、並んでいる短剣がミサイアからもらったものよりの低質なものしかなかったことに嬉しさを感じたりしているようだったね。

 やがて短剣の研ぎが終わったので僕たちは武器屋を後にした。




 それから僕はエリーゼに誘われてイチバーンメの街の観光をすることになった。

 僕が街を知らないことを知ったエリーゼが案内してくれることになったのだ。

 美少女とデートみたいで、なんか嬉しいね。




 街の中央に向かった。

 中心に近づくに連れて元々多かった人々の数が増えた。

 やはり街の中央はいちばんの観光地でもあるのだろうね。




 大きな屋根とそれから突き出すように伸びる尖塔が見えた。




「大聖堂ね。たくさんのひとたちがお祈りに来るわ」




 そこは大きな教会だった。

 中に入って礼拝をするための人々の行列ができている。

 大聖堂の中がどうなっているのかちょっと興味があったけど、あの列に並ぶのは遠慮したいので別の場所に行くことにした。




 大聖堂を通り抜けて石畳の道を少しあるくと東西南北の街道が一点で交差するロータリーがあった。

 とても大きなもので道路は馬車が余裕ですれ違えるほどあって、その中心は円形の広い公園になっていた。




「公園に入りましょ」




 エリーゼに誘われて僕は道路を渡り円形の公園に入った。

 そこは背の高い樹木が等間隔に植えられていて、その中心には大きな噴水があった。




「すごい、噴水だ」




 噴水は僕の背丈よりもずっとずっと上まで水が飛んでいて落下した水は激しく水面を叩く。




「もしかして噴水は初めて?」




「うん。初めて見た」




 田舎者だからね。

 話には聞いていたけど見るのは初めてだったよ。

 そして僕たちは数件並んでいる屋台でサンドイッチを買って噴水を見ながら昼食を食べたのだった。




「ねえ、海見る?」




「海? この街って海が見られるの?」




 僕は興奮した。

 話には聞いたことがある。

 それは陸よりもずっと広くてすべて水になっているのが海。

 海には波があって、魚もたくさん生きているって。




「行きたい! 行きたいです!」




 僕は声を大きくしてそうお願いするのだった。




 そして街を横断するように向こう側に歩くこと1時間。

 外壁の上まで登るための螺旋階段を進んだ。




「うわあっ! ……これが……海……」




 外壁の向こうは海だった。

 壁の奥に白い砂浜が広がり波があり、そしてずっと先まで水だった。

 話に聞いていた通りだよ。




「これが海よ。……マキラは山奥で育ったって言ってたから海を見たことがないだろうって思ったの。だから連れて行きたいと考えたのよ」




「ありがとう……」




 僕は猛烈に感動していた。

 そしてずっと海を見続けていた。




「……あれは……舟?」




「そう。ちょっと離れたところに漁村があるのよ。そこの漁師の舟ね」




 舟は波に揺られて上下に動いている。

 僕はそれをいつまでも見続けていた。



噴水も海も初めてなのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「いらぬ神にたたりなし」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ