012話 Eランク昇級。
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こうして僕は1日で2件とも依頼を終えた。
エドモンドさんはクロちゃんの飼い主のマチルダさんと同じく高い評価を入れてくれたよ。これには僕も満足だね。
そして僕は冒険者組合に戻ることにした。
マチルダさんの依頼とエドモンドさんの依頼、その依頼表を組合に提出すれば仕事は完了と見なされて依頼料がもらえるのだ。
歩いてしばらくすると冒険者組合が見えてきた。
日はまだ高い。
ずいぶん早く終わったので時間が余っているので気分がいいよ。
「マリーさん、こんにちは」
僕は冒険者組合に入ると受付窓口でマリーさんの姿を見かけたので声をかけた。
「あら、マキラさん。依頼はどうしたの?」
「終わりました」
「2件ともかしら?」
「はい」
マリーさんはびっくりした表情を見せた。
美女の驚き顔を拝めたよ。
僕は2件の依頼表を提出する。
「これです」
「あら、本当に終わってるのね。しかもA評価。……マキラさん、意外とやり手冒険者なのね」
「たはは。たまたまです」
褒められたので僕は思わず照れてしまった。
「では、これが報酬です。銀貨10枚ですね」
「ありがとうございます」
いちおう数えたけど、ちゃんと銀貨10枚あった。
まあ、組合が誤魔化す訳ないだろうけどね。
■
そして翌日。
僕は3件の依頼を受けた。
どれもペット探しの依頼にした。
そして僕はそのすべてを1日で終わらせた。
ペット探しにおいて転倒魔法は無敵なのだよ。
「今日も素早く終えて、しかもA評価。マキラさん、すごいですね」
仕事完了の手続きでマリーさんに受け付けてもらったのである。
「ありがとうございます」
「そうそう。組合の札をいいかしら?」
「? はい?」
昨日は提出を言い渡されなかったのに今日は冒険者の札を要求された。
なので、僕は首から下げた札を取り出し、マリーさんに渡す。
「おめでとう。マキラさん、昇級よ」
「え、そうなんですか?」
「ええ。Fランクで5件依頼を達成して高評価だった場合はEランクになれるのよ」
「僕がEランク? って、EランクとFランクってなにが違うんでしたっけ?」
「Eランクは街の外の依頼が受けられるの。素材収集ね」
「素材収集?」
ピンと来ないので質問してみた。
「ええ。薬草などの採集もあるけど、いちばん大きな違いは魔物討伐ができることね」
「魔物討伐ですか?」
「そうよ。街の近くではあまり見かけないけど、街道近くの森などにはゴブリンやオークが姿を見せるわ。それらの討伐依頼も受けられるのよ」
「はあ……」
なんか冒険者らしくなってきた。
そうなのだ。
冒険者とは決してペット探しが似合う訳じゃない。
やっぱり魔物を倒してナンボってもんでしょうが。
いちおう説明しておく。
ゴブリンは子鬼とも呼ばれる子供サイズの人型の魔物。
知能はそれなりで単独ではたいしたことないけど凶暴で、更に群れるから要注意。
オークは豚頭の人型巨人で知能はゴブリン同様にそれなりだけど力が強いから、これはかなり注意だよ。
「ただ、マキラさんはソロでパーティを組んでいないから魔物討伐は難しいかもしれないわ。ソロでやるのなら薬草採集の方が安全よ」
「わかりました」
僕は返事をする。
そして考える。
僕には転倒魔法がある。
そしてそれは魔物相手でも有効だ。
だけどあくまで転倒魔法は転ばすだけなんだよね。
トドメを刺したり捕獲できる仲間がいないと駄目なんだよ。
……う~む。
考え顔になっている僕をよそにマリーさんは机の下から札を取り出した。
「よくよく考えてね。はいこれ、新しいEランクの札よ。失くさないでね」
「あ、ありがとうございます」
僕は札を受け取った。
色はFランクと同じ銀色の金属製だった。
だけどそこにはEランクと記載がされていた。
なんだか嬉しい。
一人前とされるのはCランクからと聞いたけど、街の外へ出て冒険できるランクになったのだ。
これは十分に嬉しい出来事だよ。
昇級できたのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「いらぬ神にたたりなし」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。




