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103話 洞窟内でゴブリンを討伐しました。

【基本一日置きで夜の18時に更新します】

どうぞ、よろしくお願いします。



 

「……グギャャャャ……」




 遠く。

 この登り坂のずっと先から嫌な鳴き声が漏れてくる。

 人でも動物でもない。

 あの鳴き声は魔物だ。




「なにかいますねっ。たぶんあれはゴブリンの鳴き声だと思いますっ」




「うん。僕もそう思うよ」




 僕もすでになんどかゴブリンとは相手をしている。

 そしてこの鳴き声もなんども聞いている。

 あれは間違いなくゴブリンの声だ。




「ゴブリンは単独ではまず行動しませんっ。何匹かの群れだと思いますっ」




「そうだね。……となるとまずいね。街へつながる洞窟にゴブリンたちが入って来たことになるね」




 そうなのだ。

 街の入口は数か所あるようだが、そのすべてには門があり衛兵さんたちが護衛している。なのでそこからゴブリンが侵入することはないだろう。




「だとすると、街が把握している入口以外に侵入できる穴があるってことになりますねっ」




 僕は頷く。

 フララランのその予測はたぶん正しい。

 冒険者組合だけじゃなく、街の行政府や衛兵隊たちが知らない別の抜け道があったってことになるんだろうね。




 僕たちは警戒しながらも坂道を登って行く。

 もうまもなく二又に道が分かれている地点だろう。

 だとすると……。




「さっきの狭い方の分かれ道から外に出られるのかもしれませんねっ」




「うん。そしてゴブリンたちはそこから侵入して来たのかもしれないね」




 そんなときだった。




「「「「「グギャャャャ~!」」」」」




 前方に5つの小柄なシルエットが見えた。

 手に棍棒を持っているゴブリンたちだ。

 距離はさほどない。すぐにでも臨戦態勢に入らないと危ない。




「マキラは転倒させてくださいっ。後は私がなんとかしますっ」




「フラララン、魔法は使えるの?」




「……この洞窟では私が使える魔法はほとんどありませんっ。でも大丈夫ですっ」




「わかったよ。――転倒、転倒、転倒、転倒、転倒」




 僕は続けざまに5回魔法を使った。




 ――ツルリン、ツルリン、ツルリン、ツルリン、ツルリン。




「「「「「グゲャャャャ……」」」」」




 5つの魔法陣が浮かび5匹のゴブリンがすべて転ぶのがわかった。

 そして立ち上がろうとして立てず、もがき続けているのがわかる。




 そこで、なのである。

 僕には転倒させる魔法しか使えない。火魔法、氷魔法、雷魔法などの攻撃魔法は一切使用できないのだ。

 なのでゴブリンにとどめを刺せない。

 護身用のナイフは持っているけど、転んだ魔物が暴れて危険だからこういう場面では僕には使わないようエリーゼに以前から強く言い含められているのだ。




 そんなときだった。

 ヒュン、ヒュン、ヒュンと続けざまに風切り音がしたかと思うとゴブリンたちが断末魔の悲鳴を上げるのがわかった。




「「「「「「グエッ……!」」」」」




 見るとすべてのゴブリンたちの頭に矢が刺さっているのがわかる。




「……弓矢?」




 僕は驚いて振り返る。

 するとそこには弓を手にしたフララランの姿があるのだった。

 フララランが弓を手にする場面は一度も見たことがない。おそらく魔法収納袋にしまっていたのだろうな。




「そうですっ。私はエルフなので嗜み程度には弓矢が使えるのですっ」




 嗜み程度……。

 僕には見事な腕前に思えた。近距離とは言え、5本を外さずにすべて頭に突き刺さっているのだ。

 ……そう言えば聞いたことがある。

 エルフは森の住民だ。高い木の枝に乗り、そこから獲物を弓で射る狩りを得意としている話だ。

 なので種族的に弓矢を嗜むと言うのは確かかもね。




「正直、すごいと思うよ。びっくりしたよ」




「ありがとうございますっ。褒められたのですっ」




 僕たちはすでに死骸となったゴブリンの右耳をナイフで切り落とした。

 ゴブリンは常時討伐となっている魔物なので、たぶん謹慎中の僕たちでも咎められることはないはずで報酬が出る可能性もあるからだ。

 そしてなによりも……。




「下手すれば街中にゴブリンが出てきちゃうところだったよね……」




「そうですっ。これは冒険者組合に報告しないと大変なのです。そして組合から衛兵隊などにも通報してもらわなければならない案件だと思いますっ」




 そうなのだ。

 この街に限らず、街中に魔物が現れるということは大変なことなのだ。

 そういうことが起こらないように冒険者たちは街の外で魔物を討伐しているのだし、街は壁を築いて魔物が侵入しないようにしているのだ。

 なのでこれは大事(おおごと)になる可能性がある。




「ゴブリンが侵入してきたのは、やっぱりさっきの細い方の分かれ道だよね?」




「そうですねっ。その可能性が高いですっ。調べる必要がありますねっ」




 そして僕とフララランは分かれ道の場所まで到達すると、細い方のまだ入っていない洞窟へと足を踏み入れるのだった。

見事な腕前なのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「いらぬ神にたたりなし」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。



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