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104話 外へと繋がる出口の発見。

【基本一日置きで夜の18時に更新します】

どうぞ、よろしくお願いします。



 

 しばらく歩いたときである。

 道は両壁の間隔が狭く並んで歩けないことからフララランが先頭で僕が後ろを歩いている。

 天井も低く、立っては歩けるけど飛び跳ねたらすぐに頭をぶつけてしまいそうな程だった。



「……そう言えば……エリーゼたちは大丈夫かな?」




 僕はふと気になっていることを口にした。




「大丈夫だと思いますよっ。そもそもエリーゼとタマユラがスリに負けるとは思えませんっ。きっともう捕縛してお金も取り返して、そして私たちを待っていると思いますっ」




 フララランがそう言う。

 その言葉を聞いて僕はなぜだか安心になる。

 フララランは冒険者歴が長いので場数を踏んでいる。しかもSランクなのだ。そのフララランが大丈夫と言えば、大丈夫な気がしてきたのだ。




「じゃあ、僕たちはとにかくこの洞窟がどこまで続いているか確かめるのが先決だね」




「そうですっ。ゴブリンが入ってきたことから外へと繋がっているのは間違いないと思いますっ。もう距離的にはすぐに外に出られると思いますよっ」




 それから10分もしない頃だった。

 眼の前に光が見えてきたのだ。

 それはつまりは外への出口に到着が近いことの証だ。

 やがて角を曲がると外界が見えた。草地がある地面の高さでこの洞窟は外へと繋がっていることが判明したのであった。




「でも、これじゃ私たちは困りますねっ」




「そうだね。これじゃ出られないね」




 そうなのだ。

 この洞窟は明らかに外へと通じているのだが、僕とフララランには出ることは不可能だったのだ。

 出口の穴は小さくて僕とフララランでは身体がつかえてしまう。小さな子供なら出入りできる程度の穴しか開いてなかったのだ。




「だからゴブリンだけしか入って来なかったのですねっ」




「そうだね。僕でも無理だからオークとかは絶対入れないよね」




 穴は小柄なゴブリンがぎりぎり通れる程度であった。そのことで大型の魔物はこの穴を見つけても入れなかったのだろうね。




「どうしますっ? 仕方がありませんので落ちた場所に戻りますかっ?」




「そうしよう。エリーゼたちが無事なら上に登れる方法もきっとあるよ」




 僕とフララランは互いに頷いた。

 そして落とされた元の場所まで戻ることに決めたのだ。

 それから僕たちは歩き始めた。そして分かれ道を右に曲がり、先に進む。すると元いた場所近くなった。

 上からの光が漏れていて明るくなっているからすぐにわかった。




「――マキラ、フラララン?」




 驚いたことに落ちた穴の下でエリーゼが待っていた。

 落ち着いたその様子から、自分の意思で降りてきたのがわかる。

 間違ってもスリの鼠獣人に落とされた様子には見えない。




「エリーゼ、どうしたの?」




 僕たちは走って近くまで行く。

 するとエリーゼは笑顔を見せるのだった。




「良かったわ2人とも無事で。……私はね、これで降りてきたのよ」




 エリーゼの手には1本のロープがあった。見上げると落ちた穴の上から伸びているようだ。




「スリがね、ロープを保管していたの。1本はスリを縛り上げるのに使ったんだけど、もう1本あったから降りてみたのよ」




 聞くと、スリはすぐに捕らえることができたようだ。

 鼠獣人はとっさに逃げようとしたらしいのだが、タマユラが濃霧を発生させて視界を奪った隙にエリーゼがぶちのめしたとのことだ。

 まあ、霧の生成はタマユラは瞬時にできるし、斥候職、と言うよりも狼獣人のエリーゼの身体能力は高いからね。

 鼠獣人が戦いに向いているとは思えないし、決着はあっという間だったそうだ。

 で、もちろん奪われたお金は取り戻せたとのことだった。




 そして僕たちは落とし穴から出ることができた。

 見ると部屋になっている空間にはロープでぐるぐる巻きにされたスリの鼠獣人が絶望顔で座らされていて、それをタマユラが見張っていたのだった。




 ■




「えっ……!? ゴブリンが出たの?」




 街へ戻る道すがらである。

 先頭のエリーゼが鼠獣人を縛ったロープの端を持っている。そしてタマユラとフラララン、僕がその後を着いていくという形だった。




「そうなんだよ。落とし穴の下に外へと通じている洞窟があったんだ」




「そうなのですっ。これは冒険者組合に報告しないと駄目なのですっ」




 僕とフララランはゴブリンと遭遇した経緯と外への抜け道の件をエリーゼたちに話していた。




「そうじゃのう。魔物の侵入経路が見つかったとなれば一大事じゃからのう」




「そうね。じゃあ、このスリは私とタマユラが衛兵隊に引き渡すから、マキラとフララランは冒険者組合に報告してくれるかしら?」




 そう言われたスリの鼠獣人だが、逆らっても無駄だと悟っているのか無言で青い顔をしている。

 どうあってもエリーゼが怖くて仕方がないようでその表情は固くすでに観念しているのがわかった。




 そういうことでまた僕たちは二手に分かれることになった。

 まあ、4人全員で衛兵詰所に行って、その後に冒険者組合に行くのも非効率だからね。

 依頼報告でもないしメンバーすべてが立ち会う必要もないだろう。




 ちなみにエリーゼたちにはゴブリン出現の報告も衛兵詰所にしてもらうことにした。魔物案件は冒険者組合の管轄だけど、街の治安にも関わることだから衛兵さんたちにも伝えてもらわないと困るだろうからね。




 そしてエリーゼとタマユラが衛兵詰所へと向かうのを見届けながら、僕とフララランは冒険者組合の建物の中へと入るのであった。

 中はかなり混んでいた。

 依頼票の掲示板の前だけじゃなくて、受付窓口も大勢の冒険者たちが並んでいるのであった。




「さあ、報告ですよっ。私に続いて下さいねっ」




 そう宣言したフララランに僕は着いて行く。

 そして行くのはもちろん非常用窓口だ。そこには誰も並んでないからね。待つ必要がないのはありがたい。ここはフララランのSランク特権を利用させてもらおう。



出口は狭かったのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「いらぬ神にたたりなし」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。



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