表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
128/305

128話 別の冒険者パーティ。

【基本一日置きで夜の18時に更新します】

どうぞ、よろしくお願いします。




 

「足は止めたよ。後は棍棒と拳に気をつけて」




「わかったわ」




 エリーゼが短剣を握り、鋭い呼気とともに疾駆する。そして振り下ろされた棍棒を掻い潜りオーガの脇腹に強力な一撃を加える。

 そしてタマユラも脇差しキツネを4匹呼び出し、オーガの方へと向かわせたのだ。




 脇差しキツネの一撃は浅い。

 だが確実になんどもなんども攻撃を加えることで手数を稼ぎ確実にオーガにダメージを与えていく。

 そして、グァァァと断末魔の叫び声を上げて2匹のオーガたちはほぼ同時にドウッンと音を立てて倒れるのであった。




「急いで角を」




 エリーゼの指示で僕たちは2匹で合計4本の角を折って入手する。するとその直後、オーガの死骸は床に吸い込まれるようにして消えて行くのであった。




「危ないところだったね」




「そうですねっ。急がないと素材回収が間に合いませんっ」




「……ん? また宝箱じゃのう」




 タマユラがオーガの死骸が消えた場所を指さした。するとスライムを倒して以来の宝箱が出現したのだ。

 そしてエリーゼが鑑定して罠が設置されていないが確認できた。すると待ちかねていたフララランが喜び勇んで蓋を開ける。




「黄金ですねっ。インゴットが出ましたっ」




 見ると金の延べ棒が10本くらい入っていた。手に取ってみるとかなり重い。ずしりと手応えが感じられるのだ。




「これは売るしかないわね」




「そうですねっ。冒険者組合で買い取ってもらいましょうっ」




「では、我が収納しよう」




 タマユラが袖から風呂敷を取り出した。そして広げた中央に金の延べ棒を重ねていく。そして四隅を縛って、また袖の中へ収納した。

 かなりの重さのはずなのに、重さを感じさせないのだろう。やはり僕たちが持っている魔法収納袋と機能は同じようだ。




 ■




 それからも僕たちは通路でジャイアント・スパイダー、トレント、オーガたちと戦った。一度戦った相手なのでそれほど苦戦することもなく、倒し続けた。唯一不満を口にしたのはフラララン。やはり魔法で攻撃したかったのだろうね。ただ戦いは手際よく素早くだ。フララランのために戦いを長引かせるのは危険だから仕方ない。まあ、フララランもちょっと愚痴っただけって感じなので問題はないだろう。

 ちなみに宝箱の出現はなかった。こればっかりは運なので諦めるより仕方ない。




 その後、僕たちは野営をすることした。

 魔物は通路の脇にある小部屋には入ってこないので安心して過ごせるのだ。念の為に交代で見張りをするけれど、魔物は絶対に入ってこないので外での野営より安心かもしれない。




「え。火を使うの?」




 僕は魔法収納袋から薪と竈門を取り出して食事の準備をしているエリーゼに尋ねた。ここは地下なのだ。換気の問題とかあるだろうと思ったのだ。

 するとエリーゼはてきぱきと準備をしながら僕を見た。




「ダンジョンの空気は循環されているのよ。だから問題ないのよ」




「そうです。私たちは誰も使いませんでしたが、じゃないと火魔法を多用したら呼吸ができなくなってしまいますっ」




 なるほど。

 確かに火魔法、しかも強力なものを使ったら全員息が詰まって倒れてしまう。なのに火魔法が禁止されていないのはそういう理由があったようだ。

 見るとタマユラも僕同様に疑問を感じていたようだったが今は納得顔になっている。




 火が使えるのはありがたい。

 その理由は温かい食べ物が食べられるからだ。疲れた身体に温かい料理は染み入るほど美味しいのだ。




 エリーゼたちが作ったのはスープだった。

 一口大に切った肉を油で炒め、その後に水を入れ根菜が柔らかくなるまで煮る。そして最後には香草を千切ったものを上から振りかけるものだった。

 味付けは塩と香辛料を使った。




「うん。美味いよ」




 僕はスープに舌鼓を打つ。片手には固いパンがあるのだが、そのまま食べるには歯が折れそうなのでスープに浸して柔らかくして食べている。




「あったまりますねっ。この味付けが絶妙ですっ」




 フララランがエリーゼを褒める。材料を切ったり水を沸かしたりとかは全員でしたけれど、味付けをしたのはエリーゼだ。

 そしてエリーゼは褒められたのが恥ずかしいのか、耳をぺたんと倒して俯いてしまった。



「そうじゃのう。この腕前ならばいつでも嫁に行けるのう」




 よせばいいのにタマユラまでそう言うものだから、エリーゼは一層身を縮こませてしまうのであった。

 そんなこんなで夕食は美味しく過ごせるのだった。

 ちなみにこの小部屋には僕たち以外はいない。小部屋はいくつもあるのだ。なのですでに僕たちが使っている部屋にわざわざ入って来るパーティもいないのだろう。

 そう思っていた頃だった。

 僕たちは全員毛布に包まろうとしていたときだったのだ。




「ここに小部屋がある! 避難するぞ!」

「ウェールズ、もう少しの辛抱よ」

「みんなあと少しよ!」




 突然だった。

 4人組の冒険者たちが僕たちが野営しているこの小部屋に飛び込んできたのだ。

 見ると男性2人、女性2人のパーティで男性の1人が大怪我をしているのがわかる。

 右の脇腹と右腕を負傷していて、しかもその腕は千切れかかっている状態だったのだ。




「休憩中にすまん。手持ちを切らしてしまったんだ。ポーションと毒消しがあれば譲って欲しいのだが」




 リーダーと思われる片手剣使いの男性がそう僕たちに話しかけてきた。

 残りのメンバーは大怪我をした男性を床に横たわらせてこちらを見ている。




「もちろんあります。まずはその方の手当をしましょう」




 こちらもリーダーであるエリーゼがそう返答した。そして僕は魔法収納袋からポーションと毒消しポーションを2つずつ取り出した。多めに取り出したのは大怪我の男性がそれだけ重症だからだ。




 僕が片手剣のリーダーにポーション類を渡すとリーダーはお礼を言って大怪我の仲間の傷口にポーションと毒消しポーションの半分ほどを振り掛けて、残りを口から飲ませている。

 これはダメージが大きいときのやり方だ。通常の回復であれば口から飲ませるだけで効果があるのだが傷口が深いときは傷口にも直接振りかける方が回復が早いのだ。


怪我人が運び込まれてきたのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「いらぬ神にたたりなし」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ