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117話 顔合わせ 1。

【基本一日置きで夜の18時に更新します】

どうぞ、よろしくお願いします。




 

「マキラ。腕を上げたな」




 僕はなんて答えたらいいのかわからない。

 とっさに笑顔を作ったがどうもぎこちない。なので深く一礼した。

 そんなときだった。




「ああっ。アルスイーヌじゃないですかっ。アルスイーヌがマキラのお師匠さんだったんですねっ?」




 突然、フララランが叫ぶ。

 僕は驚いてフララランと師匠の顔を見比べる。フララランは驚き顔で師匠はなんだか呆れたような顔をしている。




「フララランじゃないか。……まったく、……私は今はただのアルで通しているのだがな」




 どうやら師匠とフララランは知り合いのようだ。

 聞きたいことはたくさんある。だが今は怪我人の治療が最優先だ。

 なので僕たちは周囲で倒れている人たちにポーションで回復をしていく。すると良いことがわかった。

 今回の魔族騒動での死者は誰もいないことだった。




 そして改めて互いの経緯を簡単に説明しあう。

 僕たちは獣人少女行方不明事件の依頼を受けて今この場にいることを。そして師匠は勇者パーティとしての役目で魔族を追ってこの街に来たとのことだった。

 そしてその師匠の説明を裏付けるように、やがて勇者スザクとブルーオーガのミサイアさんがやって来た。

 勇者スザクは黒いマントと白銀の鎧。そして腰には抜けば光り輝く聖剣を佩いている。そしてミサイアさんは町娘の服装に魔剣、姿は認識阻害魔法で人族に見えている。




「……とうとう出会ってしまったな」




 勇者スザクが僕と師匠を見比べるように言う。

 やっぱりなにか事情があるようだ。師匠はなんだか面白くない顔になっている。




「師匠。また会えて嬉しいです」




「まったく。ここまで追って来るとはな」




 師匠は苦笑するのであった。




 ■




 それから僕たちは連れ立って地下の街を去り、岩盤の上の正式なヨンバーンメの街並へと戻った。

 そして冒険者組合に到着した。




 ここで僕たち『ひとつの足跡』と勇者パーティは後で落ち合う約束をして一時的に別れることになった。

 僕たちは僕たちで自分たちの依頼報告があるからね。

 そしてノーアたち少女4人は冒険者組合に一時的に預けることになった。

 それは少女たちの健康状態を医師に診てもらうことだ。そしてそれぞれの少女たちの親御さんたちへの連絡は組合の方でしてくれることになった。




 健康状態が問題なくて帰宅可能であれば、親御さんたちが迎えに来てくれる手はずになっている。

 幸い医師によると精神的に疲労しているものの体調自体は問題ないらしい。

 まあ、違法奴隷として買い手が決まっている商品なのだから、盗賊団たちも雑に扱ってはいないだろうしね。

 そして僕たちの依頼完了を受理してもらうのも少女たちが帰宅してからだ。それまで依頼票は提出できない。

 だいいち、親御さんたちの署名がないからね。




 ちなみに報告の受付はもちろんいつもの非常用窓口で担当は当然のようにリリエさんだった。




「……お見事です。さすがは貴族からの緊急指名依頼を完遂できるパーティですね」




 満面の笑みでリリエさんはそう手放しで僕たちを称賛してくれた。




 そして僕たち『ひとつの足跡』の4人は取り敢えず時間ができた。

 なので冒険者組合の受付から離れた所に設置された食堂に入った。

 中には昼間っからお酒を飲んでいる冒険者たちの姿が目に入る。そんな中、僕たちは隅の空いている丸テーブルの席についた。

 そしてお茶を注文するのであった。




「女の子たちの体調も悪くないようで安心したわ」




「そうだね。やっぱり無事に両親も所へ帰ってもらいたいよね」




「そうですねっ。全員無事に保護できたのは良かったのですっ」




「そうじゃのう。考えられる限り最良の結果じゃった」




 そんなこんなを会話にしていたときだった。

 町娘姿のミサイアさんが食堂に入って来るのが見えた。




「ああ、ミサイアさん」




 エリーゼがそう言って手を振る。

 するとそれを見つけたミサイアさんが僕たちのテーブル席にやって来た。




「ここにいたのか。すまんが全員で来てくれないか? 組合に頼んで部屋を借りている」



 そう口にしたミサイアさんが手招きするので、僕たちは席を立ち後について行くことになった。

 そして僕たちは階段を上り、2階に向かった。奥まで行くと支部長室があるのだが、ミサイアさんはその2つほど手前の部屋の扉をノックし開けるのであった。




 中にいたのは勇者スザク、師匠だった。つまりミサイアさんを含めて勇者パーティは3名のようだ。

 部屋の中は長テーブルがあって、勇者スザクはいちばん奥の席、その隣に師匠が座っている。




「よく来た。まあ、座ってくれ」




 勇者スザクがそう言って僕たちに席を勧めてきた。なので僕たち4人は並んで座る。




「パーティメンバーが増えたな。じゃあ改めて自己紹介するか。俺はスザク。勇者だ。そして戦士のミサイアだ。ブルーオーガ族なので街中では認識阻害魔法を使って人族に化けている。そしてSランク冒険者でもある」




 紹介されたミサイアさんは頭を一度下げる。

 ……やっぱりどう見ても人族にしか見えない。かなり優秀な魔法が掛けられているのがわかる。

 ……そしてそれをしたのが、多分、師匠。




「そして魔法使いのアルスイーヌ――」

「アルだ」




 勇者スザクの紹介の途中で師匠が口を挟んだ。

 すると勇者スザクは苦笑を浮かべる。




「ああ、そうだったな。……魔法使いのアルだ。Sランク冒険者になる。ちなみにミサイアに認識阻害魔法を掛けているのもアルだ。そして正体は人族ではなく魔女だ」




 ……ミサイアさんだけじゃなく師匠もSランクだったのか。そしてミサイアさんに魔法を掛けているのもやっぱり師匠だった。そしてイチバーンメの街の冒険者組合の支部長であるローランドさんが言っていた通りに師匠は魔女だった。

 魔女は長命らしいから、師匠の本当の年齢はわからない。まあ、教えてもらったことはないからね。




「全員がSランクですか。……ああ、そう言えばスザクさんは特Sランクでしたよね」




 エリーゼの質問に勇者スザクは頷いた。

 この勇者パーティのリーダーはもちろん勇者スザクだ。なので特Sパーティってことになる。

 冒険者パーティにランクはリーダーのランクで判断されるからだ。なのでちなみに僕たち『ひとつの足跡』はCランクパーティとなる。それはもちろんリーダーがエリーゼだからだ。なのでSランクのフララランが含まれていてもパーティのランクはCになるのである。



両パーティの顔合わせなのです。(`・ω・´)∩


 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「いらぬ神にたたりなし」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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