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120話 ダンジョンへ行こう。

【基本一日置きで夜の18時に更新します】

どうぞ、よろしくお願いします。



 

 ■




 その後、僕たちは獣人少女捜索の報酬を手に入れた。

 ノーアたち少女4人の親であるズンドさんたちが娘を引き取りに来てくれたからだ。

 そしてズンドさんたちは依頼票に評価を入れてくれたので依頼完了となったのだ。

 親御さんたちはみんな涙を浮かべて感謝してくれた。




「やっぱり全員無事に助けられて良かったわ」




「そうだね。なによりだよ」




「そうですねっ。感謝されちゃいましたっ」




「怪我ひとつなくて良かったのう」




 僕たちは今、宿の部屋にいる。

 それは今後の方針を決めるためだ。

 どこへ向かうか、なにを目的にするかを決定しなければならない。




「次はどの街に行く? まあ、勇者パーティを追いかけてオツ王国に向かうってのもあるけど」




 僕は軽い気持ちでそう切り出した。

 元々僕は世間知らずなので地理に詳しくない。なのでこれから出る誰かの提案に乗っかるつもりで口にしたのだ。

 するとエリーゼが真剣な表情で口を開いた。




「……私は行きたい街はないけど、手に入れたい物があるわ」




「なんですかっ? それは高いんですかっ?」




「気のなるのう。言ってみてくれんか」




 フララランとタマユラに問われてエリーゼはなぜか申し訳無さそうに言う。




「魔剣を手に入れたいのよ」




 ――魔剣!

 確かに魔剣を入手できればエリーゼの攻撃力は数段上がる。と、言うことはパーティ全体の力が上がるってことになる。




「僕は賛成だけど、それはどこの街で手に入るの?」




 そうなのだ。

 これまでイチバーンメの街、ニバーンメの街、そしてここサンバーンメの街でも数件の武器屋には入ったことがある。

 だけど僕は魔剣が売っているのを一度も見たことがないのだ。よほど数が少ないのか、それとも買える者がいないのか……。




「魔剣は普通の武器屋では扱っていませんよっ。もしあったとしても到底買える値段じゃないと思いますっ」




「そうじゃとすると別の街に行っても無駄になるのう」




「そうね。武器屋では手に入らないと思うわ。……あるのはダンジョンね」




 そしてエリーゼは説明を始めた。

 ダンジョンとは簡単に言えば地下迷宮だそうだ。深さは数階層あって中には魔物がたくさん棲んでいる。非常に危険で一般人なら絶対に立ち入らない場所だ。

 だが旨味もある。

 それは宝物があるからだ。宝箱がときおり見つかることがあり、中には価値のあるお宝が入っている。

 そしてダンジョンの最奥部にいるラスボスを倒すととんでもない武具が手に入るようだ。だがなぜそんなものが実在するかは誰も知らないらしい。一説によれば神々が人間に与えた試練の場とも伝わっているようだ。




「この街から東に進めばヨンバーンメの街があるの。その途中にダンジョンがあるのよ」



「私もそれは聞いたことがありますっ。ただひとりでは危険なので入ったことはありませんっ」




 どうやらエリーゼだけじゃなくて、フララランもそのダンジョンのことを知っているようだ。




「わかったよ。じゃあ僕はそのダンジョンに行くのでいいよ」




「我も同意じゃ。……じゃが、そのダンジョンに行けば魔剣が手に入るのかのう? と、言うよりもそもそもエリーゼはなぜそんなに魔剣にこだわるんかのう?」




 タマユラがそうエリーゼに尋ねる。

 するとエリーゼは少し俯き加減になる。




「そのダンジョンで魔剣が必ず手に入るって話は聞いたことはないわ。でも可能性が少しでもあるなら私は入って走破したい。……今日、私は役立たずだったわ。マキラもフララランもタマユラも魔族の足止めを立派に努めたのに。私はそれが悔しい。今度、魔族と戦う場面があったら私も力になりたいの」




 それはエリーゼの決意だった。

 強くなりたい。魔族を倒したい。その気持ちだ。

 その源になっているのは父親が魔族に殺されたことだろう。エリーゼはそのかたきを討つために冒険者になったのだ。

 だから、どうしても魔族を倒せる魔剣が必要なのだろう。




「わかりましたっ。じゃあ次の目的地はダンジョンにしましょうっ。確かダンジョンには街があったと思いますっ」




「アーガスの街ね。アーガスの街とアーガス・ダンジョンよ」




 エリーゼは街の名前まで知っているようだ。

 ただ知識として知っているだけで実際に訪れたことはないと言う。




 そして僕たちはアーガス・ダンジョンに向かうことになったのだ。




 ■




 それから僕たちは翌日からいろいろ準備を始めた。

 ダンジョンに入るのだから食料や医薬品、着替えの服などを購入したりして過ごした。

 そして2日が過ぎた頃だった。

 冒険者組合の人が宿に訪ねて来たのだ。

 要件は勇者スザクが呼んでいるのですぐに組合に来て欲しいとのことだ。どうやらまだオツ王国へは旅立っていなかったようだ。

 たぶんきっと誘拐団に関することだろうな、と僕は思う。




 そして僕たち『ひとつの足跡』の4人は冒険者組合の建物に向かった。

 場所は前回借りた長テーブルのある部屋だった。

 僕たちが入るとすでに勇者スザクと師匠、そしてミサイアさんは席についていた。




「お待たせしました」




 代表してエリーゼがそう勇者たちに告げた。すると席を勧められたので僕たち4人は着席した。




「わざわざ呼び立てて悪かったな。要件はもちろん誘拐組織の件だ」




 勇者スザクはそう話し始めた。




「俺はその日の内に領主に面会を求め、直接書類を提出した」




 話によると勇者スザクはすぐに対応してくれたようでありがたい。感謝したい。

 そして領主はすぐに行動を起こしたそうだ。書類に記載されていた違法奴隷の買い手……。主に配下の貴族家や豪商たちだったようだが、一斉に家宅捜索をし証拠固めが整うと捕縛して投獄してくれたらしい。

 その際に捕らえられていた違法奴隷たちも保護し医師の診断を済ませたのちは帰宅させ、身寄りのない孤児だった少女は孤児院に入れたようだった。




 そして誘拐団にも当然、捜査の手は入り全員を捕縛したようだ。

 ただ危惧した通り、衛兵隊にも協力者がいたらしい。厳しい尋問の後、投獄されたようだ。そして冒険者組合は幸いにも協力者がいなかったようだ。まあ、もしいればここでこうやって会合を設けたりはしないだろうしね。




「ありがとうございます。考えうる限り最善の結果となりました」




 エリーゼの言葉とともに僕たち『ひとつの足跡』全員で勇者パーティ3人に頭を下げるのであった。




ダンジョン行きが決定なのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「いらぬ神にたたりなし」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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