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102話 落とし穴の洞窟。

【基本一日置きで夜の18時に更新します】

どうぞ、よろしくお願いします。

 

「わかりましたっ。私とマキラはこの穴から脱出する方法を探しますっ。スリはお願いしますっ」




 そう返事したフララランと僕は頷くのであった。




「それにしても驚きましたっ。まさか落とし穴があるとは思いませんでしたっ」




「僕も驚いた。幸い怪我がなくて良かったよ」




 おそらくスリは用心深いのだろう。

 そのため侵入者に対応するためにこの穴を用意していたと考えるべきだろうね。




「とにかく脱出ですっ。上はエリーゼとタマユラに任せて問題ないと思いますっ」




「そうだね。スリをするくらいだからすばしっこいだろうけどエリーゼとタマユラに勝てるとは思えないからね」




 そうなのだ。

 エリーゼとタマユラは現役の冒険者なのだ。スリごとにに負ける訳がない。

 そもそもスリなんてするのは自分が強くないからだ。強ければ冒険者や兵士になっているだろうからね。




「ねえ、フラララン。……木の根の魔法で上まで戻れないかな?」




 するとフララランは残念そうな顔になり首を左右に振る。




「地面も壁も天井も岩なので木の根魔法は使えないのですっ。これが土だったらできましたけどっ」



 なるほど。

 エルフの魔法も万能ではないようだ。確かに分厚い岩盤を貫く木の根ってのは想像できない。




「だとすると、出口を探さないと駄目だね」




 僕は前方に見える暗がりを指差す。そこには奥まで見通せない洞窟があった。




「道はここしかないみたいだから、この先に行ってみる?」




「そうですねっ。でもちょっと待ってくださいっ。道が暗いですからっ」




 そう答えるとフララランは口の中でなにやら唱えている。

 おそらくなにかの魔法を発動させようとしているんだろうね。

 そして1分少々経過した。




「お待たせしましたっ。照明の魔法ですっ」




 フララランのその宣言の後、いきなり周囲がパアッと明るくなった。

 見るとフララランの杖の先に拳大の光り輝く球体が浮かんでいたのだ。




「これもエルフの魔法なの?」




「そうですっ。光の精霊にお願いする魔法なのですっ」




 なるほど、これは便利だ。

 明かりが一切ない状態だったので、どうやって先に進むか困っていたところだ。そこへこの便利な照明の魔法。

 フララランさん、本当に便利。




「では、進みますよっ」




 フララランを先頭にして僕たちは進むのであった。




 洞窟は緩やかに下っていた。

 時折天井から水滴が滴り落ちてくる。そんな状態なので床の岩盤は濡れているところが多い。




「ずいぶんと続いているね。この洞窟、スリが掘ったんじゃないのかな?」




「元からあった洞窟だと思いますよっ。スリがこんなに掘れる訳ありませんし、きっと私たちが落とされた空間と元々つながっていて、穴に板で蓋をして落とし穴として利用したんだと思いますっ」




 なるほど。

 言われてみればそれは正しい気がする。

 例えスリに仲間がいたとしてもこんな大掛かりな洞窟を掘る理由がないし、実際これだけの距離を掘るのは不可能だろうしね。

 そんなときだった。




「分かれ道があるね?」




 道が二又に分かれていた。

 右側は大きい道なのだが、左側はかなり狭い。二人並んで歩くのは無理なくらいの狭さだ。




「広い方に行きませんかっ。そっちの方が道が続いている気がしますっ」




「そうだね。狭い方は後回しにしよう」




 そして僕たちは右側の広くて大きい道を選ぶのだった。

 そして道の傾斜はきつくなってきた。さっきまでは緩やかな下り坂だったのに、だんだんと急坂になってきたのだ。

 なので僕もフララランも壁に手を当てながら降りるのであった。




「手すりか階段が欲しいね」




「そうですねっ。足元が濡れているので滑りそうですっ」




「しかし、この洞窟、どこまで続いているんだろうね」




「もしかしたらですがっ、外へ続いているかもしれませんっ」




「外? 街の外ってこと?」




「そうですっ。これだけ降って来ているんですっ。外の地面まで続いている可能性もありますよねっ」




 なるほど。

 もうずいぶん降ってかなりの高さを降りたことになる。だとすると外へと繋がっている可能性もあるか。




 だがそれから10分くらい経過したときに、僕たちの予想が外れていたことを理解させられた。




「……行き止まりだね」




「そうですねっ。前は完全に岩壁ですっ」




 そうなのだ。

 道はいきなり終わっていた。眼の前には左右と同じ岩壁になっていて行き止まりになっていたのだ。

 叩いてみてもその壁は固く、とても壊して先に進むことなどできそうにない。




「残念ですっ。これじゃ出られませんっ」




「……さっきの分かれ道まで戻ろうか? もしかしたらあっちの道が出口になっている可能性があるかもしれないし」




 あくまで可能性の話だ。

 だけどさっきの二又以外に道はなかったのだ。




「そうですねっ。じゃあ面倒ですけど戻りましょうっ」




 そうして僕たちは下ってきた道を登り始める。

 きつい登道で手すりも階段もないのでかなり苦労しながら歩き出す。




 そしてそんなときだった。




「待って下さいっ。……なにか聞こえませんかっ?」




 そう言ったフララランが足を止めて耳を澄ます。

 それを見て僕も同じ様に立ち止まり、聞き耳を立てる。



行き止まりなのです。(`・ω・´)∩


 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「いらぬ神にたたりなし」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。



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