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124話 ダンジョン攻略開始。

【基本一日置きで夜の18時に更新します】

どうぞ、よろしくお願いします。



 

 ■




 こうやって下見を終えた僕たちは宿へと戻るのであった。

 そして夕食を済ませ、明日に備えて早い時間に就寝したのである。もちろん今回も4人部屋で、僕は男ひとりと言う気まずい状況にさせられるのであった。




 そして翌朝。

 早く寝たからだろう。夜明けとほぼ同じ時刻に目を覚ました。

 するとエリーゼもフララランもタマユラもすでに起きていた。




「寝坊しちゃったかな?」




「いいえ。私たちも起きたばかりだから」




 そんな会話をしながら僕たちは朝食を摂るために階段を降りて1階の食堂に向かうのであった。

 そしてそんなときだった。




「見て下さいっ。こんなのが売ってますよっ」




 階段を降りた先。店番のカウンターの上に薄い本のようなものが置かれていた。それをフララランが手に取って見せてきたのだ。




「魔物図鑑アーガス・ダンジョン版……?」




 僕はタイトルを読み上げた。

 表紙は魔物の絵が書かれていた。




「あ、それ便利ですよっ。お姉さんたち冒険者ですよね? ダンジョン初めてなら持っていた方がいいですよ」




 食堂のテーブル席に料理を運んでいた給仕の少女がそう発言した。年は10歳くらいなので雇われているのではなくて、この宿の娘で家業の手伝いをしている感じだ。




「これにはダンジョンに現れる魔物が載っているのかしら?」




「そうですよ。全部じゃないと言われたけれど、現れる魔物のほとんどは載っていますよ」




 だ、そうだ。

 だとするとこれはかなり良い品物なんじゃないかと僕は思った。




「買ってみる?」




「そうね」




 僕たちはこうして魔物図鑑を購入するのであった。

 価格は銀貨1枚とかなり高価だが、有益な情報が得られるのなら安いものだ。

 そして僕たちは朝食を摂りながら、魔物図鑑を読むのであった。




「地下1階はオークが多いけど、ゴブリン、スライムなども出るのね」




「地下2階はオーガやジャイアント・スパイダー、トレントが出るんだね」




「地下3階は1階、2階で出た魔物の上位種が中心なんですねっ」




「そして最後のボスがほぼミノタウルス確定とあるのう」




 そんなこんなでダンジョンに登場する魔物たちの情報を得た僕たちだった。




 ■




 そして僕たちはダンジョンに向かった。すでに昨日下見していたので迷うことなく街中を進んで行く。

 それにしてもこのアーガスの街は本当に冒険者特化だ。

 武器、防具、薬、そして飲食と冒険者には欠かせない店ばかりだ。なので例えば花屋とか洒落た服飾店、貴金属の店などまったく見当たらない。




 そしてダンジョンに到着した。

 ダンジョンには入るための列が出来ていて僕たちはその最後尾に並ぶ。列は20人ほどだ。ダンジョンの入口はぽっかりと開いた洞窟だが石造りで門があった。そこには冒険者組合の職員が冒険者たちの札を確認している。Cランク以上って指定があったからその確認だろうね。




 やがて僕たちの順番が来た。

 僕たちは職員にそれぞれの札を見せて入場が許可された。その際にやはり珍しいのか、フララランのSランクには驚かれた。Sランクがこのダンジョンに来るのは久々らしい。なので走破を期待されてしまうのであった。




 そして僕たちはダンジョンの中に入った。

 入口すぐに下に降りる石の階段があり、進むと地下1階に到着した。

 ダンジョンは天井、床、壁とすべて石造りで四角い幅広い通路だった。

 だが天井には魔道具がはめ込まれていて明るさは十分だ。そしてよく見ると壁や床の石組みの隙間から雑草が生えているのがわかった。




「これは嬉しい発見ですっ。私の植物魔法が使えますっ」




 そうなのだ。

 フララランは土や草がないと得意の植物魔法が使えない。サンバーンメの街の岩盤内の通路ではそれで苦労したのだ。

 だが、ここでは使えることがわかった。この意味は大きい。




 そしてダンジョン内を進む。

 するといくつかわかることがあった。

 この地下1階は通路には魔物が出現しない。魔物は通路から入れる小部屋内にいるのだ。

 そして僕たちより前に入った冒険者パーティが小部屋で魔物と戦っていた。横入りはマナー違反なので僕たちは素通りして別の部屋を探すのであった。




「……また駄目ね。使用中だわ」




 エリーゼがため息交じりに言う。

 そうなのだ。

 このダンジョンには僕たち以外にも大勢の冒険者たちが入っている。なのでせっかく部屋を見つけても中では冒険者パーティが戦っている最中であることが多いのだ。

 戦いが終わった後にしばらくすると魔物が再ポップするがそれも待ち時間が必要だ。なので使用中の部屋は素通りすることにした。いちいち待つのも時間がもったいないからね。



「あ、この部屋は空いているわ」




 斥候職なので先頭を行くエリーゼが次に現れた部屋の中を覗いて言う。

 見るとその部屋には先客はなくて、奥の方に不定形で団子のような形状の魔物が5匹ほどいた。

 青色のその魔物はスライムだ。割とポピュラーな魔物らしいのだが僕は初めて見た。大きさは高さ50センチほどだった。




「スライムですねっ。魔法には弱いですが、物理攻撃には結構耐えますので気をつけて下さいっ」




「なるほどのう。あれがスライムか。戦うのは初めてじゃのう」




 僕たちは部屋に入った。

 するとスライム5匹も僕たちに気がついたようで、グニャリグニャリと蠢くように向かってきた。意外と動きが早い。




 ――転倒、転倒、転倒、転倒、転倒。




 僕は5回続けて転倒魔法を発動させた。すると5匹のスライムの足元に魔法陣が次々と浮かび上がりスライムが動けなくなったのだ。

 一見するとただ動かなくなっただけにしか見えない。スライムは不定形だから動こうとして転んだのがはっきりわからないのだ。なのでただぷるぷると形を変えながら停止しているように見える。でも動きを封じたのは間違いない。




「行くわ」




 そう宣言したエリーゼが地を蹴った。そして矢のように1匹のスライムに駆け寄ると素早く短剣で薙ぐ。するとスライムはその半身を切り落とされた。だがまだ生きているようでぷるぷると蠢きながら再生を始める。やはりフララランが言う通り物理攻撃には強いようだ。しかしエリーゼが今度は縦に切り裂いた。するとさすがのスライムも生命を維持できなかったようでグニャリと溶けるように地面に薄く広がったのだった。



ダンジョンの攻略開始なのです。(`・ω・´)∩


 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「いらぬ神にたたりなし」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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